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空間と時を操るもの  作者: TKSZ
21/216

21、賢者降臨(5)

賢者降臨本番

賢者降臨のカウントダウンが始まった。


10分前。


最終チェック、最終チェック。


大丈夫、大丈夫。


今は拠点の執務室。


すでにコンさんとヤクさんら大精霊の皆さんは上級神官ということで賢者の塔7階の賢者の間に待機している。


他の神殿幹部とともに。


この部屋にはヤマシロ神様とクレバ様・クラフ様・エンタ様がいる。


カノン様は賢者の間で隠れて演出の裏方をしている。


アイム様は神殿で姿を消して警備をしてくれている。


ティラは私と早い昼食を済ませ、お部屋でお昼寝。


クラフ様は私の前に大画面を出現させて賢者の間の様子が分かるようにしてくれている。


4画面!


視覚を飛ばすからいらないけど。


画面の下には12時までの残り時間が表示されている。


3秒前に賢者の間に光が出現させ、1秒前に転移、1秒後に光が終息する予定。


ヤマシロ神様はディレクターズチェアに座ってサングラスをかけ、台本のようなものを持ってお茶をしばいている。


あんた何しているの!


演出家か何かのつもり?


エンタ様はヘッドセットのようなものをつけてこちらに合図を送っている。


誰と連絡してるの?


念話で済むよね?


2分前って。


それってカンペ?


ほとんどテレビの収録の乗り?


あんたたち何をやりたいのかな?


絶対、遊んでいるな。


1分前。


聖女様や教皇様も入って所定の位置についた。


教皇様--若いな、まだ少女だ。


そんなことはいい。


光が目くらましにならないように身体強化をかける。


これで明るさが自動調節される。


エンタ様が指を10本立てる。


カウントダウンが始まる。


私も緊張しているのかな。


出現する向きも重要だ。


皆さんの方を向いて出現しないと。


横向きやお尻を向けて出現では格好がつかない。


3秒前、賢者の間が光り始めた。


ちょっと光が強くない?


2秒前。


1秒前。


光の強さに少し焦った。


足元がおろそかになった。


たたらを踏みそうになったが持ちこたえて態勢を取り直した。


危なかった。


こけて、てへ・・・なんてできないし。


カノン様がてへってやってる。


やはり光の強さミスったか。


平常心、平常心。



光が弱まった。


何人かはまだ目がくらんでいるようだ。



「ようこそ、賢者様」



教皇様から声をかけられる。



「初めまして、神より遣わされました賢者シュンです」


「早速、謁見の間にご案内します」



魔法のエレベータで2階に移動する。


手には下賜する菓子。


違う違う、下賜する治癒の魔道具が・・・・ない。


まだ、収納の中だ。


下賜するときに目の前で出せばよいか。



謁見室に到着。


一段高くなっている壇上の賢者の椅子に着席。


聖女様は横に立っている。


聖女様はこちら側なのね。


神様と繋がる立場だからね。



多くの神殿関係者や他国の使者らが左右に並ぶ。


教皇様が中央を進んでくる。


跪いて首を垂れる。



「賢者様の降臨、心よりのお慶びを申し上げます。なにとぞこの世界のこと、あらゆる人類のことよろしくお願い申し上げます」


「承りました。力を尽くさせていただきます」



こちらも頭を下げる。



「ここにヤマシロ神様によりの治癒の魔道具を下賜いたします」



収納から治癒の魔道具を出し手の上に出現させる。


折角だから空間魔法の応用で少し光らせるか。


うーん、うまくいった。


いい明るさだ。


カノン様が悔しそう。


おっと油断すると落とすよね。


教皇様に手渡すとき指が触れた。


何か教皇様の頬が赤くなっているよ。


あ、聖女様睨みつけない!



何とか下賜が終わり、神殿のテラスへと移動する。


テラスって塔にはないのね。


テラスの前には広場があり、首都や周辺から来た群衆で埋め尽くされている。


神殿の衛士や騎士が警備をしている。


アイム様とカノン様も姿を隠しながら警備してくれている。


不審者はいないようだ。


賢者タカシと聖女カオルが姿を現すと歓声が上がった。



さあ、挨拶だ!


これが拡声の魔道具か!


呼吸を整えて。。。



「集まられた皆さん、神より遣わされました賢者タカシです。ヤマシロ神様はこの世界が差別がなくすべての種族が豊かで平和な生活を送ってくれることを望んでおります。皆さんと一緒に頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします」



ひときわ大きな歓声が上がった。


うまくいったかな?


うん、大丈夫だよね。


ヤマシロ神様が親指を立ててグーというイメージを頭の中に送ってきた。


おかしなところで能力を無駄遣いしている。



『手を振るのを忘れていますよ』


『ありがとうサバ』


『どういたしまして』



聖女様はちゃんと手を振っているな。


慣れた様子だ。。


まねて上品に手を振る。


良い印象を持ってもらえたかな?


どのくらいここにいるのかな?


まだこれから入ってくる人たちもいるのね。


警備の誘導に従って群衆が移動していく。


まだ、ここで手を振り続けるわけだ。



終わった~。


はあ、1時間もいたよ。


聖女様、大丈夫?




さあ、次はパーティーだ。


それまで少し休憩できるよね。


不吉な予感はあるけど修羅場はないかな。

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