第三十七話 そしてWho Is Gone?
只今挿絵募集中です!
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私事ですが、ツイッターを始めました♪
殆どカードゲーム関連の呟き位しかしていませんが、最新話投稿の予告なども呟いています。
是非、「現野 イビツ」で検索してみて下さい♪
もぬけの殻となっていた魔法理論室を見て思考を凍て付かせたメンバーの中で、一番最初に動いたのはやはりと言うべきか椿ちゃんだった。
彼女はドアノブを握ったまま呆然としている私の横を悠然と通り抜けると、部屋中に散らばっていたプリントを拾い始める。
私達は少しの間、そんな椿ちゃんの様子をただ見ていただけだったけど、彼女に「ちょっと手伝ってくれませんか?」と声を掛けられ、全員が慌てて部屋に入ってプリントを集め始め、彼女に渡す。
それを笑顔で受け取った椿ちゃんは、その場でそのプリントの束をペラペラと捲って……そのうち八割以上のプリントを、興味ないとばかりに再び床に放り投げた。
そんな彼女の行いに殆どのメンバーは口をへの字に曲げていたけど、それでも椿ちゃんが手元に残ったプリントに真剣に目を通している様子を見て、何も言わずにいるコトにしたようだ。
しばらくの間、パラ、パラとゆっくりと紙を捲る音だけが、魔法理論室に響く。
そうしていると、椿ちゃんは一枚のプリントに目を止め、表情を明るくしながら声を上げた。
「あ、あったあった♪」
「……何がだ、橙真の?」
「あ、ちょっと待って下さい。今から説明するのでー♪」
彼女の呟きを聞き、そう質問した闘鬼くんに、椿ちゃんは一旦待ったを掛けて、理論室の端の方に足を向ける。
そして、そこに追いやられていた小さな教卓の脇に立つと、皆の方に振り向き笑顔を見せる。
そんな彼女に、闘鬼くんがもう一度声を掛けた。
「──それで? 一体何があったと言うんだ、橙真の?」
「私達が欲しかったモノですよ、闘鬼さん」
「俺達が欲しかったモノ……?」
「はい♪」
闘鬼くんの反芻に笑顔で頷き、椿ちゃんは言葉を続ける。
「皆が拾ってくれたこのプリントの内、この二十八枚は銀架くんの書いたメモでした」
「メモ?」
「見て頂ければ分かると思いますが……まず、この八枚が多分、銀架くんが遠視をしていた時に“視た”モノをそのまま写し取ったメモ」
そう口にしながら、椿ちゃんは左腕に抱えたプリントの束から幾枚かを抜き取り、教卓の上に置く。
そこには、形が歪で向きや大きさもバラバラの文字や数字が、所狭しと書き殴られていた。
文字自体は、辛うじて読み取れる。
が、単語だけの文や何のモノか分からない数値ぐらいしか書かれていないため、書いた本人以外には読解出来そうにない代物になっている。
だから、ソレを見た何人かが眉を顰めるが、彼らから不満の声が漏れる前に、椿ちゃんが言葉を続けた。
「──それで、この十八枚が、そこに書いてある情報を元にして推測を行っていた時に書いてたハズの計算……ううん、推理用のメモ」
その言葉と共に、先程のメモの隣に置かれたプリントの束には、先程よりも格段に読みやすくなった文章が書かれている。
が、その大半が黒線で消されていたり、唐突な話題が変わっていたりと、これまた必要な情報を読み取るコトが難しくなっている。
それもそのハズ、このプリントに書かれているコトは、銀架くんの考えの途中経過に過ぎないのだから。
そこまで考えが至った所で、メモを見ていた全員の視線が、椿ちゃん──正確には彼女が抱えているプレゼントに移される。
それに気付いた椿ちゃんは、小さく笑みを浮かべながら口を開く。
「──最後に残ったこの二枚が、銀架くんが出した結論が纏められたモノです」
