表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/53

第十五話 真夜中のAssembly

只今挿絵・魔法を募集中です!


「──“──あぁ、何と寄る辺もない俺の身か。完成への燃え上がる想いの数々を、俺はもうどんな聖像に献げても構わない”」




一寸先も見えないような暗闇の中、朗々と歌い上げるように、男とも女とも付かない中性的な声が響く。

直後、闇の中から別の──若い男性の声が聞こえてきた。


「──“地獄の季節”ですか、宣教師様・・・・。中々良いうたですね」

「そう? それは良かった」


宣教師と呼ばれた声の主は、何処か嬉しそうな声でそう返す。

それを聞き、次は若い女性と思しき声が響いた。


「……それで? 宣教師様はいきなりその詩を歌われていましたが、どうかしましたか?」

「いや、ワタシの信仰心を、今一度皆さんに知って欲しかったので、この詩にその想いを込めて歌ってみたのです」

「ははぁ……ですから、その一節ですか」


宣教師の言葉にそう返したのは、老いた男性の声。

そしてそれ以外にも、数多くの……不協和音のように闇に響く老若男女入り乱れた人の声。

それから、この暗闇の中に百人以上がいることが分かる。

宣教師は、闇の中に響くその声が静まるの見計らってから、言葉を発した。


「──皆さん、こんばんは。本日は、突然の召集にも関わらず、これ程の数の信者に集まって頂いて貰えたこと、心より感謝を申し上げます」


闇の中に響き渡っていくその声は、何処か妖艶な魅力を含んでおり、人々の心を強く惹き付ける。


「さて、早速ですが、今回皆さんにこうして集まって頂いたワケを話させて頂きます」

「──何かあったんですか、宣教師様?」

「もしや、“幻皇げんおう様”の身に何か!?」

「安心して下さい、皆さん。我らが崇拝する“幻皇様”は、絶対なる存在です。今も、我々のことを遥か高みから見守っておられます」


宣教師は、不安を孕んだ信者の声をしっかり聞き分け、一人一人の顔を闇越しに・・・・見詰めながら、優しい声を掛けた。


「今回皆さんに集まって貰ったのは、とてもいい知らせがあるからです」

「朗報、ですか?」

「それは一体……?」

「実は……本日、“幻皇様”に捧げる巫女となる少女──“彩色の乙女”が見つかりました!」

「「「──────っっっ!?」」」


喜びを一切隠そうとしない宣教師のその声を聞き、闇の中にいる信者達が一斉に息を呑む。

沈黙は一瞬。

次の瞬間、信者達の歓喜の声が暗闇の中に轟いた。


「それは……なんと喜ばしいことか!」

「これは……我々の悲願達成への大きな一歩となる!」

「えぇ! この知らせを聞き、“幻皇様”もとても喜んでおられます」

「それは真ですか、宣教師様!」

「はい。本日は“幻皇様”の機嫌もとてもよく、我々にお言葉をたまわして下さりました」

「「「おぉっ!」」」


宣教師のその言葉を聞き、信者達が再び喜びの声を上げる。

そんな彼らに答えるように、懐から巻物を取り出して宣教師は言った。


「それでは、只今より“幻皇様”のお言葉を拝読させて頂きます」

「「「………………」」」

「──“今回の諸君らの知らせを、我はとても喜ばしく思う。これも全て、力無き我の為に働いてくれている諸君らのおかげである。我は諸君らに感謝しよう”」

「「「──────有り難き幸せであります」」」

「──“諸君らの今後の活躍にも、我は心より期待している。諸君らなら、次は何をすべきか理解しているであろう?”」

「「「──────勿論にございます!」」」


宣教師の紡ぐ言葉を聞き、信者達が一斉に返事をする。

宣教師が、叫んだ。


「貴方達は何者だ!?」

「「「我ら、世界の平和を“幻皇様”に託す力無き者共!」」」

「貴方達は何をする者だ!?」

「「「我ら、“幻皇様”への対価として、その雄姿を彩る舞台のいしずえを築く弱者!」」」

「貴方達は今、何をすべきだ!?」

「「「今、我らが払う対価は一つ! 世界の記憶を宿しし巫女を、“幻皇様”の血肉と変える!!」」」

「宜しい! 今こそ我らが動き出す時だ!」


信者達の言葉を聞いた宣教師は、口元を大きく歪めて言った。




「さぁ、皆さん! “幻皇様”をこの世に呼ぶため、“彩色の乙女”を捕らえるのです──!!!」




闇の中を宣教師のその言葉が通り抜け、その日の集会・・は幕を閉じた……。


「何故だ!? 何故裏切ったっ!?」


「全く理解出来ないって言いたげね?」


「待て、○○○○っ! お、お主、一体何を……?」


「まだ、こんな時間………………」


『……朝から精が出るのぉ、小僧?』


「分かってるって、シロガネ。その為に、このコートに色々と仕掛けたワケだし」


『それに、腹が減っては戦は出来ぬと言うしな』


「だから……さっきも言ったでしょう? 準備万端だって」




次回、“第十六話 始まりの日のMorning”




「――さぁ行こうか、シロガネ。ここからが、本番だよ!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