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鬼の行く涯て 竜の往く果て  作者: 長篠金泥
第5章 (ライザ 鐘後217年3月)

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58/82

※ 各種設定・特殊用語 【5】

第5章に登場した人物・生物・特殊用語の解説です。

今後のネタバレを避けるため、情報が曖昧な場合もあります。

◎登場キャラクター


※全て217年時点での情報となります


【レモーラ】

レモーラ・ド・アレアゼ

22歳 172センチ 65キロ 

レウスティ連合王国アレアゼ出身


ゆるくウェーブのかかったプラチナブロンドの長髪で、青紫色の瞳。

誰もが認める美貌の持ち主だが、性格と行動に問題がありすぎて悪い意味で有名人。

レウスティ王室とも血縁のある、バレガタン公国の大貴族アレアゼ伯爵家の長女。

周囲の反対を押し切って求綻者となるが、その理由は誰にも語っていない。


銀糸のドレスに金メッキされたプレートメイルのパーツを多数組み合わせた防具を着用。

加えて宝石を鏤めた大型の宝斧を使うので、その派手さから【絢爛姫けんらんひめ】の非公式異名で呼ばれる。

錬士れんしの称号を有していて、個人の戦闘能力はライザよりも高い。

ライザの理解者であり協力者であるのを自任し、事ある毎に助力を惜しまない。

しかし、持ち前の暴走癖によって単なる妨害に近い結果となった例も少なくない。



【シング】

本名・年齢・来歴をレモーラ以外に明かしていない

男 外見は10歳くらい 148センチ 42キロ

ガッツェーラ王国フラボリガ出身


レモーラのレゾナである犬人コボルト

小柄な種族の出身で、既に成人年齢らしいのだがそうは見えない。

本人は外見に合わせた言動だが、頭の回転は速く状況判断も的確。

戦闘ではクロスボウとダガーを駆使し、暴走気味なレモーラの戦闘をサポートしている。


種族の特性に独自の鍛錬を重ねたことで、嗅覚と聴覚が飛び抜けて鋭敏。

大抵の伏兵や奇襲は看破する高い索敵能力を有している。

隠密行動、情報収集、開錠、罠解除などのスキルも軒並み所有。

レモーラのレゾナとして活動する一方、レモーラの協力を得て亜人デミの解放運動にも従事。



【シャレル中将】

エルンスト・シャレル

男 34歳 185センチ 80キロ

アーグラシア王国ファビラン出身


アーグラシア国軍中将、第二重歩兵団長。

平民出身の一兵卒として軍に入るが、剣の腕と身体能力の高さを見込まれ王宮の衛兵に。

王宮での勤務でも問題処理能力を評価され、先王ハインリッヒの護衛役へと抜擢される。

雑談の中でシャレルの軍事的才能に気付いたハインリッヒは、参謀本部への転属を命じる。


異例の出世を遂げたシャレルは王の意を受けて軍の改革に着手するが、その途上でハインリッヒが急死。

それによって改革は頓挫し、シャレルは守旧派によって辺境の軍司令官へと転属させられた。

救国親衛軍による国軍の蚕食が続く中、有志と共に軍改革の再開と親衛軍の解体を計画している。



【シュナース少将】

ヴィルヘルム・フォン・シュナース

男 22歳 165センチ 68キロ

アーグラシア王国アーグラ出身


救国親衛軍少将、救国親衛軍第五戦闘団長。

名門・シュナース侯爵家の四男で、本人も男爵位を授与されている。

若くして護国義勇軍の設立に参加、不用者トラッシュ排斥運動“剪定”の中核となる。

救国親衛軍へと改称された後も、剪定の思想を受け継ぐ“浄化”を推し進めていた。


総帥であるイッテンバッハの忠臣と看做みなされていたが、近年は独断専行と越権行為が表面化。

直属兵力の所有と増強、親衛軍内部での勢力拡大、ルセニ国境地帯での不安定化工作などに着手していた。

求綻者を拉致した理由については、他国で自由に行動できる工作員の候補として目をつけていた、という元部下の証言があったものの正確な意図は不明。



【ローラン】

ローラン・ルジャンティ

男 27歳 174センチ 71キロ

レウスティ連合王国ボラティガ出身


リュタシア養成所の訓練生だった求綻者で、ランクは新士しんし

長めの赤毛、元の造りは悪くないが精神の荒廃が人相を悪くしている。

主な使用武器は、三つの楕円体の鉄塊を取り付けた特殊な形状のフレイル。

レゾナは新生物ヴィズ吶喊豬つらぬきじし


国境地帯で発生している訝が親衛軍の仕業であると見抜くが、それを告発せずにシュナースに接近。

そして親衛軍の行っている不安定化工作への協力を申し出る。

幼少期、遠縁の親戚が貴族と組んで仕掛けた詐欺で家業の商店を乗っ取られ、食うために訓練生となった過去がある。

その経験はローランの性格を狷介にし、貴族や王族に対し屈折した感情を抱かせることとなった。


【アルブレヒト・フォン・アーグラシア】

男 24歳


現アーグラシア国王。

能力がないのか関心がないのか、詳細は不明だが即位の直後から政務を半ば放棄。

イッテンバッハ伯爵ら、親衛軍関係者を中心とした一部貴族を重用し、軍や政府の要職に就ける。

その人事権の濫用によって国内は混乱気味だが、気にする様子もなく享楽的な日々を過ごしている。

飽食と運動不足で体重は150キロを超え、その無様な外見は国内外で揶揄の対象となっている。



【クラウス・フォン・イッテンバッハ伯爵】

男 46歳


救国親衛軍総帥(総司令官)。

国王アルブレヒトの信任を得て、治安維持総監を兼任。

国軍内における実権を掌握しようと画策している。



◎特殊用語


救国親衛軍きゅうこくしんえいぐん

護国義勇軍ごこくぎゆうぐんを母体とした武装私兵集団。

総帥のイッテンバッハ伯爵を始め、幹部は全て貴族と豪商の血縁で占められている。

アーグラシア国軍に組み込まれ、正規軍中のエリート部隊というポジションに収まる。

豊富な資金を武器にしての権力掌握の動きを隠そうともせず各方面で軋轢を生じさせ、悪名高い“剪定”を更に推し進めた“浄化”を繰り返して国民の怨嗟えんさも集めている。



◎登場生物


吶喊豬つらぬきじし

イノシシやブタに近いフォルムをした、雑食性の新生物ヴィズ

成獣の体長は180~250センチ。

前頭部に生えた3~5本の円錐状の突起物で獲物を狩ったり地面を掘ったりする。


雷霆鵆いなづまどり

瑠璃色のフワフワした体毛に覆われた、丸っこい鳥のような新生物ヴィズ

体長は40センチ前後。

鈍重そうな外見に似合わず、時速300キロに近い高速で飛行。

人に馴れる性質を持ち、簡単な指示を理解する知能もあるので、伝書鳩のように利用されている。

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