4、始まり(4)
長くなりました。
「はあ。ここまではわかりました。私はこちらの世界から地球に帰ってこれますよね」
異世界に行きっぱなしは困るよね。
「空間をを操れる君なら大丈夫だよ」
「こちらの世界には空間を操れる者はいるのですか?」
「いないよ。こちらの世界を創ってからこれでに全く生まれなかった」
「私は依頼についていつも仲間とやってきました。地球から仲間を連れて来れますか?」
「君たちの仕事の仕方は知っているよ。10名まで仲間の往来も許可しよう。いくつか制限・条件をつけさせてもらいたいがね」
「地球からの物品の持ち込み、地球への物品の持ち出しは?」
「それも同様だ。制限・条件をつけさせてもらいたい」
「依頼とということは仕事ですよね。まさか無報酬ではないでしょうね。報酬と経費と期間は?」
「報酬は地球の時間で年5000万円。仲間の人数に関係なく。支給する経費は地球で使うものとして年1000万円まで、現地では年1億円まで。」
国家予算並みに経費は必要だと思いますが!
「それ以上に経費が必要なら稼げと聞こえるのですが?」
「そうじゃな。君たちなら稼げるよね」
「時間進み方は今のままですか?変更可能ですよね?」
「君の好きなようにするよ。連絡してくれ」
「現地の状況と私の持っているという能力をもっと知りたいのですが」
星の名前はヤマシロ。
この神様が人間の頃いたのが山城だそうだ。
確か私の先祖も父方が山城から加賀、そして江戸に来たんだよな。
母方は鎌倉時代に京都から武蔵に来た一族だ。
先祖というのもわかるか。
7つの大陸と3つの大きな島に4つの大国と16の国。
3つの大陸には国はない。
この2つの大陸は中央神殿と各国の共同管理ということになっている。
1つの大陸は離れたところにあり知られていない。
大きな島の一つは神の島ということで無人島である。
中央神殿が管理しており、上陸が制限され、島の沖合にある3つ小島に神殿の海軍が常駐している。
島の中心には50階建ての塔がある。
星のほとんどは海。
大陸のある側の裏側の半球は知られていない大陸と海しかない。
両極地も海。
あらゆる場所に魔力というエネルギーがあり、魔物がいる。
人類は普通の人間族・獣人族・魔人族・エルフ族・ドワーフ族・小人族がいる。
魔人族は魔法を得意とするがそれ以外は人間族と変わりがない。
多くの地域で共存しているが一部の地域では差別がある。
それぞれの種族の間で子孫を残せる。
「ファンタジーだね」
「つい地球の本を参考にしてしまって」
やはりそうか。
言語はすべての国で日本語。
文字はひらがなとカタカナと簡単な漢字。
数字はアラビア数字。
「いやぁその方が楽だったので」
宗教はこの神様ーー中級神(ヤマシロ神というらしい)と10柱の下級神、10柱の亜神を信仰する多神教のみ。
土地を守る精霊はその地域の社に祀られているらしい。
土地神様のような存在。
「詳細はそこにいるコンが君につくから教わってくれ。彼女は精霊の女王で空間魔法も使える。他の魔法についてよくわかっている。」
巫女装束の少女はコンというらしい。
「よろしくお願いします。シュン様。私以外に7名の大精霊がシュン様のお手伝いをします」
「こんなところでいいかな。依頼を引き受けてくれるよね」
「達成条件があいまいなようですけど」
「文明が少しでも発展すればいい。環境に負荷を与えずエネルギー不足を解決して新しい技術を導入してくれ」
「そのようなことで?」
「さぼりは困るけどね。君はそのようなことをしないだろうし、監視役もいる。毎月報告をしてもらうよ。たまには注文を付けるよ」
「大事なことを一つ。花粉症はありますか」
「え、・・・一応大丈夫だよ」
「わかりました。やってみます」
「ありがとう。では食事にしよう」
部屋の時計を見ると3時間が経過していた。
「あの、友人を遊歩道に置いてきてしまっているのですが」
「大丈夫だよ。ここは100倍の速さで時間が経過しているのだから。2分ぐらいしかたっていない。彼女にも手伝ってもらうつもりだろ。一度時間の流れを同期して空間も接続するから電話をして2時間後ぐ
らいに待ち合わせにしたらどうかな?仲間に説明する前にこちらで用意した方がいいよね。100倍の速さの時間の中で」
「ということは後200時間ぐらいこちらに滞在しろということですか?」
「空間の操り方を習得しなければ簡単に移動ができないであろう。拠点も必要だろう」
「確かに・・・」
電話をすることにしたが大変なことが起きる嫌な予感がする。。。
時間や地理が難しいですね。