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空間と時を操るもの  作者: TKSZ
86/216

86、オシノ湖村(6)

心の教育

今日の事件の説明をした。

まあ、あきれるしかないか。

このような馬鹿らしい事件を防ぐためにも啓発活動は必要だ。

無知をそのままにするのも問題だが、思慮深い行動がとれるように心も教育も必要がある。

我儘を抑えることができる心を持たせることが大事だよね。

これは他の地域でも同じだよね。

犯罪減少にもつながるか。


識字率向上の施策は少しずつ歩みを進めているようだ。

時間はかかるが地道に進めていこう。

スラムの方も『スラムの嵐』をほぼ壊滅させたために様々な施策がうまく機能するようになってきた。

スラムの嵐に拘束されていた人々も郷里へ向かったり首都で新しい生活を始めようとしたりしている。

いい傾向だ。

少人数だがオシノ湖村に住み、オシノ湖リゾート町で働きたいという希望者もいるようだ。


ケイ王女から王都の方の状況について報告があった。

今日から賢者の塔の6階に移り、7階に入ったそうだ。

きれいに片付いておりやることがなかったと言っている。

小精霊が管理をやってくれているからね。


ケイ王女は元気そうだな。

チワワの聖女とうまくやっているようだ。


翌日もオシノ湖村で活動だ。

今朝早く若者たちが王都に向けて護送されていったとのことだ。

護送用の馬車が活躍するようでは困りますよと村長が苦笑している。

この村長は前の村で副村長をしていた男だ。

前の村の幹部が皆抜けてしまっては困るということで役場の関係は半分が移住してきた。

前の村の村長も移住に魅力を感じていたが我慢したらしい。

他にも移住を我慢して残った住民はそれなりにいたようだ。

神殿の方で人員を出してフォロ-をしている。

こちらが落ち着いたら前の村についても考えたい。

ちゃんと思慮深く行動ができる人たちもしっかりいるのだね。


村長と話しているのは昨日のことを踏まえて「大人への教育・啓発活動」についてだ。

新しい能力や適性を見つけ出したり、心を育てたり、遣り甲斐を見つけたりなどと。

老人の趣味もいいよね。

地域が活性化するだろう。


「今までにない発想ですね」

「この世界ではそうでしょう」

「この村でまずはやってみようというお考えですね」


流石、新しい村を任された人物だけあって理解が早い。

これからこの事業を行う担当者を選出してくれることになった。

やり方は色々な案を作りそれを多くの者によって検討するるようにお願いした。


これは任せて大丈夫かな。


その後、オシノ湖村線の工事、住宅の工事、リサイクル施設の工事を見てからオシノ湖リゾート町へ移る。

こちらも徐々に開発が進んでいる。

まずは下水処理場建設。

そして水源からの上水の確保、共同溝を作って上下水道の敷設。

ごみ輸送路の設置とごみ集積・積み込み場の建設。

役所の建設。

こちらも進んでいるな。





お読みいただきありがとうございます。

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