そう言って、椿ちゃんはそのプリントを先程のメモの隣に置かず、自らの胸の高さまで持ち上げると、それに視線を落として言葉を続けた。
「……コレに書かれているコトを読む限り、銀架くんはあの“結界”に入った可能性が高そうですね」
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私──紅城 焔呪がソレに気付いたのは、全くの偶然だった。
あの“劣等種”が“結界”に入ったかもしれない、そう聞いた全員が驚いて椿さんの方に目を向けていて、その椿さんもプリントに視線を落としていたから、多分理論室の扉の傍に立っていた私の視界にしかソレは入らなかっただろう。
もしかしたら、ソレは私にも気付かれていないと思っていたかもしれない。
その推測があってるかどうかは分からないけど、ソレに気付けたのが私だけと言うのはとても都合が良かった。
私はニヤリと口元に笑みを浮かべると、近くにいた光輝の袖を軽く引っ張り、視線で扉の方を見るように促す。
光輝は、視線の意味に気付かずに一瞬怪訝そうな表情を浮かべていたが、ソレに気付いたのか、すぐに私と同じ様な笑みを浮かべた。
チラリと、互いに視線を交える。
それだけで、互いに考えているコトが同じと言うコトが分かった。
だから、私達は──、
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「……ヤツが、あの“劣等種”が、あの“結界”に入ったとするその根拠は何だ、橙真の?」
椿ちゃんの先程の発言からしばらくして、驚いたメンバーを代表するかのように、闘鬼くんがそう問い掛ける。
良い意味でも悪い意味でも、自分かせ七名家・色名持ちとしての自覚が強い彼らにとって、そのような身勝手な行動を起こす理由が分からないのだろう。
ただ、ある意味では銀架くんに誰よりも似ている椿ちゃんは、その問いにスラスラと答え始める。
「──まず、あの“結界”の正体について話した方が早そうですね」
「あの“結界”の正体が分かったのか!?」
「えぇ。このレポートに書かれている通りなら、あの“結界”の正体は、実は壁ではなくて門であり、その内部にあるのは、おそらく“神造魔導具”によって創り出された亜空間……言い換えるなら、人工的な“異界域”です」
「“異界域”だとっ!?」
私達が住むこの世界と、幻霊……幻獣や精霊が住む異世界“神界”は次元の壁に隔てられていて、通常なら互いの世界を行き来するコトは出来ない。
が、偶に次元の壁に綻びが生じ、互いの世界の魔力濃度が異なると言った理由から、その綻びを中心に歪んだ空間が出来上がる。
その歪曲した亜空間の総称が、“異界域”。
七名家を語る上では、切っても切り離せない存在。
椿ちゃんの言葉を聞き、何人かが呻くように声を漏らす。
「あの“結界”が“異界域”だなんて……」
「もし、それが本当なのだとしたら……」
「七名家が、対処しなきゃなンねェのかよッ!」
心底面倒臭そうに吐き出された雷牙くんのその言葉に、その場のメンバーの殆どが苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
“異界域”は、喰うかが歪曲しているというだけでも周囲の環境に悪影響を与える厄介なモノだが、話はそれだけでは終わらない。
“異界域”は先程も言った通り、次元の壁の綻びによって生じるモノ。
故に、“異界域”を通じて“こっちの世界”の人間が“神界”に行ってしまったり、逆に“神界”の幻獣や精霊が“こっちの世界”に来てしまうコトがある。
それが、“異界域”の最も厄介なトコロ。
“神界”に行ってしまった人間が“こっちの世界”に生還した事例は極めて少ないし、同様に“こっちの世界”に来た幻獣や精霊が“神界”に帰還する事例も稀少。
