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完璧な幼馴染と凡人な僕  作者: Kouga
一学期
5/20

五限目

「誰が誰を殺すって?!」


「ですから、明日雛先輩があなたをです!!」


 意味が分からない、だいたい話が全体的に不透明すぎる。言えないことが多すぎだろ。


「なんで、お前にそんなことがわかるんだよ?」


「信じてもらえないかもしれないけど、私はあなたの未来が見えるの!」


「は?!」


 本当に意味が分からなくなってきた。


「未来予知ってやつか?」


「正確には少し違う、未来予知は必ず来るもの、私が見ているのは可能性に過ぎないけど高確率で起こるもの、しかもあなたのものだけ」


 さらに意味不明。


「どうして僕のだけ?」


「それは、多分あなたと私が小さい頃に会っているから」


「小さい頃に会った?」


「うん、もう10年も前だけど」


 だからあの時、私のこと覚えていますか?とか言ってたのか、でも本当に記憶にないな。


「仮に10年前に会っていたとしてもだ、未来予知的な能力のことはまだ信じられない」


「どうしてですか?」


「いや、信じろって方が無理あるだろ」


「でも先輩は、明日雛先輩のテレパシーは信じてるじゃないですか!」


「あれは本当に当たってるからなぁ」


「じゃー私も本物だってことを証明すればいいんですね!」


「いや、そうなんだけど、どうやって?」


 どう考えても無理だろ、ちょっとした予言とかなら、たまたま当たったとも考えられるし、未来予知はできなくても未来予測は誰にもできる。


「そこは私に考えがあります」


 月曜日の放課後にお時間を下さい、といって今日は帰っていった。


 未来はまだ帰ってきていないようだった。極力考えないようにしよう。



~月曜日の朝~



「いっ君、おはよー」


 金曜日のことがなかったかのように、いつも通りに未来と登校していた。まぁ、あの後輩の話はそんなに信じていないからいいけども。


「おまえ、金曜日帰ってこなかったみたいだけど、どこ行ってたの?」


「えー、ひ・み・つ」


 マジむかつく!!せっかく心配してんのに!!なんだこいつ!!!


「まーそう怒んないでよ~、心配してくれてありがと!」


「だから頭の中よむ…な……」


「ん?どうした?」


「そういえば、未来が僕の頭の中読めるようになったのっていつからだっけ?」


「ん?なんで?」


「単純に気になっただけ」


「ふーん、どうかな、だいたい10年ぐらい前からじゃなかったかな~」


「そっか、ありがと」


 てことは信憑性が高まってきたな。


「なんの信憑性?もしかして私のこの力、今まで信じてなかったの?」


「え?いや」


「まー全部丸見えだから」


「いや怖いわ!」


 未来の前で考え事はやめよう。でないと、いろいろ危ない。


「むだむだ~!」


「うるせー!!」


 そんなこんなで学校に到着。


「そういえば、今日放課後用事あるから先帰ってて」


「そうなんだ、わかった!いっ君の家で待ってるね」


「……」



~昼休み~



「なー光記、おまえって未来予知って信じる?」


「なんだいきなり、おまえ中二病だったけ?」


「ちげーよ!いいから答えろ!」


「まぁー、あるんじゃねーの、まぁ、あったらいいなっていう希望だけどな」


「そっか」


 希望ね、どうなんだろう、すべてが見えてしまえば希望すらも無くなるのではないだろうか。予知できてしまい、希望通りになればわざわざ希望を抱かなくてもよくなるし、希望通りにならなければ絶望しか生まれない。未来が見えるのはいいことなのか?


「あっ!!!」


「何だいきなり大きな声出して!?」


「いや、何でもない。」


 そういえば、あの後輩と待ち合わせをしていない、場所も時間もわからないし、連絡手段もない、もういっその事帰ってしまおうかな、一方的に約束されただけだし。



~放課後~



 もうめんどくさくなって下校中のこと


「先輩!待ってましたよ!」


 なぜか仁王立ちで僕の前に例の後輩が、どや顔で立っていた。何がしたいんだこいつ。


「先に帰ろうとするのはどうなんですか?私約束しましたよね?」


「いや、待ち合わせもしてないし、連絡先も知らないし、約束はそっちが一方的にしただけだし」


「まーいいです。先輩がそういう行動をとるのは見えていたので」


 まさかそれが証明とか言わないよな?たまたま下校中に鉢合わせただけだろ。


「どうですか?これが私の力です!信じてもらえました?」


「いや、たまたまだろ」


「はぁー、まだ信じてくれないんですか?仕方ありません、じゃ―先輩、鞄の中に紙が入ってると思うので出してください」


 は?紙?髪?神?何言ってんのこいつ。


「いや、意味わかんないから、ノートのこと?」


「違いますよ。四つに畳まれた紙が入ってるはずです!探してください!」


 いや、探せって言われても入れた覚えないし。今日一日鞄から目を離してないから僕が入れない限りはいらないし、だいたい紙がなんだってんだ。


「あっ!」


「やっと見つけましたか」


「え?!何この紙?見おぼえないんだけど」


「その紙を広げてみてください!」


 なんか書いてある。


 土曜日朝7時52分起床、8時2分歯磨き、8時14分朝食(ごはん、納豆、目玉焼き、etc...)~~~。

 

 何この細かすぎるスケジュール、いや日記か?分単位で記述してあるんだけど怖!もしかして。


「もしかして!」


「そう!そのもしかしてです!」


「お前!僕のストーカーだったの!!!」


「ええええぇぇ!!!どうしてそうなるんですかっ?!」


「だって僕の覚えてないぐらい細かい日記って、ストーカーじゃん!」


「違います!私の力です!」


「何も違わねーよ!力ってあれか?視力的な意味か?!」


「ち・が・い・ま・す!!まず話きけーーーー!!」


 思いのほか大きな声だった。下校中のほかの生徒が全員こちらに注目している。僕のストーカーが公に広まろうとしていた。


「良いですか!まずその紙を先輩の鞄に入れたのは金曜日の夜です!そして物理的に、そのタイミングでしか、私は先輩の鞄に触れることができません!」


「いや、ほかにもあるだろ今日とか」


「いいえ、先輩は今日その鞄を自分の目の届く範囲からは抜けてはいないはずです!それは先輩が最初、鞄の中身を確認した時に思ったんじゃないですか?」


「確かに……」


 反論する余地がない。


 でも予知というのは、ここまで性能の高いものなのか?確か僕の未来を見始めたのは10年前って言ってたよな?こいつ僕のことをどこまで知っているんだ??

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