54、スラム(3)
犯人はお前だ!
連絡を受けた教皇様も合流した。
マルク神官の様子は監視している。
把握済みだよ。
途中で隠蔽を発動したようだけど、おしい、私には無理。
この空間はすべて私が支配している。
かなり強く。
こちらも隠蔽しながら、医療拘置所に近づく。
神官補佐の男性に防護結界を施す。
普通には鑑定でもわからないはずだ。
他の入所者や職員も結界で保護する。
マルク神官は職員に声をかけ、中に入る。
書類を見せている。
あ、面会許可書か。
偽造だな。
教皇と神官長のサインが入っている。
連れ出しの許可もあるよ。
眠っている状態でどのように連れ出す。
キャスター付きの寝台ね。
神官補佐を乗せたね。
こちらに来るな。
他の職員の同行を断わっている。
はい、ここで抑えるか。
これ以上は神官補佐の身が危険だ。
マルク神官は毒のついたナイフを持っているね。
こちらにも防御結界をかけて。
「マルク神官ですね。どこに彼を連れて行くのですか」
突然現れたこちらを驚いたようだ。
マルク神官を取り囲んでいる。
「彼を連れて行くように命令を受けて」
書類を見せる。
こちらに教皇がいるのですがね。
コンにも書類が偽造だとサバを通して確認済み。
積んでるよ。
「よく偽造書類で誤魔化せると思っているな。スラムの嵐とのつながりは掴んでいるぞ」
あ、ナイフを出した。
神官補佐を刺そうとしている。
はい、新に追加で張った障壁に阻止されたよ。
身体強化をして、ナイフを取り上げる。
毒が付いているから注意だ。
呪いは・・・・・ないな。
証拠品を安全な容器に入れて、マルク神官は何か持っているかな。
おかしなメダルがある。
呪いを発動するものか。
睡眠の呪いだな。
神官補佐にかけていたわけだ。
「連行して取り調べてください」
魔法を封じた手錠をつけられ、喚き散らかしているマルク神官が連行されていく。
変なことができないように拘束魔法も自動発動するようにしておく。
精神魔法の類なんか洒落にならない。
サバにも引き続き監視を要請した。
職員に確認したら、マルク神官は何度も面会に来ていたということだ。
許可書は全て偽造書類だったよ。
神官補佐にはすぐに解呪を施した。
これは強い呪いだね。
私には問題ないけど。
魔法で回復させた。
事情聴取は落ち着いてからだ。
こちらは教皇様と聖女様に任せて奴隷にされている人たちの救出とスラムの嵐の殲滅だ!
あ、殺さないよ。
無力化だよ。
教皇様聖女様たちの方の状況もサバに随時報告してもらう。
さ、捕り物のはじまりだ。
御用だ御用でぇぃー!
お読みいただきありがとうございます。




