5、始まり(5)
長くはありません。
友人に電話をしました。
怒られました。
「どこにいるのよ!」
怖いです!!
そりゃ目の前で消えたでしょうから怒るよね。。
「ごめん、アカリ。これからの仕事の話をしている」
「本当に驚いて、心配したんだから」
泣かれた。
彼女も私の周囲で起きる不思議な現象を見ているだろうけど目の前で消失はさすがにショックが大きかったようだ。
以前女子高で講師をしていた時、ベテランの女性教員に『女の涙は汗と同じだ思わなければ勤まらないわよ。本当に困っているのかしっかり見極めなくてはいけないのよ。それを間違えると大変なことになるわ』と言われたことがあるけど、これはそんなわけにはいかないよ。
これはまずい、ただただ謝罪を!
そして2時間後にいつもの喫茶店でしっかりと説明することを約束した。
他の仲間にも集まってもらいたい。
もちろん直前まで電話が通じなくなることも伝えた。
「いやぁ~ 大変だね」
神様は楽しそうにこちらを見ている。
誰のせいだ。。。
「昼食です。」
「ありがとう。コン様」
「私はあなた様に使える者、コンと呼び捨てでお願いします」
「精霊の女王を呼び捨てにはできないでしょう」
「いえ、あなた様は賢者と活動するわけですからあなたの従者である私や大精霊たちには呼び捨てでお願いします」
「わかりました。よろしくコン」
昼食は照り焼きチキンのバーガーとフライドポテト、そしてバニラシェークだった。
「地球で食べてから癖になってね」
「地球によく行くのですか?」
「たまたまだよ。し 視察というやつじゃ」
「神様は最近『アキバ』というところによく視察に行くのです」
コンがさらりと暴露した。
秋葉原から馬喰町は近いよね。
歩いて15分ぐらいだ。
橋本から京王線と都営新宿線で馬喰横山まで1時間10分ぐらいだな。
なぜかあの辺やよく知っている。
子供の時、「ばくろちょう」と聞いてびっくりした。
すべてが暴露されてしまう町か!と。
そう言えば、これから依頼をこなしていくのにちょっと変わったグッズが必要になるかも?
アキバの部品屋やアウトレットのアウトドアの店のお世話になりそうだ。
神様の執務室にはアキバで買ってきたらしい人形があったけど知らなふりをしておこう。
「うん」
「どうした」
「何か気配がしたような」
「気のせいだろう」
食事が終わって私のための拠点にコンが案内してくれることになった。
「自重はいらないよ。好きなようにやってくれ。神殿にも各国にも身分は明らかだから。期待しているからね」
神様に送り出されて移動する。
扉を開けると執務室だった。
入ると後ろの扉が消えた。
この私の執務室はヤマシロ聖国のという宗教国家の首都にある。
但し、中央神殿の地下100mのところだ。
強固な結界で保護されているらしい。
出入りはどうするの?
空間魔法を使うわけね。
執務室だけではない。
会議室が2、オフィスという感じの部屋が2。
寝室が19、客室が4、リビング、キッチン、食堂。
トイレが6か所、大浴場が2。
「大浴場は温泉になっています」
そして工房と倉庫と訓練場?
「ここで魔法や体術などの訓練をしていただきます。護身術ぐらいは必要ですから」
もうひとつ扉があった。
「ここは?」
「魔法で動いているスーパーコンピュータのようなものです。この世界の状況が分かるよう情報を集めています」
異世界の裏側はハイテクでした。
涙は汗と一緒というのは女性を蔑む発言ではありません。
しっかり見極めろということです。男にも言えますよ。
チートすぎる?
自重ナシは神様のお墨付きです。