証拠隠滅
会議終了から約30分後。
「わかりました!不正侵入したのは、カリフォルニアに住む。26歳の男です!」
「こいつか・・・よし、襲撃チームを向かわせろ!」
「待って下さい!通話履歴から、民間内部通告援助団体のサイト管理者に電話しています!」
「くそ、なら5時間ハッカーを見張らせろ!それで、二人同時に始末するんだ!」
「了解!」
ローチは部下から報告を受け、直ぐに長官へ報告した。
「もしもし、長官殿、不正侵入したハッカーを見つけました。」
「よくやった。しかし、状況が変わったんだ。今すぐ始末してくれ。」
「わかりました。しかし、この男がもう一人に電話してこのことを話した可能性があります。」
「何?なら、どんな集団を使ってでも二人を始末するんだ。」
「了解。」
「しくじるなよ・・・」
某ハッカーの家
「マックスの奴・・・まだかよ・・・」
チャイムが鳴った。
「すまん。まったか?」
「おせぇぞ!まぁ、いい。これを見てくれ・・・」
「これは・・・なんてことだ!世間が大騒ぎするぞ!」
「だろ、これは国防長官あてに・・・」
チャイムが鳴っている
「たく・・・誰だよ・・・マックス、ここで待っててくれ。」
「分かった。」
ハッカーは扉を半分開けた。
「どちら様ですか?」
そこには、警官の制服を着た男が二人立っていた。
「警察の者です。ここで知らない男があわてて入って行ったと通報を受けたのので・・・」
「あぁ、僕の友人です。」
「よければ、その友人を連れてきてもらえませんか?確認をとりたいので。」
男は玄関を開け、警官の制服を着た二人の男を入れた。
「ここで、まっ・・・!」
「・・・動くな。」
扉を開けて眼を離したすきに後頭部に消音器付きの拳銃を突きつけられていた。
もう一人も同じ拳銃を持ち、扉の陰に隠れている。
「おい、どうした?」
サイトの管理者が大声で聞いてきた。
「マックス・・・」
男は小声で呻く。
扉の陰に隠れている男が銃のセーフティーを外した。
「おい!」
声を荒げて、男は近づいてくる。
「マックス!逃げっ・・・!」
言い終わらないうちにハッカーの頭は撃ち抜かれていた。
「どうしっ・・・」
マックスと呼ばれた男も友人の安否を確認する前に、腹部に3発撃ちこまれ、絶命した。
「よし、近くに未開発の森林がある。そこに死体を隠そう。周囲に気を配れよ・・・」
「わかってる。急ごう。」
二人の男が死体を処理し、電話した。
「こちら、アルファ1。作戦を無事遂行し、アルファ2とともに帰還する。」
「ご苦労だった。」
男は電話を切り、相方に言った。
「よし、帰ろうぜ。乗れよ。」
「オーケー。行こう。」
男がエンジンをかけた瞬間だった、ドンッ!
大きな音がし、車は爆発、炎上した。
周りには、車の破片が散らばっている。もちろん二人の男の体の一部だったものも・・・
「よし・・」
偵察衛星から送られてくる映像が映し出されるモニターを見ていた、ローチはうなずき、電話をとった。
「もしもし?関係者4名確実に始末しました。」
「よくやった。あとは専門の部署に任せる。」
「了解です。」
「これですべて片付いた。信頼しているぞ、ローチ。君はこの俺が一番信頼してる。決して裏切ったりしないでくれよ・・・」
「ありがとうございます。長官も私を捨てないでくださいね・・・」