9、準備(4)
訓練の続きです。
箱の蓋が消え、ゾンビとスケルトンと半透明の幽霊が飛び出してきた。
シュンは一瞬考えていたが、手を伸ばして、
「浄化」
三体のアンデットは一瞬で光の粒に代わり消えていく。
「え~」
「カノン様、何かまずかったでしょうか」
「三体を一度に一瞬で消すって。規格外もいいところよ。アンデットは一体ずつ浄化するのが普通よ。消えるときももっとゆっくりだよ。もう驚いてもしょうがないか。普通の浄化の10倍以上の威力があったわね」
次は残る生活魔法の身体強化。
全身に魔力を流して身体強化のイメージを構築。
「この石を握ってみましょう」
石が粉々になった。
「岩を手刀で叩いて」
「痛いでしょう」
「大丈夫よ」
岩が2つに割れた。
「身体強化した状態で他人に接するのは気を付けてね。力加減をコントロールできるようになろうね」
コントロールって難しいよね。
「それでは次これを受け止めてね」
攻撃魔法で礫と氷の塊が飛んできた。
下級魔法だ。
バババン。
「殺す気ですか!」
「この程度ならなんともないでしょ」
確かに傷一つない
。
痛みもない。
周囲には砕けた礫と氷が散乱している。
「身体強化もできるようだね。カノンの下級魔法はいつもより威力があるようだけど」
「シュン様に魔力を入れ替えてもらったら絶好調なの。アイムもやってもらったら」
「それでは私もお願いしよう。シュン様いいですか」
「わかりました」
手を握ったところで考える。
一度魔力欠乏症にするのはよくないな。
それならば。。。
魔力を交換する。
吸いだした分、魔力を送る。
吸いだすのは自分のものではない魔力。
そうして吸い出す魔力がなくなったところで止めてアイム様を見ると、頬を赤らめ目をとろんとさせている。
「いやすごいよ。気持ちがいい。体がすごく軽い。元気になった。力がみなぎるよ。美味しい魔力だね。一家に一人シュン様だよね」
アイム様にもシュンの魔力は大好評のようだけどちょっと危ない発言だ。
「それでは武術の訓練を始めようか」
まず基礎体力作り・・・・・ではなかった。
型の稽古・・・・・でもなかった。
いきなりの実践。
身体強化を使って。
格闘技。
剣術。
鎗術。
弓術。
下級魔法をしのいだ体が傷ついた。
へばった。
ヤクが治癒魔法と回復魔法かけてくれた。
「なかなかいいね。剣術と格闘術の筋がいい。何かやっていたのかな?」
「剣道を学校の授業で。あと友人の合気道や護身術の練習台になっていました」
「それが生きているね。また明日がんばろう」
「よろしくお願いします」
風呂で汗を流し食堂へ。
夕食は日本食。ご飯・きんぴらごぼう・厚焼き玉子・お浸し・冷奴・焼き魚・漬物・味噌汁。
食後はコンからこの世界の情勢・文化・技術レベルについて学んだ。
そして疲れて熟睡。一日が終わったよ。
あ、寝る前にコンとヤクに魔力の入れ替えを頼まれた。
すごく喜んでいたけど、こりゃ毎日おねだりされそうだ。
和食はいいですね。