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滅亡ビル  作者: oga
第一章 滅亡ビル
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新たな仕事

 パーピー君の体から、幾筋もの光。


「あ、あ、ア……」


 そして、体がバラバラに砕けた。


「……」


「やったっスね」


 肩の剣を引き抜き、チナツが駆け寄る。


「まだだ」


 ヒイロは、瓦礫と化したパーピー君の中に手を突っ込み、何かを取り出した。

黄色い基盤。

パーピー君の本体である。


「こいつを割れば、完全に終わりだ」


 ヒイロが、両手で基盤を掴む。


「……」


「ほら、ひと思いに!」


「……」


「何、してんスか? 早く!」


「でっ、でぎねぇ」


 ヒイロは顔をクシャクシャにして、赤ん坊のように泣き始めた。

さっきの子供時代の出来事を思い出してしまったせいで、情が沸いてしまったのだ。

目からは涙、鼻からは鼻水、それ以外にも何か色々出てる。


「でぎねぇっ、でぎねぇよおお~」


「馬鹿やろっ、てめぇ、ケジメ付けやがれ!」


 足蹴にされるも、基盤を抱え込むように守るヒイロ。

 

「はあっ、はあっ…… わたしゃ、どうなってもしらないスからね。 面倒はアンタがみるっスよ」


「うんっ」


 何故か捨て猫を拾ってきた少年みたくなってしまったが、これでひと段落が付いた。








 それから、5年後。

会社に退職届を出したヒイロは現在、フリーとなり、何でも屋に近い仕事をしていた。

あの事件から数ヶ月後、妻アンジーのお腹の子供も産まれ、ヒイロはようやく人並みの幸せを掴むことが出来た、と思えるようになる。

そして、フリーになった分、家にいる時間は増え、子供と接する時間も取れるようになった。


「放置してっとグレちまうからな」


 自室のパソコンモニターを眺めながら、独りごちるヒイロ。

すると、1件、メールから仕事の依頼が入っていることに気が付いた。

内容はこうだ。







 私、漫画家をしている者です。

とあるギャグ漫画を執筆しているのですが、ネタが尽きてしまったので、一緒に探して頂けないでしょうか?

報酬は3千円を考えております。







 若干安いな、とヒイロは思ったが、久々の依頼である。

軽い気持ちでヒイロはオーケーと返事をした。



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