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02話

今回はステ振りです



「よし、やることはすべて済ました。あとはログイン時間を待つだけだ」


ログイン時間まではもうあまりない。退屈しなくて済むので好都合だ。


このVRMMOには、専用のヘッドギアみたいなものがあり、それでやるらしい。安全性は確保されているといわれているが、果たして本当だろうか。確かめる術などないので確認の使用がないところが少し不安だ。できないものは仕方ないと割り切ることにした。


「そろそろログイン時間か、ログインする瞬間ってどんな感じなんだろうな」


取説には「全身麻酔のようなもの」と簡単に書いてあったが、簡単すぎやしないか?

と、しているうちにログイン時間だ。


「じゃあ、スイッチ、ON!」


そしてすぐに眠気が襲ってきた。一回意識は切れるらしい。


そうか、全身麻酔ってこんな感じなのか、とどうでもいいことを考えながら、俺の意識は沈んだ。









気が付いたら、変なところにいた。周りは電脳世界を再現しているのだろうか、緑色の0と1が羅列してある。床もおかしい。平衡感覚がおかしくなりそうだ。


『こんにちは、チュートリアルへようこそ。私はコード035、あなたのチュートリアルの説明をいたします。よろしくお願いします。』


気付くと近くにいかにも情報体ですよ、的な人物が浮かび上がっていた。AIだろうか、かなり高度に作られている感じがする。これゲーム参加者の数だけいるのなら何人いるんだろ。


『それではまず能力値の振り分けをしてもらいます。分配できる能力の基礎値は合計100ポイントです。

振り直しはできないので注意して選んでください。』


すると急に目の前に半透明のディスプレイが浮き出てきた。どうやらタッチ式らしい。


VIT 000 『体力に補正』

STR 000 『物理攻撃力、力に補正』

INT 000 『魔法攻撃力、に補正』

DEF 000 『物理防御力に補正』

MND 000 『魔法防御力に補正』

DEX 000 『命中率に補正』

AGI 000 『敏捷に補正』

LUK rondom 『ドロップ率に補正』


残りポイント 100/100


(注)1ポイントにつき、能力上昇率5%up 初期値 0


「かなり項目が多いな・・・どうしようか・・・」


1ポイントにつき5%ということは20ポイント以上入れないと成長量にマイナスが付くということだ。

結構厳しいな・・・すべてに均等に振ろうとすると器用貧乏になってしまい、強くなさそうなので均等に振るのは却下。

何よりも面白くなさそうだ、というのが最終的な理由だ。


というわけで、こうすることにした。


VIT 000 『体力に補正』

STR 000 『物理攻撃力、力に補正』

INT 100 『魔法攻撃力、に補正』

DEF 000 『物理防御力に補正』

MND 000 『魔法防御力に補正』

DEX 000 『命中率に補正』

AGI 000 『敏捷に補正』

LUK rondom 『ドロップ率に補正』


残りポイント 0/100


うん、悩んだ結果結局極振りになった。しかもINTのみ。

だがこれでINTの上昇率は500%、5倍だ!!これはすごい。どのくらいすごいかはわからないがとにかくすごいというのは確信できる。

ほかの能力がこれではレベルが上がっても能力値が上昇しないが、これはあくまで『補正』なので、

0でも現実のように動くことができる。逆に言えば現実のようにしか動くことができない。

これはものすごいハンデ、というか致命的だが面白ければいいのだ。人生面白さが大切だ。


『これでよろしいですか』 『OK or NO』


「OK、っと」


俺はOKを押した。ためらいなどない。


『本当によろしいですか?』


「しつこい!OKだっ!!」


やっとあちら側が承諾してくれた。承諾してくれる、というのはいささかおかしい気もする。あのAIはさぞかし俺に極振りをさせたくなかったのであろう。だが、無駄だ。


『次はスキルを選んでいただきます。取得可能なスキルの個数は最大5個です。こちらも取り直しはできないのでお気を付けください』


とAIが言った瞬間、俺の前のディスプレイがすごい量のスキルを映し出し始めた。

何だこれ、すごい量だな、もしかして1000種類とかあったりして。


あれ、見てるとなぜか白色と灰色のスキルがあるな・・・嫌な予感がするぞ・・・

覚悟してAIにきいてみた。


「すまない、この灰色のスキルは何だ?」


『灰色のスキルはあなたがとることのできないスキルです。とることのできるスキルは、あなたの振った基礎値によって変わります。』


うわっ、やっぱりか。予想はしていたがこれ半分どころかほとんど灰色だぞ・・・

振り方間違ったか・・・いや!これでこそ面白みがあるというものだ!この限られた中で最高の組み合わせを選ぶことにしよう。









次回はスキル選びです

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