25、賢者降臨(8)
危険がいっぱい
ある意味で
賢者歓迎の宴のメインイベント?
集まってきている。
アリの行列のように。
賢者へ顔つなぎ。
すみません、覚えられません。
サバ君よろしく!
『了解しました。記録しておきます。動画と音声と文字で』
『ありがとう』
感謝感激雨あられ!
安いって?
そんなもんだ。
しかし、娘の売り込みが多いな!
聖女にいかがですかとか賢者様の奥方にとか。
はい時間ですから次の方。
流れ作業、流れ作業。
あ、来たよ。
ポチちゃん。
いや、ポチ王国のケイ=ポチ第一王女。
目が怖いのだけど大丈夫?
「お初にお目にかかります。ポチ王国のケイ=ポチ第一王女です。よろしくお願いします」
はい、知っていましたよ。
「賢者シュンです。よろしくお願いします」
「賢者様、ともに魔王を倒しましょう」
やはりきました!
周囲もまた始まったという顔になっているよ。
恒例行事ね。
「魔王っていませんよね」
「絶対に出現します。今から準備しなくては。本にも書いたあります」
「誰が書いた本ですか?」
「有名な覆面作家のヤマヤマ先生の作品です」
『ヤマヤマってもしかして』
『ヤマシロ神様です。地球のラノベを見て書き始めました。何故かよく売れています。様々な分野に進出しています。児童書から育児書・純文学・歴史書・エッセイ・評論など。最近、薄めの本がよく売れているようです』
『この世界、娯楽に飢えているの』
『・・・・はい』
薄めの本ってまずいやつ。
この世界大丈夫?
「ははは、・・・・」
「賢者様、私を鍛えてください。模擬戦をしてください」
危ない子だね。
ちょっと鑑定と。
ケイ=ポチ
ポチ王国第一王女 転生者
体術上級
剣術上級
弓術上級
生活魔法上級
攻撃魔法下級
防御魔法中級
鑑定下級
内政能力
統治能力
指揮能力
アイム様の祝福
勇者を目指す者
腐女子になりかけの者
ヤマヤマファンクラブ会員ナンバー12
強いな。
おもしろい結果も出た。
後、危ない子
まずは転生者か?
『転生者って一度死んで記憶を持ってこちらに生まれたということだよね』
『はい、その通りです。ケイ王女は転生者だったのですね』
『知らなかったの?』
『以前の情報ではありません』
『覚醒したとか?』
『なんとも言えません』
『地球からの転生かな?』
『それしか考えられません』
『祝福って』
『加護の劣化バージョンです。強くなって祝福が付いたのでしょう』
『腐女子になりかけって、薄い本の影響?地球からの転生の影響?』
『コメントを控えさせていただきます』
了解。どっかの神様の影響大だね。
「賢者様、ぜひ模擬戦を!」
「おう、儂も賢者様の実力を見てみたいぞ」
「模擬戦、いいね」
皆さんのやりたいオーラがすごい。
賢者は戦闘職ではないよね。
賢者は万能で無敵?
これは駄目だ。
貴族は模擬戦・決闘大好きが多い?
コンさんに相談して神殿騎士の訓練場で模擬戦を行うことになった。
順番に。
まずはケイ王女から。
剣筋もいいね、動きも速い、魔法もうまい、だけど。
結界を使わなくても避けられる。
確かにここらでは賢者は無敵かな?
「はい、おしまい」
怪我をさせないで無力化。
動きを封じた。
王女は負けを認めたよ。
「ありがとうございます、これからも精進します」
それからが面倒、次から次の挑戦者。
様々な武器で。
無手も何人か。
稽古をつけてもらう雰囲気。
賢者に稽古をつけてもらった!と吹聴するつもりかな?
まさか賢者の弟子になったとか吹くんじゃないでしょうね。
1時間強模擬戦。
交代時間を入れて一人2分で30人以上。
弟子は採らないからと先手を打った。
そのあとまたホールで先程の続き。
アリの列は続く。。。。
ダンスの時間が少なくなって助かった!
でも聖女様と教皇様とケイ王女には捕まった。
模擬戦より大変。
逃げられませんでした。
疲れた。
空腹だ。
食べてない。
コンさんが食事を持ってきてくれた。
何故か、ヤマシロ神様が来たけど薄い本のことを問い詰めたら逃げて行ったよ。
本の売り上げは慈善事業に寄付しているとか。
ヤマシロ神様の意外な一面
腐れが多いな!




