90、新型車両(1)
新型車両のシートピッチは?
昼食を挟んで実験線での走行テストを行っているとアカリたちが『ジュンとポチの隠れ家』での仕事から帰ってきた。
「走行テストの方はうまくいっているようね」
「ぼちぼちだね。やはり新型6両編成でのテストをしないとね」
「新型車両はそろそろできるのかな?」
「2両はほぼできたよ」
「そうなんだ」
「見てみたい?」
「そうだね。ここまで来ているのだから見てみたいかな。車両工場にあるんでしょ」
「それでは行こうか。地上の車両工場だよ。この前にも意見をもらったけど、今できたところまで見てもらってさらに意見をもらえれば少しは改善もできるよ」
地上の車両工場まで移動した。
1号車と2号車は概ねできてきている。
この2両は普通車。
エコノミークラスとか2等車というところかな。
通路の左右に2座席づつある。
普通車は2両編成の車両と同じ幅とシートピッチで考えた。
2両編成の車両との違いはテーブルをつけたこと。
さらにリクライニング機能はつけたよ。
座席と座席の間にはひじ掛けもあるよ。
リクエストがあったので先頭車両は少しだけ流線型にした。
移動魔法だから意味がないのだけどね。
「長距離移動にはシートピッチが少なすぎない」
「100cmではだめかな」
「リクライニングとテーブルの事を考えると少しきついよ」
「となると・・・・こう。シートピッチ112cmで」
この場合座席が10席減る。
1号車は20席から16席に、2号車は38席から32席になる。
この案では普通車は48席だ。
そして、
「多目的室が2つにはなるけど狭くなるんだけど大丈夫かな。この世界の車いすは地球のものより大きいよね」
「それは大丈夫だと思うよ。この世界の車いすは車輪が小さいから全長が短いよ。幅はあるけどね。2号車のドア幅も広くなってるしこの方がいいよね」
「流線型を止めれば4席増えるけどね」
「だめ、『速いよ』ってカッコのよさも大事だよ」
「そうなの?アカリの感覚がわからないけどな」
「シュンは鈍いからね。ねえ、サオリ、デザイン的にはどうかしら」
「もっと尖がっていてもいい」
「いや、これにしておく」
このままだと1号車から座席が無くなりそうだ。
1・2号車はこんなもんか。
ユニバーサルデザインにも配慮したからね。
全席普通車の編成もあった方がいいのかな?
まずは利用者の状況を見てから決定するか。
今回、ヤマシロ聖国首都からオシノ湖リゾート町までルカ経由で約150km、関所駅とルカ駅に停車させて平均時速100kmだとすると1時間30分か。
それほど快適性は重視しなくてもいいようだがこの車両をポチ王国まで走らせるとなるとこのくらいの快適性は必要かな。
1.2号車の改良は決まった。
それでは次は・・・・
お読みいただきありがとうございます。




