三人と一人
僕と哲と翔の三人で遊んでいた。
「何して遊ぶ?」
「今日はゲームしようぜ!」
「う~ん、持ってるゲームは一通りしたからなぁ」
「俺ゲームしたいんだって~そんなこと言わずに」
哲がゲームの電源を入れて、コントローラーをいじる。
「タイトルがないな」
「あれ、こんな見た目のあったけ。」
「あぁ僕んち、父さんがゲーム好きだからたまに新しいの入ってんだ」
「いいなぁ」
「じゃ、これでいいよな?」
「ああ」
哲がボタンを押すと、辺り一帯が明るく、というよりまぶしくなった。三人の目がくらんでまぶたを閉じたところで、体が宙に浮いた。光がなくなったと思ってまぶたを開けると、別の場所に移動していた。近代的で、機械的で、温かみが何もない場所。
「俺らゲームしようとしてたんじゃなかったか?」
「でも、確実にここは大輝の家じゃないよな」
「そうだな」
テレビが下りてきて、画面がついた。画面には狐の仮面をつけた子供がいた。顔は見えない。全身が映し出されていて、雰囲気や背丈が子供だ。
「やあやあ諸君。集まってくれてありがとう。少し待たせたかな?」
「君は誰なの?ここはどこ?」
「おや、わからないか?そうだ、声を変えていたんだったな。場所は、まあどこだっていいさ。」
「さて、本題に戻ろう。君たちには、3つのゲームに挑戦してもらおう。」
「ゲーム?何の話だよ。俺たちを返してくれ」
「おぉ、ゲームみたいな切り口だ。答えは無理、だ。ゲームの内容はいたって単純。それぞれのステージで、ボタンを押してきてもらう、簡単なゲームだ。一つ目、樹海。二つ目、」
「ちょっと待ってくれ。そんなことをして、何になる?」
「何になるのか。それは、思い出してもらうためだ。続けるぞ。一つ目、樹海。二つ目、火の海。三つ目、kzienajoz\[@@saだ。」
「kz……なんて?どういうことだ?」
「おっと、それは言えないな。」
「さあ、どこから行く?」
どうするか、好奇心的には、三つ目だろう。だが、きっと楽なのは樹海だよな。火の海はたまったもんじゃない。
「樹……」
「忘れていたが、ここでは死ぬことはない。怪我をすることはないし、痛くなることもない。」
「みんな、どうする?僕は、樹海がいいと思う。」
「俺も。」
「俺はkz……何とかがいいと思う。面白そうだし。」
まあ、とりあえず樹海でいいか?
「じゃあ、樹海で。」
そう、言い終わるか、終わらないかといううちに、ゲームが始まった。。で、僕らは津波に、木の波に飲み込まれていた。
「なんか怖いな。無事で出られるのだろうか?」
「ここ、樹海のはずなのに緑色の津波?」
ただの波じゃない。木なのだ。が、耐えた。いや、吹き飛ばされたのだが、このゲームで死ぬこともない。痛みも感じない。だから、別にクリアできた。難しくもなんともなかった。白色のボタンだった。そう。それは、何の変哲もないボタンだった。なのに、目の前に広がる光景は、想像とは違っていた。そこは、そう、僕らが最後に行こうと思っていた、kz……だ。なぜか、わかってしまった。そう、わかってしまったのだ。狐の仮面の子が、テレビ越しに言っていた。「さようなら、今までありがとう。ごめんね、」と。仮面がぱっと取れて、待てよ、あの顔は......彼らはお櫃の中で燃やされていた。死んだからだ。そこはまるで、ゲームのステージの火の海のようだった。そう最期まで真実に気づけなかった彼らを嘲っているかのように、、、
そこから数日後悲しみに暮れた、ひかるの母親が遺品を整理していた時にあるものを見つけた。それは、「空想の物語」の説明書だ。その説明書にはこのゲームのすべてのことが書かれていた。そこにすべての答えはある。
・このゲームのタイトルは「空想の物語」です。
・このゲームの作者は二宮 蒼です。
・このゲームで受けたダメージは現実で実際のけがとして変換されます。死ぬレベルのダメージを受けたら現実で、死にます。ですが意識はこちらのゲームにあるので、死んでからもこのゲームをプレイしている間は本人は死んでいるとは気づきません。
・このゲームでクリアできるステージは1つしかありません。
・このゲームに入れるのは、大輝と哲と翔の三人と作者の蒼のみです。
・”さいご”の部屋に入ったら現実に戻されます。
・なお、このゲームを最大限楽しんでいただくため、ゲーム内では悲しい真実は一部伏せて説明します。ご了承ください。
この説明を読んだ大輝の母親は、読み終わると「一度集まりませんか?」という連絡を、哲、翔のお母さんに送った。そこで、今から30分後にでも集まろうという話になった。そして説明書に出てきた二宮 蒼、この人物は三人ともが知っているのだ。哲と翔、大輝の親友だ。しかも、けんか別れをしたまま交通事故で死んでしまった人物なのだ。もうわかりましたか?そう、この物語は二宮 蒼が寂しくて、みんなと話したくて仲直りしたくて始めた、四人の空想の物語なのだ。
さて、どこからどこまでが本当で、どこからどこまでが嘘だったのでしょう?
END
この作品は、昔に作ったものを直したものなのですが、不自然なところもあると思いますので、教えてくださると幸いです。