“神界”に行ってしまった召喚士でない人間は、慣れない世界の魔力が毒となり、一日もせずに衰弱死して。
“こっちの世界”に来てしまった契約されていない幻獣や精霊は、慣れない世界の魔力が毒となり、凶暴化して魔獣や魔精──“怪魔”と呼ばれる存在となり、力を暴走させ、辺り一帯を破壊し尽す。
“異界域”のせいで、一日でゴーストタウンになった町も、一日で焼け野原になった都市も、少なからず存在する。
“異界域”とは、それ程危険で凶悪な存在である。
しかし。
世界には、その“異界域”の対処に特化した組織が幾つか存在する。
幻霊との契約の副産物として“神界”への渡航の耐性を手に入れた召喚士を中心としたソレらは、国ごとによって軍隊であったり、騎士団であったり、一族であったりと形は様々。
しかし、やるコトは何も変わらない。
“異界域”が発生したならその場に赴き、その“異界域”が自然に消滅するまで怪魔達を駆逐し続け、時には“神界”に迷い込んだ人の救助なども行う。
文字通り、命懸けで。
その戦力と重要性から、あらゆる国で高い地位に就き、全ての召喚士の憧れの存在となるモノ。
ソレは、例えばアメリカなら“Angelic Force(七天軍)”と呼ばれ。
ドイツなら“Todsünde(七大貴族)”と、フランスなら“Grand Chariot(七星騎士団)”と呼ばれており。
──────日本では、七名家がソレにあたる。
そう。
七名家とは、ただ七王である《竜》と契約した家系であるから偉いワケではなく、その力を用いて一般人を“異界域”と言う天災の脅威から守っているからこそ、周囲から英雄視されているのだ。
そして。
だからこそ、この謎の“結界”──“異界域”の対処をする義務があるというコトに、彼らは眉を顰めていた。
──何せ、もし那月ちゃんが生きていなかった場合、その責任を自分達が負うかも知れないから。
しかし、その考えが誰かの口から出てくる前に、椿ちゃんが雷牙くんの言葉を否定した。
「……ううん。あの“結界”内部は気温や気圧、大気中の成分や魔力濃度が“こっちの世界”と殆ど変らないから、召喚士じゃなくてもあの空間に侵入は可能だし、何より先程も言った通り、あの“結界”は人工的に創られた……召喚士によって引き起こされたモノだから、この案件は統制庁の管轄になるわ」
その言葉を聞き、雷牙くんは今にもラッキー! と言いそうな位表情を明るくする。
……が、彼と違ってちゃんと状況を把握している他のメンバーの表情は暗いままだ。
闘鬼くんが、再び重々しく口を開いた。
「……あの“劣等種”が“結界”に入ったとする根拠は何だ、橙真の?」
「──このレポートを見る限り、あの“結界”内から銀架くん以外の血の匂いや死臭などは殆ど検知されていません。つまり、那月ちゃんが生存している可能性は極めて高いというコトです。それさえ分かってしまえば、那月ちゃんを助けに行きますよ、銀架くんなら」
「……何故だ?」
「……那月ちゃんが、銀架くんの友達だからです。彼は、自分と親しい人には、トコトンなまでに甘いから」
一瞬だけ、その笑みに影を落としながら、椿ちゃんが闘鬼くんにそう告げる。
語気は強くなく、むしろ弱い位の口調だったけど、何故かそれで納得出来てしまうだけの不思議な響きが、その言葉には籠っていた。
だからこそ、闘鬼くんは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら、吐き捨てるように言った。
「……くそっ! あの“劣等種”は仮にも七名家の一員だと言うのに、統制庁の管轄に踏み込むとは……何て身勝手な! 我々まで統制庁に目を付けられたらどうするつもりだっ!?」
そう。
物事には領分というモノが存在する。
七名家と統制庁にも、互いの管轄には干渉しないという暗黙の了解がある。
