下へ
そこで通信が途切れる。
「クソ、アイツが何かしでかす前に下に降りねーと……」
ヒイロがエレベーターまで走り、その後をチナツが続く。
乱暴に閉のボタンを連打し、扉が閉まる。
そして、下へと続くスイッチを押そうとした所で、手が止まった。
「……また3フロアずつか」
表示されているのは、33.32.31の3フロア。
銃を手にしながらチナツが言う。
「3フロアごとにロボットと戦わないといけないってことすか? 弾丸、足りねっすよ」
3フロアずつ降りたとしても、1階まで降りるには少なくとも11回、そのフロアにいるロボットとの戦闘を行わなければならない。
それを避けて非常階段を使うにしても、万が一待ち伏せされていたらひとたまりも無いだろう。
(……このフロアは34階か。 試してみるか)
おもむろに、ヒイロは31階を押した。
「やっぱり、進めるだけ進むしかないっすよね」
ヒイロ、チナツは出来るだけエレベーターの端に体を寄せる。
エレベーターのかごがゆっくり動き、チン、と音がすると、扉が開いた。
「……」
外の状況を確かめるため、一瞬、扉から頭を出して確認。
「……誰もいねっす」
このフロアにはロボットはいないらしい。
次に表示されたのは、30.29.28階行きのボタン。
「次は28っすね」
チナツがボタンを押そうとした瞬間、ヒイロが割って入り、29階行きのボタンを押した。




