55、スラム(4)
魔女っ娘の初陣、殲滅よ!
殺さないよ。
空間接続でスラムへ。
要所に配置したこちらの部隊を確認する。
配置完了。
気配察知。
結界内把握。
あの男がスラムの嵐の頭?
ちょっと違和感がある魔力だ。
アカリ・サオリ・コン・衛士4名が救出部隊。
捕えられている奴隷は32名。
多いな。
支配の針が埋め込まれている。
スラムの嵐のメンバーが36名。
実は厄介なことにスラムの嵐のメンバー以外のスラムの住人364名のうち224名に支配の針が埋め込まれていた。
まあ、取りこぼしがなければこの範囲にいる人物の支配の針の除去は容易だ。
すでに奴隷は32名、スラムの住人224名に支配の針を空間接続ができるようにロックオンしてある。
救出部隊の突入と同時に除去する。
スラムの嵐のメンバーがもつ予備?の支配の針も把握しておりロックオンしてある。
これも回収する。
回収する容器も収納内に用意した。
タク・ジュン・スイ・アツと衛士6名で鎮圧と拘束をする。
スラムの嵐はご丁寧なことにメンバーであることを示す刺青を左肩にしている。
タク・ジュン・スイ・アツと私で無力化、衛士6名で魔法抑制の手錠をかけていく。
助け出した人を連れていく馬車と護送用の馬車はこちらに向かっている。
聖女様が神殿に残ったのでヤクには後方支援をお願いしてある。
時間を合わせてある。
10秒前・・・・。
こちらの全員と奴隷とスラムの嵐のメンバー以外のスラムの住人に防御障壁を施す。
5秒前。
4。
3。
2。
1。
作戦行動開始!
全ての支配の針を回収!
・・・・成功!
全員が突撃した。
次から次へと奴隷が救出されていく。
スラムの嵐のメンバーも無力化されていく。
そして、拘束。
頭だ。
強いな。
でもタクの敵ではないだろう。
「えい、くそ、邪神様!」
頭が叫んだ。
すぐに頭の前に行く。
頭が懐から何かを出した。
球だ。
濃い紫の球だ。
タクを下がらせる。
防御の結界を新たに張る。
頭が球を頭上に掲げた。
「「「「うわぁー」」」」
頭以外のスラムの嵐のメンバーが苦しみだした。
左肩の刺青が反応している。
時間を支配した。
周囲より加速する。
刺青を鑑定する。
先程鑑定した時にはなかった呪いが存在している。
そして、発動を始めている。
心臓を焼き尽くしてしまうぞ。
刺青をすべて把握状態にして解呪を行う。
間に合うか。
間に合ったか?
スラムの嵐のメンバーは落ち着いたようだ。
間に合った。
タクが拘束の終わったスラムの嵐のメンバーに回復魔法をかけている。
大丈夫だ。
時間を同期してスラムの嵐の頭と向き合う。
「仲間に対して・・・え、」
こちらの言葉を聞くことなく頭は消えた。
転移した。
いや転移させられたな。
私にはわかる。
頭以外全員の身柄は確保され、作戦は終了。
頭は逃してしまった。
強い結界の中に入れて拘束をすればよかった。
スラムの嵐のメンバーの解呪の隙にやられてしまった。
時間を同期する前に対処すべきだった。
反省だ。
見捨てられた仲間からはどのくらいの情報が得られるだろうか。
頭は邪神といっていたな。
そいつが転移させたのだろうか。
調べることが多そうだ。
神殿からの増援部隊が到着した。
事情聴取やスラムの住人へのサポートなど事後処理は任せよう。
アカリとサオリは救出した人たちを連れて神殿に向かっている。
タクとジュンとコンを連れて塔へ帰還することにした。
お読みいただきありがとうございます。




