第3話 フェニックスの狙い
目を開けばそこには綺麗な星が輝いていた。
ってこの頃気を失いすぎじゃないか?
二日で三回意識が飛んでいる状況に危機感を抱く。
っと言うか、俺なんで気を失ったんだっけ?
俺は必死になんでこうなったか思い出していた。
確か、赤い鳥にいちゃもんつけられて、えーと、えーと。
そうだ、スキルを撃たれて、『コピー』で打ち返したんだ。
そしてその瞬間に意識を失ったんだな。
って言う事は、もしかして意識失った後にあの赤い鳥に襲われて今度こそ死んじゃったのか?
確かに前の林よりは天国ぽい気がするが。
そんな事を思っていたその時、横から声が聞こえてきた。
「目は覚めたか?」
その声は透き通るような高い声だった。
しかし、どこかで聞いたような?
そして隣を見た時、俺は驚いた。
なんとそこには、さっきスキルを撃ってきた赤い鳥がいたからだ。
っと言う事は俺はまだ異世界にいると言う事だろう。
少しほっとした。
ただ状況的には最悪だ。
さっきから見て、この鳥は人間のことを恨んでいる。
もしかしたら、今から俺を食べる気なのかも知れない。
そう思うと、身震いしてくる。
そんな気配を読み取ってか、その鳥は話しかけてきた。
「さっきはすまなかったな。全くもって私の勘違いだった」
とりあえず取って食おうって言う感じでは無かったことにほっとする。
「お詫びと言ってもあれなんだが、水を食料を用意した。疲れてるんだろ。食べてくれ」
その鳥が羽を差した方を見るとそこには大きな肉と水が置いてあった。
が、それよりも驚くべきものがあった。
そしてそれは、余計に俺を不安へ駆り立てたのだ。
そこには白骨化した人の頭蓋骨が置かれていた…
それによって、俺はいろいろな事を想像してしまう。
例えば、この料理には毒が入っていて、殺害した後に食べるとか。
だが、本能には逆らえなかった。
毒が入ってたら確実に死だろう。
だからと言って食べなければ飢え死にしてしまう。
俺はその食べ物にかぶりついた。
「いい食いっぷりだ」
「ファフフォ」
どうもと言ったつもりだがおそらく理解されてないだろう。
「とりあえず、話は食べてからしようか」
この一言で今の状況を思い出した。
そうだ、俺はこの鳥に聞くことがたくさんあるんだった。
まあ、とりあえず食べようと考え、大きな肉を口に放り込もうとした。
っとその時、突然腕輪が光り出した。
何かと思い、俺は腕輪のボタンを押してみる。
そこにはクエストクリアの文字が写っていた。
そうか、さっきコピースキルを使ったからクリアになったんだなと納得する。
もちろんクエストクリアのボタンを押した。
そうしたら、
《リワードとしてペーストスキルをアンロックします。》
と出てきた。
確認するとさっきまで付いてた鍵マークは消えており、おそらく使えるようになったのだろう。
と言っても、使い方はわからないのだが…
しかもペーストスキルってなんなんだ。
コピースキルは言葉の通りっていう事はわかったが、ペーストスキルって言われても何なのか分からなかった。
で、クエストは…
《チュートリアル クエスト3 ペーストスキルを使え》
うん、予想通りだなと思ってしまう。
前のクエストの場合から考えても当然だろう…
さてじゃあ、どうやってペーストスキルを使うかだな
と考えていた時、突然のその画面に白い画面が出てきた。
そこには、赤い字で
《初めてにより、さっきコピースキルでコピーした『フレイム』をペーストする事が出来ます。行いますか? Yes No 》
と書かれていた。
ふんふん、今すぐ使う事もできるのか。
せっかくだし、クエスト通りに使ってみるか。
そう考えてYesと書かれている方を押した。
そうしたら、
《警告、スペシャルスキルをペーストしようとしています。本当に行いますか?》
と出てきた。
スペシャルスキル?
言葉通りとれば、普通のスキルではないのだろう。
しかし、なぜスペシャルスキルだったら警告が出てきているのだろう?
少し考えたが、なぜそうなのか分からなかった。
ならば、即行動だ。
俺は行うの方のボタンを押した。
《了解》
そう画面に出てきた事を確認した瞬間、目の前の世界は回り始めた。
おいおい、もしかしてまた…
次に目を開いた時にはすでに太陽が上がりすっかり明るくなっていた。
おそらくまた気を失ってしまったのだろう。
にしてもなぜこんなに気を失ってしまうのか気になった。
最初は疲れ?だろうが、それ以外に関しては急に気を失ってしまっている。
「目は覚めたか?」
隣からそんな声がしてくる。
そういえばここは赤い鳥の家だった。
「あなた、“マギア切れ“しすぎ。もう少し、気をつけたほうがいいわ」
マギア??
何それ?
っと聞きたかったが、それを遮るように赤い鳥が話を続けた。
「とりあえず自己紹介するわ。話はそれからで」
確かにそっちが先だと思った。
「私はフェニックス。名前はマースと名乗っておこう。重ねて言うがさっきは悪かった。で、あなた、転生者?」
なんか今の言葉で問いが増えた気がするが…
とりあえず情報を整理しよう。
ここはフェニックスなどもいる異世界である。
そして、この世界では転生者はいると認識されているってことかな?
いきなり色んな情報が出てきて頭がパニクったが整理したことによってどうにか耐えれた。
「どうなんですか」
その声、俺は今の状況を思い出した。
そうだった、俺はこの鳥に質問されてたんだった。
「俺の名前は 水下 瑠衣。おそらく君の言う転生者と言うところだと思う」
「やっぱり。転生者なんて数百年ぶり」
「それより聞きたい事があるだけど」
「いいよ この私が答えてあげる」
「ありがとう、じゃ遠慮なく。
マギアって何?
フェニックスがなんでいるの?
この世界に転生者はいるの?
スペシャルスキルって何?
…」
「待て待て。そんなに一気に言われても答えれないわ。とりあえず一つずつ言ってくれない?」
こうして、俺はこのマースにこの世界について話を聞いていくことになったのだった。
この時の俺は知らなかった。
この鳥が何も考えていて、なんでこんなに俺に対して友好的なのか。
小説を読んでいただきありがとうございます。
初心者ゆえ誤字、脱字、変な言い回し、話の繰り返しがあると思いますがよろしくお願いします。
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