57、事件の後に(1)
真実の一端は。。。
スラムでの救出作戦とスラムの嵐の殲滅。
殺したり、傷つけてはしていないけど。
みんな興奮状態というわけではなかった。
安心だ。
聖女カオルが地球で巻き込まれた災害の救助活動やその他、様々事件にかかわった経験があるからだ。
結構冷静だったようだ。
少しあの頭に振り回されたけどね。
あの持っていた魔道具も気になるが頭が持って逃げてしまったからどうしようもないよ。
コンに頼んでヤマシロ神様と会うことにした。
拠点の賢者の執務室でだ。
「いくつか聞きたいことがあるのですが」
「邪神の事かな」
「それもある」
「まず、邪神のついてじゃな。心をもつ者の邪な心から出る邪気が神が下賜したものに宿り、邪神が誕生するといっていいかな。このヤマシロでは邪神が誕生するほどの邪気は存在しない。地球ならいざ知れず」
「では、邪神は地球から来たというのですか?」
「いや、そうとはいえないよ。ヤマシロや地球以外にもいろいろな世界がある。科学の発展はいいが、自然を軽視し、神をないがしろにする世界では邪気も強く邪神も誕生しやすい」
「そんな世界があるんですね。地球も似てきていますが」
「自分が神にでもなったように振る舞う者もおる。中には異世界へごみを捨てるような傲慢な輩もおるよ。そのような世界では自然への畏怖、神への敬意を忘れ、神の助言や警告も無視しおる」
「わかりました。そのような世界の邪神がかかわっていると。なぜスラムで配下が活動していたかもなんとなくわかりますね。邪気を集め易かったということですね。それであの球は何でしょう」
「邪神の体から作られたものだな。邪気が集められている。そして呪いの発動の時に濃い邪気が漏れ出したな。お前さんなら濃い紫のものが見えたであろう」
「はい、ご存知かも知れませんがカオルさんが地球で襲われたときに近くにいました。その時に裂け目からあのようなものが出てきてカオルさんを襲ったようです」
「そして君は無意識の助けた。そうだね」
「はい、ご存知でしたか」
「ああ、地球神様の配下が君が手を差し伸べた彼女を受け取り、地球神様とともに彼女を保護した」
「やはりそうですか」
「こんなところでいいかな」
「今のところは、この話、仲間にはしてもよいでしょうか」
「ああ、大丈夫だ。カオルさんには事前に真実を話した方がいいだろう」
「わかりました。ありがとうございます」
まだ話してくれていないことはあるようだけど、時が来るのを待てということだろうね。
ヤマシロ神様が出て行った。
シュンも仲間と食事をするために食堂に向かって行った。
◇ ◇ ◇ ◇
ヤマシロ神は自身の執務室に戻った。
そこには1柱の神様が待っていた。
地球神だ。
「ご苦労さん。彼はあれで納得したと思うかい?」
「まさか。時が来るのを待ってくれたのでしょう。彼は賢いですよ」
「そうだね。そう遠くない将来、真実を話せるだろうね」
2柱の神様は顔を見合わせて微笑んだ。
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