それは運命だったのでしょうか?
どうでも良いプロフィール
私
もう直ぐ三十路の捻くれ拗らせ女。
アパレル店員をしている。
好きな物は酒とあん肝。
嫌いな物は消費税。
男
無駄に爽やかな男。スーパーの店員をしているらしい?。誰に対しても気さくで優しい。
流行には疎いが、人を見る目だけはある。
実は前から"私"を知っていた?
読み切り小説なのでしっかりとした設定ではないけど、きっとこんな感じでしょう。
「お、偉いねぇ~…お使いか?」
その夢はたまに見るかなりリアリティがある───所謂、白昼夢……とは言い難いのかもしれない。
その時の私は、スーパーの様な所で買い物をしていた。
「はあ…、どうも」
"偉い"と言われる年齢でもない。今年で三十路を迎える拗らせた女だとも知らず……───この男は何を見て、何を思って、私に問いかけたんだ?。
バカにされた?───だとしたら、全くもって不愉快……と言う気持ちにもなれないのは、現実ではなく夢のせいだからなのか
「俺さ~、もう直ぐ気になってる女の子と出逢う予定なんだけどさー」
嗚呼……一番嫌いなタイプかもしれない。
ほんのちょっぴりの"可能性"を抱いた自分を殺してやりたいと思う。
てかなんだよ……出逢う予定って
「君、ファッションに詳しそうだよね?俺にはどんな服が似合う?」
「……貴方には、そのエプロンがお似合いですよ」
男が身に付けていたエプロンを指差しながら、ふふ……と、意地悪っぽく笑うと、男は「あちゃ~、こりゃあ参ったな」と笑うだけだった。
「……真に受けないでくださいよ。……貴方はそんなに着飾らなくても、ラフな格好で十分です。雰囲気は無駄に爽やかそうだし……──その人懐っこさがあれば
……女性と仲良くなれるのでは?」
「俺って、元が良いからなっ」
「自分では言いませんよ」
所で私は、何故この……スーパーのような所に居るんだっけ?。思い出せないな……
「君さ、2階のアパレルショップの子だろ?。俺達、いつもすれ違ってたの気付いてたかっ?」
「え……、はあ?」
確かに私は……アパレル販売の店員をしているけど……
下がスーパーになっている所では無かった気がする。
しかも、こんな男には出逢った記憶がない。
「いつもお洒落で、お客さんに寄り添ってて……、誰かの為に働いてる君が素敵だって思ってたよ」
ストレートに、まあそんな歯が浮くような台詞……
いや……普通に褒められているんだろうけど……
なんか言われ慣れてないから、どう受け止めて良いのか分からない。
「……そんな事言われたの、初めてですよ。変わってますね」
「他のヤツらは見る目が無いな」
ドキッとしてしまった。
その男は、素直で真っ直ぐな……
私の周りには居ないようなタイプ。
ザーーーー…………
「外……雨が降ってる」
「あ、ホントだ!───君、傘持ってるか?」
「いや……持ってないですけど」
「俺の傘持っていって。取って来るから!」
「あ、ちょ……ちょっと!」
なんて人の話を聞かない男なんだ……。
別に傘なんて要らないよ……。だってこれは……夢だから。
「ほれ!傘」
「あ、ああ……ありがとうございます」
「いつでも良いからな!返すの」
「いつになるか分かりませんよ?」
「いや……案外近い未来かもしれないぜ?」
「……何を言ってるんですか……。コレは夢で、私と貴方は今日見た夢でたまたま出逢ったに過ぎない」
「……じゃあ、約束な!。俺は君を探すから、君は俺を探してくれよ。」
「いやいや何を言ってるんですか……。それに、貴方には気になっている女性が居るのでしょう?。デート……頑張って下さい。もし現実世界で逢えたら、どうなったか教えてくださいね」
周りの景色が急に外に切り替わる。嗚呼……もう直ぐこの夢が終わるんだ……。借りた傘……───返せるわけないけど、その傘を差して私は男にこう言った。
「でも……──また、逢いに来ますね」
多分笑えていたと思う。
男はなんだか知らないけど満足そうにして、名残惜しそうな表情を浮かべ手を振っていた。
そう……これが私の見た夢。
「……変な夢を見たなあ……」
寝過ぎて頭が痛い……。重い身体を起こして、洗面台に向かう途中で、その違和感に気付いた。
ピチョン……ピチョン……
片手には男から借りた傘が閉じた状態で握られていた。雨の雫を、先端部分から落して……───
「は……───はああああ!!?」
さて、これがどういう意味を示しているのか……
それはきっと、また雨が降った日に……この傘を差せば分かるのでしょうか?
本日昼寝をしていたら、こんな感じの夢を見て
それを少しアレンジして書き起こしました。
男の人は結構イケメン爽やかで猿っぽい顔をした人。