明示はされていないものの、互いに力を持ちすぎないために七名家と統制庁の間に存在するルール。
銀架くんの行っているコトは、ソレヲ堂々と無視しているようなモノだ。
七名家としては、決して見逃せるモノではない。
しかし、だからと言って既に“結界”内に入られていた場合には、七名家としてはもう手出しをするコトが出来ない。
「“劣等種”の、分際で……っ!」
それが分かっているから、闘鬼くんはやり場のない怒りを堪え切れずに、思わず腕を大きく振り上げ──、
「──────別に、僕が“結界”に行く分には、何の問題もないから安心してよ」
──その拳が壁を叩く、その直前で、理論室の扉の方から、そんな声が聞こえて来た。
その場にいた全員が、驚いて声のした方に目を向ける。
そこには、壁に背中から凭れながら、マグカップを片手にコチラをジト目で見ている銀架くんがいた。
……個人的には、右手に持ったマグカップに入っている、ホイップクリームやマシュマロが浮かび、挙げ句製菓材料までトッピングされているホットチョコレートについてツッコミたいトコロだけど、それよりも先に雷牙くんが銀架くんに怒鳴る。
「っテメェ、“劣等種”ッ! どうしてココに居やがるッ!?」
「何? “結界”の中に居た方が良かったの?」
「ッ!? ソレ、は……ッ!」
「まぁ、どうせすぐに入りに行くんだけどね」
「ッンだとっ!?」
けど、いつもの調子で周囲を翻弄する銀架くんに、更に怒りを募らせた雷牙くんが詰め寄ろうとする。
が、闘鬼くんがそを一旦制し、銀架くんを睨み付けながら口を開いた。
「……どうして“結界”内に行くんだ、貴様は?」
「さっき椿さんも言ってたでしょ? 那月ちゃんが僕の友達だから、助けに行って上げるんだよ」
銀のスプーンでホットチョコレートに浮いていたマシュマロを口に運びながら、さも当然のように銀架くんは即答をする。
そんな彼の態度を見て額に青筋を浮かべながらも、闘鬼くんは口調は静かに言葉を続ける。
「お前のレポートは読ませて貰ったが……アレを読む限り、この事件は統制庁の管轄にあるように思える」
「その認識は間違ってないよ」
「……そして、腹立たしいコトだが、お前は一応“七名家”に属する人間だ」
「そうだね。僕も気にくわないけど、否定出来ないや」
「ソレが分かっているなら、お前がやろうとしているコトは統制庁に喧嘩を売るようなモノだと、何故理解出来ないっ!」
「理解出来ない? そんなワケないでしょ」
「……何?」
「確かに、僕が“結界”内に行くと、“七名家”の人間が統制庁の管轄に踏み込んでいると思うかもしれないね、七名家からしたら。けど、さっきも言ったハズだよ? 何の問題も無いって」
闘鬼くんは、臨界点寸前だったと思う。
だけど、銀架くんはそんなコトは気にせずに、普段の調子で言葉を続けてしまった。
だから──、
「フザケるなよ、“劣等種”っ! 何も問題が無いだと? そんなワケがあるかっ! ただでさえ貴様は“異端魔導師”なんて厄介な存在だと言うのにっ!!!」
──闘鬼くんは、堪え切れずにそう叫んでしまった。
“異端魔導師”という、その単語を。
瞬間、理論室の中の時が凍り付く。
すぐに冷静さを取り戻した闘鬼くんが顔を蒼褪めさせていたけど、もう遅い。
理事長室の時と同じ、思い沈黙がその場を支配する。
そんな中、雪姫だけが銀架くんに何とか声を掛けようと口を開こうとする。
……が、それよりも早く。
「……フ、フフッ。ア、アハハハハっ♪」
──銀架くん自身の笑い声によって、沈黙が打ち破られた。
全員がギョッとした表情で彼の方を振り向く中、銀架くんは持っていたマグカップも床に落とし、お腹を抱えて笑いながら。
闘鬼くんを指差して言った。
「──────バカだ、バカがいるっ♪」
