※ 各種設定・特殊用語 【3】
第3章に登場した人物・生物・特殊用語の解説です。
今後のネタバレを避けるため、情報が曖昧な場合もあります。
◎登場キャラクター
【バーブ】
モーゼス・バーブ
男 65歳 174センチ 55キロ
アーグラシア王国ドゥラッカ出身
短髪の総白髪で薄緑の瞳。
苦悩と心痛によって痩せ衰え、実年齢よりも10ほど老けて見える。
10代から求綻者としての活動を始め、最終的には最高ランク【傑士】に任ぜられた。
不明新生物が原因の訝を多数解決し、【微細裂】の異名を贈られる。
武器は刃の形状が独特な二挺の手斧で、老いたとはいえ常人では対抗不能な戦闘力を有している。
40を過ぎて引退し結婚、しかし幼い娘を残して妻が急逝したために男手一つで子育てをするハメに。
娘のミリアムが事故で片足を失う不幸もあったが、概ねは平穏に日々を過ごしていた。
だが、国内情勢が混乱する中で登場した【護国義勇軍】による【不要者】排斥活動によって家族全員を失う。
その復讐のために棄民の村に潜伏してコロナ近辺で襲撃事件を繰り返し、『コロナの怪物』という訝に認定される。
レゾナではないらしい閑寂猴を操っていた理由については不明。
【ノーラ】
女 68歳
アーグラシア王国の大都市・コロナ近くの森に作られた、棄民達の村の長。
子供と老人ばかりの住人をまとめつつ、バーブと閑寂猴による活動をサポートしていた。
【フィリップ・ド・レウスティ】
現レウスティ連合王国の国王 ライザの父
【シャルル・ド・レウスティ】
現バレガタン公国の公王 ライザの叔父
【ヴァレリー・ド・レウスティ】
レウスティ連合王国第三王女 ライザの異母妹
【ロベール・ド・レウスティ】
先代レウスティ王の弟の息子 ライザの従叔父
抗訝協会で第三管区長を務める大幹部
◎特殊用語
【鐘楼】
大陸の各地に聳え立つ、巨大な白亜の塔。
材質・築年数・製造者・製造目的など全て不詳。
世界中に何者かからのメッセージを伝えた後、100年以上に渡って沈黙している。
抗訝協会の管理下にあって立ち入りが禁じられているが、そもそも入口が存在しているのかどうか不明。
求綻に関する情報は鐘楼からもたらされたのだが、協会はその事実を隠している。
【大鐘声】
この世界に新生物と不明新生物と亜人を生じさせたと言われている、大陸中に30日間鳴り響いた轟音。
その後の戦乱によって、大鐘声以前の歴史は大部分が失われている。
【再鐘声】
大鐘声の100年後、再び鐘楼から流れた轟音と伝言をまとめてこう呼ぶ。
前回と同じものだと思われる轟音が3日流れた後、ヒノモト語でのメッセージが7日間流れた。
その内容は『古き隣人と新しき生命の言葉に耳を傾けよ。そして世の滅ぶ兆たる綻びを探せ』というものだった。
【鐘後】
大陸暦は、大鐘声の前と後でそれぞれ鐘前・鐘後と分けられる。
鐘前300年、というのは大鐘声の300年前ということになる。
【ランク】
求綻者の能力や功績に応じて抗訝協会から授けられる階級。
【習士】→【新士】→【練士】→【達士】→【傑士】と昇格。
ランクが上がるのに従って、毎月支給される給金が増えたり請けられる検訝の制限が解除されたりする。
【異名】
傑出した能力、比類ない特技、卓越した貢献、赫々たる勲功などを認められた者に送られる無形の勲章。
求綻者にとって最高の栄誉とされ、その叙勲者は百年に及ぶ求綻の歴史の中でも未だ50を超えない。
【護国義勇軍】
政情不安定なアーグラシア王国で、貴族や富裕層の子弟が中心となって結成された団体。
『社会の健全化』『公序良俗の回復』をスローガンに、非合法組織のメンバーや常習犯罪者、病人や老人や浮浪者や障害者、そして自分らを批判する人々を不要者と呼んで、剪定と称する私刑や処刑を大っぴらに繰り広げている。
【族滅痢】
赤痢を激化させたような症状の疫病で、一人が発症すると数日と経たずに周囲で罹患者が続出する強い感染力を持つ。
発生源も感染経路も未だ不明で、有効な治療法は存在せず致死率は非常に高い。
◎登場生物
【螺旋鴉】
漆黒の羽とねじれた嘴が特徴の、カラスに似た新生物。
体長100~150センチ、翼開長200~300センチほどの大型生物で、食性は不明。
火と煙に寄って来る習性があるので、炭化した動植物がエサではないかとの説がある。
【滑翔豺】
主に森林地帯に生息する、樹上に巣を作る新生物。
体長は50~80センチくらいで小型犬のような見た目だが、皮膜を有していてムササビやモモンガのように木々の間を滑空する。
雑食性だが、基本的には木の実を食べて暮らしている無害な存在。
【九鼎羚】
シカとカモシカの中間のような外見をした新生物。
体長は成獣で120~150センチ。
毛は織物に、肉は食用に、骨は装飾品の素材になる、という理由で乱獲されて野生種は絶滅寸前。
【閑寂猴】
7~8本の腕を有する、サルに似た大型の不明新生物。
体長は4~5メートルに達し、戦闘能力は常識外れで性質は極めて凶暴。
食事のためではなく、遊びを目的に人や動物を狩るという情報も伝えられている。
【甲冑羆】
全身が光沢のある金属状の物体で覆われている、クマに似た大型の不明新生物。
捕獲・討伐の記録はなく、目撃情報だけが数件残されている。




