第4話 バカ鳥との出会い
「待て待て。そんなに一気に言われても答えれない。とりあえず一つずつ言ってくれ」
そう言われてしまった俺はとりあえず何を質問するか考えた。
まあ、幸いなことに時間はたっぷりとある。
片っ端から一つずつ質問していっても問題ないだろう。
じゃあまず…
「マギアってなに?」
「あなた、それも知らずにスキルを使ってたの」
いや、だって一番最初に出会った奴がいきなり殺そうとしてきたんだもんね。
そりゃ知らないよね?
そんな事を考えていたのがわかったのか、彼は申し訳なさそうな顔をしていた。
ただ、それでもまだ許す気にはなれなかったが。
「えーと、マギアとはスキルの源って言う感じのものだ。うーん、なかなか言葉で説明できないな」
なんでだろう。
俺と同じ言語を話してるはずなのに全く話が理解できない。
とりあえず俺は頭を使い、使い、使い、彼の言おうとしている事を理解しようとした。
「つまり、スキルを打つために必要なエネルギーって事か?」
「そう、それ」
じゃあ、最初っからそう言って欲しい。
なんだよスキルの源って。
と言いたいとこだったが、あまり機嫌を損ねるわけにはいけない。
下手すりゃ機嫌を損ねて殺されるかも知れない…
あ、そうだ。
このバカ鳥についても知っておかないと。
っとそんなこと考えてたら、マースがこっちをぐっと睨みつけてきた。
まさか、勘づかれたのだろうか?
俺は慌てて質問を問いかけた。
「マースはなんでここに住んでるんだ?」
ここは見渡す限り砂漠が広がっているような、言っちゃあ最悪の場所だ。
よくこの世界について知らないが、林などもあっただろうに…
いや、もしかしたらと一昨日に起きたことを思い出す。
つまり、元々ここは林だったんじゃないか。
そう考えたりしたのだが彼はその事を否定した。
「ここに住みたくて住んでるじゃない。住まされてるんだよ」
「誰に?」
「誰かはわからないが…」
やっぱり、この鳥話すの下手くそだな。
そんな事を考えるとなぜかこの鳥は怒りの視線を向けてくる。
なんでこいつはこんなにも勘が鋭いのかな?
その上なんでこんなにも短気なんだろう?
とりあえず褒め称えよう。
「フェニックスでこんなにも強いマース様が…そんな事もあるんですね」
流石露骨すぎたか?と思ったが、そんな事はなかったらしい。
「ほほほほほ、そうなの。不覚にもやられてしまってそのままずっとここにいるのよ」
ちょろい、ちょろすぎる。
思わず笑みが漏れてしまった。
まずいと思ったが、ご機嫌だったマースには気づかれなかった。
「で、なんでここにずっといるんですか?あなたくらい強ければその人にやり返しに行けるだろうに?」
その言葉を聞いた瞬間、彼の顔は一気に暗くなった。
やばい、どうやら地雷を踏んでしまったらしい。
ただ、幸いなことに怒りの地雷ではなく、悲しみの地雷だったようだ。
ってなんだそれ
少し時間が経った後、彼は暗い声で話しかけてきた。
「それがね、私はその相手に、一方的にやられてしまったんだよ。挙げ句の果てに、私の大事な、大事な、生き血まで飲まれた上に、ここに住まされたのよ…」
これがどう言う事を言っているのかすぐには理解できなかった。
一方的に負けた、そこまではわかる。
そしてわざわざ生き血を飲んだ?
その上ここに住まされた?
もう一度整理してみたが、理解度は全く進まない。
その時、ふと俺は前の世界の漫画に出てきた『フェニックス』を思い出したを思い出した。
確かそのフェニックスには特徴があって…
そうだ、そいつを倒すと不老不死になれるんだったはずだ。
つまりだ、もしこの世界もそう言う特殊な特性があるとすれば。
もしかしたらフェニックスの生き血を飲むと不老不死になれるのかも知れない。
その時、俺は全てが繋がった気がした。
つまり、そいつはマースを倒して、生き血を飲んだおかげで不老不死となった。
そして他の奴が不老不死にならないようにするために封印して、その存在を隠した。
しかし、どこかの拍子でここにフェニックスがいる事がバレてしまった。
そこで、それに駆り立てられた人たちがマースを襲おうとこの森へやってきて、マースを倒そうとした。
そして、そいつらをマースはずっと殺してきたのだろう。
昨日、マースが俺に対して敵意を見せてきたこと、そして家の周りに人間?の白骨化した頭蓋骨が転がっていたのもこう言う理由だったら筋が通る。
つまり、この鳥はその事を言いたいのだろうか?
「その通り」
突然、マースが声を出す。
まるで、“俺が考えていたことに納得しているように“
「あなた、説明上手いわね。そうだ、それが私が言いたかったことだ」
彼女は言葉を続けてきた。
が、今の俺にそんなことはどうでもよかった。
なんで俺の考えていることがわかったのか?
目下の疑問はそれに変わったからだ。
「そりゃ私、一応この世界でも最強だし。このくらいのスキル持ってるよ」
さらりととんでもないことを言い始めたな、この鳥。
というか、もしこの世界トップだったら、ここに封印されるわけがなくないか?
そう言うとこが頭が…
「なんか言ったか?」
マースがこっちを睨みつけながらこう言ってくる。
やばい、どうにか修正しないと。
頭が、頭が、そう頭が悪いに俺に合わせてくださってるんだな。
「その通りだ」
こう考えた瞬間、一気にマースの機嫌は良くなった。
思わず『やっぱり、ちょろいな』と思ってしまった。
ただ、それはさっきと同じのように気づかれる事はなかった。
なぜ、気づかれなかったのか。
「私は気持ちが落ち着いてないと、相手が考えてることが読めなくなるんだ」
あ、そのくらいの制限はあるんだなと思う。
「まあ、他にも制限はあるけど。それはまたおいおい」
まあ、それならよかった。
さっきの事はバレないな。
「さっきのこととはなんだ?」
やばい。
そんな事を言われてしまったら、さっきの事を思い出してしまう。
俺は必死にさっきのことを忘れようとしたが、時すでに遅し。
マースの顔はどんどん赤くなっていく。
まあ、元々赤いからほぼ変わってないけど。
なんて言ってる場合じゃない。
早く謝らないと。
「ごめん」
そう大きな声で言った。
ただ、それはカンマ1秒遅かった。
すでに、マースがスキルの名前を言った後だったからだ。
たった一言、
「朱雀」
と
小説を読んでいただきありがとうございます。
初心者ゆえ誤字、脱字、変な言い回し、話の繰り返しがあると思いますがよろしくお願いします。
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