3402号室
白いロボットが、アサルトライフルを乱射する。
「う、うわあああっ」
ヒイロ、チナツは地面に伏せて、弾丸を回避。
しかし、一瞬反応の遅れた博士の体に、斜めに弾丸が走る。
膝から崩れ、口から血を吐き出す。
「がはっ」
「てんめ、きたねーぞ!」
チナツが前に出ようとすると、ヒイロが服をつか止んで引き留める。
「銃に勝てるわけねーだろっ」
博士を盾にして、身を屈める。
その間も頭上を弾丸が飛び交い、その場から動けない。
「さ、3402……」
その時、かすれた声で博士が何かを呟いた。
「は、何だって? チナツ、博士は何て言ったんだ!?」
「数字っす。 多分、部屋番だと思うっす。 聞き間違いじゃなきゃ、3402って……」
(3402…… そこに行けってことか)
ヒイロが辺りを見回すと、すぐ真横に3401号室。
博士の言った3402号室はその一つ奥だが、身動きが取れない。
「……チナツ、マスターキー、用意しとけ」
「えっ」
弾丸の音が鳴り止み、ロボットがマガジンを交換する。
その瞬間、ヒイロは動いた。
そして、廊下の壁の埋め込みスペースに設置してある消火器を手にすると、ロボット目がけて投げつける。
「うらあああーっ」
アサルトライフの弾丸が、消火器を射抜く。
すると、爆発音と共に、白い粉が廊下に飛散した。
「今だっ!」
「はあっ、はあっ……」
ヒイロ、チナツの2人はどうにか、3402号室の中へと避難することが出来た。
部屋は整然としていて、誰かが泊まっている気配はない。
(多分、博士が借りた部屋だよな……)
そう思いながら、辺りを散策すると、シルバーのケースがあることに気が付いた。
真新しいシーツのベッドの上に投げ出されている。
ヒイロはそのケースに近づくと、留め金を外して中を確認した。
「……そういうことか」
ケースの中味は、銃。
黒い横長のアサルトライフがしまわれていた。