なんだこのゲームは?!
俺は尾奈大輔、冴えない一般学生だ。友達は一人もおらずこれといった趣味もない。ただ最近とあるゲームにハマっている。
そう、YAOだ。
YAOは最近作られたゲームだそうだが、俺はその虜になっていた。
「友達がいなくても俺にはこのゲームで世界ランキング1位だ。」
このゲームこそが俺の唯一の癒しになっていた。
そんなはずだった。
ある日、今日もYAOをプレイしようとアプリを開いてみると、YAOが突然動かなくなっていた。
「どういうことだ?!プレイできないじゃないか」
激しく動揺する俺。思わず壁に穴をあけてしまった。
その日の夜——
俺は、YAOのことが頭から離れず、布団の中で何度もスマホを握りしめてはアプリを開いていた。だが、画面にはただ「通信エラー」の文字が映るばかり。何が起きたんだ。世界ランキング1位だった俺のデータはどうなったんだ。まさか、消えた?
眠れるまま夜は過ぎた。
俺はいつものように学校に向かいながらもYAOの公式サイトやSNSをチェックし続けていた。そんなとき、とある一件のメッセージが目に入った。
「サーバートラブルによりデータが一部消失しましたが、天才ジーニアス開発者デベロッパー、水無月氏により一夜で復旧されました。」
水無月...誰だよそいつ。
だがその直後
「うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
俺のスマホが突然発光した。俺は慌てて目を抑え、しばらくするとスマホには懐かしいYAOの画面とともに一通の通知が届いた。
「あなたのアカウントは現在“最終職そして伝説へ”の状態にあります。おめでとうございます。」
「は?」
突然の意味不明なメッセージ。最終職? 伝説? 俺はそんな職業見たことも聞いたこともない。だが、興味が湧かないわけがなかった。ログインしてみた。
——ログイン成功。
……しかし、そこに広がるのは見慣れたYAOの世界ではなかった。
尾奈大輔
Lv:1000万
職業:最終職・伝説へ
所属ギルド: うんちっち
「なんだこれは…俺がバグってるのか?」
そう思った俺は近くにいた女プレイヤーに話しかけてみた。だが、そのプレイヤーは目を見開いて震えながら言った。
「あ...あなたが“再誕者”……?!」
「は?」
その日から、俺のYAOの世界は別の意味で狂い始めた。