52、スラム(1)
シュンがスラムで見たものは
ヤマシロ聖国の首都にはスラムが存在する。
国としても様々な対策をしている。
炊き出し。
職業斡旋。
子供たちの保護。
しかし、うまくいかない。
折角、スラムから出て職に就いたのに再びスラムに戻るものが多いとのことである。
何故かわかっていないらしい。
「コンにもわからないのか」
「はい、ただスラムに裏組織的なものがあることはわかっています。それが原因なのだともいわれています」
「コンでもその組織の詳細についてはわからないのか」
「はい、申し訳ありません」
「いや、いいんだ」
『サバ、どうなの』
『はい、スラムの所々にかなり強い隠蔽の結界があります。そこで何かが起きてるようです』
『サバにもわからないのか。厄介だな』
『シュン様が現場で本気で鑑定すればわかるのではないでしょうか』
『了解』
サバを欺く隠蔽か。
少し厄介だな。
全力でやらなければ。
スラムに入り、注意しながら進んでいく。
しかし、みんな元気がないなあ。
目に光がないというか。。
病気?
一人の男を診断してみた。
病気ではなかったが、何かに支配されているようであった。
判らないのは不思議だ。
少し進むと神殿による炊き出しの会場にたどり着いた。
神官や神官補佐が忙しく働いている。
その中で指示を出している男性神官がいた。
「彼は?」
「マルクですね。この地域の担当責任者です。炊き出しも彼が責任者です」
「そうなんだ」
「実はちょっと気になることが・・・・」
コンの話しではこうだ。
1月前に一人の神官補佐の男が重傷を負った状態でスラムで保護された。
聖女も加わって治療を施したが未だに眠ったまま回復しない。
傷などが治っても目覚めない。
その神官補佐は、マルクの部下だった。
マルクがその部下の荷物から不正会計の書類が見つけた。
神官補佐の男は真面目であったことから皆が驚いた。
彼が未だ眠り続きているために捜査は止まっている。
何か釈然としない。
気配を察知してみる。
何人かの男がこちらを伺っている。
うん、スラムの嵐という組織みたいだ。
隠蔽の痕跡があるな。
建物のいくつかも。
サバが隠蔽しているのではないかといっている建物だ。
中に人が捕まっている?
?
彼らを鑑定すると奴隷と出てきた。
この国には奴隷はいない。
奴隷ならば非合法だ。
ただ奴隷紋はない。
支配されていなければ奴隷でないはずなのになぜ逃げない。
さらに詳しく。
あった、首筋に小さな針が刺さっている。
支配の針だ。
やる気をなくすようになる。
登録した相手のそして命令に従う。
奴隷の目はスラムの住人に似ている。
スラムの住人にも針があることが分かった。。
さあ、これからどうする?
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