第6話〜アフリカの崩壊
7月29日、その日は世界にとって忘れられない日となった。
アメリカ対南アフリカ共和国との戦闘が開始した。
戦場は、アフリカの[カラハリ砂漠]で行われた。
既にアメリカによって占領された[ケープタウン]を奪還を目的とした軍事行動であった。
最初はアフリカ軍の猛攻で戦線が崩壊しそうになったが、アメリカ軍の後方部隊の増援により、何とか戦線崩壊にはならなかった。
しかし、アフリカ軍はこの戦闘に1万人の兵士を投入してきた為、アメリカ側の不利には変わりはしなかった。
「ダグラス師団長、敵の攻撃が激しい為、味方の部隊が各地で孤立しています。」
「既に、1個大隊と4個中隊との通信が途絶えました。」と次々に参謀から報告が入る。
「師団長、直ぐに各地の部隊に増援要求をした方が良いのでは?」と参謀の1人が聞くと
「馬鹿者、その様な事をすれば、我アフリカ攻略軍の恥だぞ。」と怒鳴るダグラス
「では、如何するのですか?」と参謀達と話し合いをしていると、通信兵より、報告が入った。
「ダグラス隊長、本国の統合参謀本部より、通信が入りました。」
「参謀本部からだと?」と聞き返すダグラス
「はい、これが、通信文です。」と通信文を渡す兵士
通信文を受け取ったダグラスが通信文を読んでから、参謀達にこう言った。
「喜べ、【バリック】の使用が許可されたぞ。」と言うダグラス
「使うのですか【バリック】を?」と聞く参謀
「当たり前だ、この状況を打開するのは、【バリック】を使うしかあるまい、通信兵、各部隊に、【バリック】を使用すると通達しろ。」
「それと、ボーゼル中佐に連絡、【第209独立機動郡】を出動させると」命令した。
アフリカ軍の兵士がそれを見つけたのは、1時15分の事だった。
「中隊長、前方より、こちらに向かって来る物があります。」
「爆撃機か?」
「いえ、航空機ではありません、地上より接近中」
「総員、地対地ミサイル準備」と命令して、地対地ミサイルを構えていたが次の瞬間、敵の攻撃により、【第3中隊】は壊滅した。
アフリカ軍の各部隊から次々に通信が途絶えると、アフリカ軍司令部は混乱した。
「【第12戦車小隊】、【第8歩兵連隊】交信途絶」
「【第41歩兵大隊】と【第15戦車大隊】を前線から呼び戻せ」と司令官が命令するが
「既に、前線の各部隊と交信が出来ません」
「各隊と交信が途絶する前にロボットが何たらと言っているのを複数の通信兵が聞いております。」
「ロボット?、敵の爆撃機による爆撃では無いのか?」
「各地の偵察隊も次々にやられており、その辺が分かっておりません。」
「【第7偵察隊】より、敵の兵器について報告が入ってきました。」
「敵は、どんな兵器を使っていると言って来てる?」と聞く司令
「敵は、2足歩行のロボットを使っていると言って来ています、武器はマシンガンとバズーカと、オノの3種類を確認出来たと言っていますが」
「2足歩行の兵器だと!!、そんな馬鹿げた話があるか、【第7偵察隊】に映像を送るように伝えろ」と命令したが、その命令は不可能になった。
「【第7偵察隊】との交信が途絶えました。」
「敵部隊、第2防衛ライン突破、間もなく、最終防衛ライン到達します。」
「迎撃しろ、司令部の守備隊も防衛ラインに向かわせろ、敵の突破を許すな」
「司令、首都より、全軍に向けて通信が入りました。」と通信兵から報告が入った。
「何と言ってきている?」と司令官が聞く
次の瞬間、通信兵から驚愕の報告が入った。
「[ナミビア]、[エチオピア]、[モーリタニア]がアメリカ軍の核攻撃で壊滅したと言って来ています。」と驚きを隠せない通信兵
「か、核攻撃だと!!、アメリカ側は遂にやってはいけない事をしたのか?」と言う司令官
そこに、別の通信兵から報告が入った。
「最終防衛ライン突破されました。」
「アメリカ軍より、これ以上抵抗するなら、我々は貴国対し核攻撃を行うと言って来ていますが」と報告が入った。
「全軍に通達、直ちに武装を解除して、アメリカ側に降伏の意志を伝えろ、これ以上の戦闘は許可しない」と命令した。
直ぐに全部隊が武装を解除して投降した。
残存のアフリカ軍は直ちに軍総司令部のある中央アフリカに集結した。
そこには、各国の部隊も集結して、アメリカ軍と徹底抗戦する構えを見せた。
5時55分、運命の時がやって来た。
アメリカ軍の機動兵器【バリック】1個旅団に攻撃され、3時間と持たずにアフリカ共和国軍は、壊滅して、アフリカ大陸全土はアメリカの占領下に置かれた。
遂にアフリカ共和国がアメリカの占領下に入ってしまい、5つの陣営も4つに減ってしまった。
このまま、アメリカの支配によって、終わりを向えるのか?それとも・・・
次回第3次世界大戦『第7話EU対アジア』をお楽しみに