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滅亡ビル  作者: oga
第一章 滅亡ビル
1/27

プロローグ 表紙あり

挿絵(By みてみん)

 2025年6月30日。

時刻は19:00。

ここは都内某所にあるスリースターホテルの宴会場。

35階建の高層ビルで、ここはその最上階。

四角グループの頂点に立つ、四角角ゑ(しかくかくえもん)社長の108才の誕生パーティーが行われようとしていた。

突然、灯りが暗くなる。


「ではこれより、四角角ゑ門社長の誕生パーティーを始めたいと思います。 皆様、暖かい拍手を!」


「やっと始まったか」


 そう独りごちたのは、四角グループの子会社、四角電子機器株式会社に勤めるヒイロ(25)

ヒイロは高校の頃、火災で家族全員を亡くしており、卒業と同時にこの会社で働き始めた。

そして、頭脳明晰だった両親に習い、少しずつ頭角を現すようになり、昨年、AIの人工知能に相当する基盤の開発に成功、瞬く間に会社のナンバー2へと上り詰めた。


(早く終わらせて、家に帰りてーんだけどな)


 ヒイロには婚約者がいて、最近、子供を身ごもっていることを知る。

不幸な生い立ちから実力で這い上がり、今、幸せな人生を掴む目前まで来ていた。

社長がマイクを手にして、話を紡ぐ。

会場の拍手が鳴り止み、シン、と静まり返る。


「ほ、ほんじつは…… お、おちゅまり、い、いただき、え~と、何じゃったかな?」


(ジジイ、完全にボケてやがる)


 会場がざわめく。

側近が社長に何やら耳打ちしている。

 

「あ、そ、そうじゃった。 え~、ワシの誕生ぱ~て~に来て下さり、あ、ありがとう、ですじゃ」


 こんな調子じゃ、いつ終わるのか分からない。

ヒイロが欠伸をかみ殺すと、AIのロボットがこちらにやって来た。


「オヒトツ、イカガデショウカ?」


「ああ、もらっとくよ」


 やって来たのは、四角グループで共同開発したAI搭載のロボット、パーピーくんだ。

白くて四角いゴツゴツした外見。

ペッ〇ーくんよりも、より人間に近い動きを再現している。

ちなみに、このパーピーくんの搭載している人工知能を開発したのが、ヒイロである。

ヒイロが、チーズのクラッカーを頬張った瞬間、目を疑う光景が眼前に広がった。

社長の頭上のシャンデリアが、落ちたのである。


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