「「「なっ!?」」」
突然の罵倒に全員が驚愕し、すぐに何人かが銀架くんに掴み掛ろうとして──、
「──待って」
一歩前に出た椿ちゃんがソレを制し、それからいつもの笑みを浮かべて、銀架くんに問い掛けた。
「──何で、闘鬼さんがバカだ、って思うのかな、銀架くん?」
「だって、僕が“異端魔導師”って分かっているのに管轄云々をグダグダ言ってたんですよ? 本当に、愚かとしか思えないや」
その言葉に若干一名再び激高する子がいたものの、その言い回しに違和感を覚えたメンバーの殆どが、頭上に疑問符を浮かべる。
そんな中、一人だけ「やっぱり……」と言いたげな表情を浮かべていた椿ちゃんが、ゆっくりと口を開いた。
「──ずっと、そうだろうとは思ってたけど、やっぱり……」
「えぇ♪ 椿さんが想像しているコトは、多分間違ってませんよ♪」
椿ちゃんの言葉を聞いた銀架くんは、心底楽しそうに首を縦に振る。
そんな二人の様子を見た闘鬼くんは、混乱した様子で椿ちゃんに聞いた。
「一体何の話をしている、橙真のっ!? ヤツは何のコトを言っている? “異端魔導師”が何だと言うんだっ!?」
「──銀架くんは、ただの“異端魔導師”じゃありません。七名家に生まれて、七名家最強と呼ばれ、そして七名家から追放された“異端魔導師”です。……そんな人間を“彼ら”が放って置くワケがないですし、都合も良いので“彼ら”がその力を利用しようとするのも当然に思いませんか?」
「──っっっ!? まさかっ!?」
椿ちゃんのその言葉で、ようやく銀架くんの言いたいコトに……銀架くんの立ち位置に気付いた闘鬼くん達が、信じられないモノを見る目を銀架くんに向ける。
ソレを、いつもの道化師のような笑みを浮かべながら、真正面から受け止めた銀架くんは、懐から取り出した短剣を闘鬼くん達に突き付けながら言った。
「僕は“制鬼師”──統制庁に所属する召喚士との戦闘を得意とする魔導師だよ。“七名家”程度に、僕の仕事を邪魔されたくないね♪」
傲岸不遜とも言える態度で放たれたその言葉に、しかし今度は誰も反論をするコトが出来ない。
銀架くんが突き付けた短剣。
極彩色の羽を模したソレが、銀架くんが“制鬼師”──統制庁の人間である何よりの証明であるから。
「僕がまだココにいるのは、あの“結界”に入る前にちょっとした準備をする為。今回の案件を僕が担当するコトは、統制庁の方でもう決定しているから、先輩方はゆっくりと待っていてくれればいいですよ♪」
銀架くんは、そう言いながら、ゆっくりと私の方に歩いてくる。
その途中、闘鬼くんと擦れ違って──、
「……お前は、“七名家”が統制庁に与して問題がないと思っているのか?」
「“異端魔導師”を野放しになったコトが問題になってますか?」
「っぅ!?」
闘鬼くんの最後の悪足掻きと言うべき呻きを、七名家の問題を無かったコトにした貸しがあるコトを暗に仄めかして封殺した銀架くんは、そのまま闘鬼くんの横を通り過ぎた。
が──、
「──あ、そうそう」
少し進んだトコロで何かを思い出した様にそう呟き、銀架くんは後ろを振り向きながら言った。
「先輩方が問題視するとしたら、それは僕じゃないですよ?」
「……それは、どういうコトでしょう?」
打ちひしがれている闘鬼くんに代わって、氷羽子ちゃんが銀架くんにそう問い返す。
が、銀架くんもその問いに問いで返した。
「この部屋、ちょっと静かじゃありませんか?」
「……? ………………っっっ!?」
その問いの意味が分からずに、一瞬全員が首を傾げたが、すぐに銀架くんの言いたいコトに……とんでもない問題が起きているコトに気付いた椿ちゃんが、彼女にしては珍しい焦った声で叫んだ。
「我考くんに焔呪ちゃん……それに光輝くんも、何処に行ってしまったのっ!?」




