取引
世にも奇妙な物語を意識しました。
読んでくれるとうれしいです。
男は半月前から罪の意識を感じなくなっていた。男は食品売り場に来ていた。
「今日はこれにするか。」
男はカップメンをとり持っていたていたバッグに入れた。
「帰るか…」
男がデパートを出て駐車場を歩いていたとき
老人に肩をたたかれた。
「バッグの中を見せていただけますか?」
「どうしてですか?」
男は明らかに動揺していた。
老人は微笑んだ。
「心配されなくても大丈夫です。カップメンを盗んだんでしょう。」
「…私はそんなことはっ」
次の言葉を発しようとした瞬間、老人によって遮いられた。
「いい話があります。」
「…いい話?」
「はい。私にとってもあなたにとってもいい話になります。聞きたいですか?」
なにを言い出すんだこの人は。しかしここで聞いておかなけえれば万引きしたことを言われるだろう。
「…教えてください。」
男はゆっくり話し始めた。
「これが初めてではないですよね」
男は何も言えなかった。
「そしてあなたはとった度に罪悪感を感じてるはずだ。」
「そうではないですか?」
男が確信をついたように言った。
「まあ、そうですね。」
「ならば話が早い。」
老人はそう言うと男の目を見ながら言った。
「私はあなたの罪悪感を売ってほしいのです。」
「はぁ?」
男は困惑した。
「言っている意味が分からないのですが。」
「これは取引です。」
老人はそう言うと続けた。
「あなたが罪悪感を売ってくれるというのなら、お金をだします。万引きしたことも言いません。」
「そんなことを言われたって…どうすればいいんですか。」
老人は答えた。
「あなたは帽子をして座っていればいいのです。」
この日以来、男は罪悪感を感じることはなくなった。
連れてこられたのは小さな“小屋”だった。
「本当に大丈夫なんでしょうね?」
男は不安を隠しきれずにいた。
「これをかぶって座っているだけです。」
男が取り出したのは帽子とは言えないヘルメットのようなものだった。そこからコードが繋がっている。
男は抵抗を感じながらもそれをかぶった。
「30分じっとしててくださいね。では開始します。」
その瞬間男は眠けに襲われた。
男が起きたとき目の前に札束が置かれていた。
「…これは?」
「報酬です。取引といったじゃないですか。」
男はカプセルを持っていた。
「それより、あなたからそうとうな量を吸い取れました。ありがとうございました。」
「こんなお金本当にいただけるんですか?」
「もちろんです。」
男はまだ信じられなかった。
「どうしてこんな大金があるのか知りたいですか?」
老人がニヤつきながら言った。
「…はい」
「いいでしょう。教えてあげましょう。」
そう言うと老人はカプセルを見つめながら言った。
「このカプセルにはあなたの罪悪感が入っています。私が40年かけて作ったあの装置を使ってね。」
老人は続けた。
「あなたはこのカプセルをどうすると思いますか?」
「見当もつきません。」
老人は驚くべきことを発した。
「このカプセルを刑務所に売るんです。」
「刑務所!?」
男は驚きで言葉を失った。
「そうです。これを受刑者に飲ませる。すると受刑者は真面目に働くなるようになるそうです。」
「それと…」
老人が続けた。
「あなたはもう一生罪悪感を感じることができません。」
「…え?」
男は混乱した。
「これからあなたがどんな罪を犯してもあなたは何も感じなくなるのです。」
「ちょっと待ってください。そんな話聞いてません。」
「いいじゃないですか。これからどんなことをしても罪悪感を感じることなく生きられるんだ。」
最後に老人は嘲笑うかのように言った。
「どうしても罪悪感が必要だと感じたら、私のところへ訪れてください。今日あなたへ渡した3倍ぐらいの値段でこのカプセルを売りますから。」
これが初めての作品です。
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