第2話 鳥との最悪の出会い方
目を開くとそこには砂漠が広がっていた
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はあ???
どういう事??
さっきまでここ林だったよね?
いやきっとこれはまだ夢なんだ。
そう思い、自分の頬をつねる。
「いたたたた」
あまりの痛さに俺は思わず声を出してしまう。
とりあえずこれは夢ではないらしい…
いやいや、それでもありえないよね?
いくら自然現象は予測できないからと言ってこんな事は絶対に起こらないよ?
いや、現在起こっているのか…
俺はこの状況に混乱してしまった。
当然だろう。
前の世界ではありえないことが今起きてるんだもん。
そうか、だからか。
ここは異世界だからこのようなことが起きてもおかしくないのか。
そう考えて強引に納得する。
と言うかこれ以外の理由ではこの現象を納得するすべは無いしな。
さあ、問題解決だ!
そして問題解決してテンションが上がっていたその時、俺はもう一つの問題を思い出してしまった。
「そうだったーー。クエスト行わないといけないんだった」
前言撤回、全く問題解決してませんでした。
「はあああああああああ」
思わずため息をつく。
テンションが一気に底へと落ちていく。
これは、そうあれだ。
『やっと夏休みの宿題が終わったー』って思ってくつろいでた時に、『そういえば読書感想文やんの忘れてた』って思い出した時みたいな感じ。
いや、これ分かるの不真面目な奴だけか。
真面目な奴は夏休みの宿題がすべて終わったの確認してから夏休み楽しんでるもんな…
ってそんなこと今はどうでもいい。
今大事なことは、この問題をどう解決いしたら良いかだ。
とりあえず、スキルを打ってくれるような奴と出会わなければならない。
「よっしゃ。探検するぞーー」
そして俺は立ち上がる。
ふと後ろを見ると、そこには枯れ果てた枯れ木が立っていた。
さっきまで緑が生い茂っていた木とは思えないくらいの大変貌であった。
とりあえず、この木に別れを告げて、歩き回ろうとしたその時、俺は再び大変重要な事を忘れていたことに気づいた。
「水と食べ物ねえじゃん」
言うまでもなく、これらがなければ人間は生きていけない。
それに気づいた途端、さっきまで寝ていて動いていなかったのに、お腹が減ってきたのだ。
「くっそー。やる気がでねえー」
これが一難去ってまた一難ってやつか。
いや、もはや一難どころで済むところでは無かった。
やっと体が動けるようになったのに、今度はエネルギー不足で動けなくなるとは、自分の運の悪さにつくづく呆れてしまう…
しかも、その上、ここは砂漠だ。
水と食料を見つけることすら難易度の高いことだろう。
ああ、せっかく異世界に転生できたのに、ここでのたれ死ぬのか…
そう思い俺は絶望した。
その時、目に何かが接近して来るのが見えた。
それはもしかしたら、俺を助けてくれるかも知れない、そんな儚い希望を持たしてくれたのである。
俺はそれに向かって大声で叫ぶ。
「おーい。おーい」
その影は進路を変えることなく、こっちの方へ向かってきた。
よかった、助かるかもっと思ったその時、俺はあることに気づいた。
「あれ、鳥じゃね?」
そうだった。
こっちの方に向かって来る影は大きな鳥だったのだ。
その鳥はだんだん近づいてくる。
それにつれて周りの温度もどんどん熱くなっていく気がした。
そんなことあるかと思われるだろうが、そう感じたのだ。
これがなぜかわかったのはこのすぐ後だった。
そして、その鳥が目の前に来た時、俺はその鳥に見惚れてしまった。
なぜならその鳥は、真っ赤であり、その姿はどこかの神話からでてきた鳥の神ではないかと思うくらい、神秘的であったからだった。
そして、その鳥に助けを求めようとしたその時、その鳥の方から話しかけてきたのだ。
「またきたな、人間どもめ。いい加減にしろ」
「いや、あの助けてもらいたくて」
「そんなうそつくな。また私の事を狩りにきたんだろ。残念だったな。返り討ちにしてやる」
はい、全く話が通じませんでした…
それどころか、なんか殺されそうなんですけど…
というか声も神秘的だな。雌なのかな?
ってそんなこと言ってる場合じゃない。
どうにかして説得しないと。
「本当に困ってるんですって」
「見苦しいぞ。どうせお前の魂胆はわかってるんだ」
あっ、これはダメだ。
全く話が通じない。
とりあえず、やばそうなので俺は逃走を試みようとした。
「逃すか」
そして走って逃げようとしたが、無駄だった。
その鳥の速さは化け物級であってとても逃げられる速さじゃ無かった。
そして、その鳥に先回られる。
「さあもうこれで終わりだ。ほっほっほっほ」
このどうしようもない状況に追い詰めた、鳥は高笑いし始める。
そのすきに逃げ道を探すが、残念ながら見つからなかった。
ああ、俺はこんな怪物にやられて死ぬんだな。
そう思って、2度目の人生に覚悟をつけたその時、その鳥はスキルを打ってきた。
「スキル フレイム」
その甲高い声と共に放たれたスキルは恐ろしいものだった。
その鳥の方から大きな炎の塊が出てきた。
大きく燃え上がっており、少し離れているのに熱も感じる。
おそらく少しでも触れたら即死だろう。
はっきり言って、絶望的状況だ。
そして、ついにその塊が襲い掛かろうとしてきた。
まだ、死にたくない。
死んだらさっきみたいに後悔する。
しかし逃げる事はできない。
どうしようと考える。
タイムリミットは刻一刻と迫ってきている。
その時、俺はスキルの説明について思い出した。
『スキル コピーは相手のスキルをコピーすることができる』
もしかしたら、この場合でもこのスキル使えるのではないか、そんな小さな希望を得た。
すでに、余裕は無かった。
俺は腕輪がついてる方を相手に向けて
「スキル コピー」
と言い放った。
と同時に腕の先から同じような炎の塊が出て来る。
しかしそれは相手が撃ってきたものとは比べ物にならないくらい大規模のものだった。
そしてお互いのスキルがぶつかる。
さあ、どっちが勝つかと普通は緊迫した状況なのだが、その勝負はあっけなかった。
なぜなら、俺の打ったスキルが秒で相手のスキルを破ったからである。
ほっとした瞬間、目の前の世界が回った。
いや、俺自身が倒れたのだ。
敵が前にいるのに。
どうにか、持ち堪えようとしたが、体はぴくりとも動かなかった。
そして、そこで意識は途切れてしまったのだった。
小説を読んでいただきありがとうございます。
初心者ゆえ誤字、脱字、変な言い回し、話の繰り返しがあると思いますがよろしくお願いします。
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