擬人化
今年から、一学期の実力テストは夏休み前になった。数週間前にあった期末テストの成績を分析して次に活かしたい。
もう一度結果を見てみる。英語と数学と国語は200点満点。それ以外は50点満点。そして学年人数は160人。
英語 45点 148位
数学 14点 160位
国語 87点 85位
生物 31点 56位
物理 27点 42位
化学 23点 35位
地学 40点 2位
地理 42点 1位
歴史36点 7位
公共 28点 19位
情報 45点 13位
合計 418点 122位
見ての通りこのテストは理不尽だ。
理科系、社会系の科目は素晴らしい。それでも200点満点の英語、数学、国語が悪いおかげで合計の順位もかなり悪い。数学に至っては赤点で最下位である。
分析するどころかやる気すら失せた。気づけば数学のノートと教科書を開いたまま数時間ものときが経っていた。所属する美術部の作品の提出があるために、夏休みはまともに勉強できない。9月の模試も結果は悪くなる一方だろう。
学習することの全てが面白くなかった。でも芸術だけは味方をしてくれた。いつも通り数学のノートに落書きをしてみる。
数分で仕上がった。可愛い女の子の絵。題名は「数学」だ。数学という最悪な科目を擬人化することに成功した。普段何もしなければ良い点数は取らせてくれない。でも愛撫するように努力すれば得点は上がる。
つまり、究極のツンデレだ。放っておけば態度は悪い。しかし可愛がればデレてくれる。
そんな妄想をして寝落ちしてしまっていた。
でも朝になって聞き馴染みのない声が聞こえて目覚めた。
「もう朝だよ?起きなよ、寝坊助が。」
驚いた。目の前に座っている女の子はだれ?
そのまま思った通りに
「あなただれ?」
即答してきた。
「もう忘れたの?全く呆れるわ。」