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プロローグ『0x0D』
「くっそおおおおおお!!」
俺は叫んだ。この世界を憎んだ。恨んだ。思いつく限りの罵倒を浴びせてやりたかった。
そして、思い出した。これが初めてでないことを。
ただ、ただ、二人でいたかった。それだけなのに、その代償は大きすぎた。彼女は死のうとしていた。もう、何度も見てきた。何度も何度も見てきたんだ。
立ち上がれなかった。ただ、冷たい灰色の床に突っ伏すことしかできなかった。脚が熱かった。いや、その脚はとうに無いのだ。足があったはずの場所からは、もはや、痛みすら感じてこなかった。
「千穂、行くな!」
それしか言えなかった。
「くそ! もう一度…… 今度こそ……」
俺はまだ残っていた腕で石の床を叩いた。手から血が滲んでいた。
13時頃にもう1話アップロードします。