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滅亡ビル  作者: oga
第二章 新たな計画
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盗聴器

 差し出した3色ボールペンの赤のレバーを引いて、畳の上に置く。

すると、ボールペンはガチャガチャと音を立てて、クモの形へと変化した。

唐子が雑誌を丸めて、それを振り下ろす。


「おいっ、何して…… やめろっ!」


「私、クモ、嫌いなんですっ!」


 ヒイロは唐子の腕を取り、落ち着け! と促す。


「本物じゃねぇし! クモの形しただけの盗聴器だっつの」


 このボールペン、通常の盗聴器としても使えるが、自分が接近出来ない対象の音声を手に入れたい場合、クモに姿を変えて相手の懐に侵入させることが出来る。

ちなみに、レバーは3つあり青のレバーを引くと、i am a pen と流暢な英語で喋る。


「何ですか、最後の機能……」


「とにかく、こいつをお前にやる。 居酒屋には色んな世代のヤツらが集まって為になる話だったり、下らねー話して盛り上がってる」


 その会話を盗み、吟味して漫画に生かしてみろ、とヒイロは言い残して、玄関へと向かった。


「……ありがとうございます」


「まあ、騙されたと思ってやってみろよ。 じゃーな」


 それから更に数ヶ月後が経った。








 

 ヒイロはすっかり漫画家のことなど忘れて、昼間、パソコンをチェックしていると、一通のメールを受信した。

それを開くと、そこにはこんなメッセージが書かれていた。






 先日はお世話になりました。

お蔭様で、盾で笑いを取る勇者、の連載の継続と、単行本の重版がかかりました。

全て、ヒイロさんのボールペンが無ければなし得ませんでした。

気持ちとして、ささやかではありますが、受け取って下さい。


唐草唐子







(こいつのこと、すっかり忘れてたわ。 つか、受け取って下さいって、何だ?)


 ヒイロは自分のスマホから何気無く銀行の残高の確認をした。


「……マジ?」


 そこには、500万円が振り込まれていた。


 

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