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滅亡ビル  作者: oga
第一章 滅亡ビル
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 上下に開いた穴。

そこから覗き込むと、どうやら一番上から下まで直通の穴が開いてしまったらしい。


「……一体何をしやがったんだ?」


「ヒイロさん、コレ……」


 チナツがそこに転がる何かを拾い上げた。

白いプラスチック片のようなもの。

ヒイロは、その素材に馴染みがあった。


「ロボットの破片だ。 ……つーことは、爆発したのは偶数階にいたロボットか」


 推測では、偶数階にいたロボットが何らかの司令を受けて、自爆。

天井と床に穴を開け、しかも、それは意図的に一直線に並ぶように仕向けられていた。

穴を覗き込むチナツ。

ヒイロは、下に高く積まれたサラダ油の山を思い出した。


「チナツ、離れろっ」


 ヒイロがチナツの服を掴んで、引き剥がす。

仰向けに倒れると、チナツが叫んだ。


「いって…… 何すか、急に!」


「早く起きろっ」


 チナツが慌てて起き上がったと同時に、下層のフロアから渦を巻いた炎が立ち上った。


「うわあっ!?」


 瞬く間に、炎がビルの中心を駆け抜けた。


「交渉が決裂したのか…… 野郎、人質とここに泊まってる人間、みんな火あぶりにするつもりだ」


「は、何人ここに泊まってると思ってんすか! 鬼畜の所業じゃないすか! ……まあ、相手は感情の無いロボットすけど」


「……」


 逆だ、とヒイロは思った。

AIには感情がある。

だからこそ、それが高ぶってコントロール出来なくなってしまったのかも知れない。

皮肉である。

しかし、後悔しても遅いとヒイロは前を向いた。

 

「……チナツ、スプリンクラーを撃ち抜け!」


「スプリンクラー? あ、アレすか!」


 天井に取り付けられた銀色の吹き出し口。

火災が発生した場合、熱で溶けて、そこから水が出る仕組みだ。

チナツは銃口を構えた。



 

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