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女の嘘 その5

「性別をね。ねえ、貴族のお嬢様?」


そう、シュリがジャンに向かって言い放つ。

…いやいや待て待て。

こんなにイケメンな人が女性なわけ…

それにジャン自身、自分のこと長男だって言ってたような…

うーん、けどねとちらりとシュリのほうを見る。

そこには険しい顔をしてジャンと対峙しているシュリがいた。

どうも、嘘をついてたり、冗談を言ってる顔には見えないんだよな~


「どうしてそんなことを言うのかな?別に僕が女性だっていう証拠があるのかい?」



「まだ、しらを切るんですね…」


そう言いあう二人。

このままだとヒートアップしそうだったので、俺は間に割って入る。


「落ち着いて二人とも、お互い冷静に話そう、ね」


「私はいたって冷静ですよ。ただ、マスターが気づいていなさそうっだったし、もしかしたら私たちをだましに来た可能性だってあるのですから」


いや、まあ確かに警戒して損はないけどさ。

たとえシュリの言ってることが本当だったとして、別に女性が男性のふりをして俺らに近づいてきてメリットあるかって言うと…なさそうだけど。


「甘いですよ、マスター、この世は弱肉強食、疑わしきは罰せよです」


いや、まあ確かにそりゃそうだけど。

ていうかその言葉の使い方普通、逆じゃない?

明らかやっていても証拠がなければ『疑わしきは罰せず』の精神で無罪になる…え、こういう使い方で会ってるよね?


「一度黙ってください、マスター」


いやずっと黙ってるよ、一言もしゃべってないよ?

ただ考えてるだけだって。

その時、シュリがコホンと咳払いをした。

やべ、と思いさっきのことはとりあえず深く考えないようにしようと思った。

それで満足したのか、シュリがジャンに向かって口を開いた。


「考えたら簡単なことです。最初の時の悲鳴、あれは女性しか出せないくらい高い声でした。しかし、私はこんなとこに女性はいないはずだと思い、私は魔物が人間をだまそうとしてるものだと思いました。しかし、実際は違いました。そこにはあなたがいた」


確かにと俺はあの時のことを思い出す。

俺もあの時、少女の叫び声だと思った。

が、実際にいたのはジャンだった。

けど、それだけで決めつけるのは…


「まだまだありますよ、次にあなたはケーキ好きで料理得意ときた。少なくとも私が知る限りケーキ好きの料理得意の男性なんて聞いたこともありません」


いや、シュリさん。

それは差別だよ。

罰にそんな人いっぱいいると思うよ。

それで女性と決めつけるのは今の世の中いけないと思うのだが…


「それにあなたが自己紹介したとき、嘘をついてたのがスキルで分かりました。そのうえ、ジャンという名前は300年前、歴史上唯一女性の英雄として名をはせたジャンヌ様からとっているのではないですか?」


お、やっとまともなものが出てきたと思う。

確かにこれなら疑ってもおかしくないだろう。


「そして最後に、何かマスターに接近するいやな気配を感じました」


いや、結局最後は自分の勘じゃねえか。


「なので、透視スキルで確かめさせてもらいました…結果はやはりあなたは女性であった。これで証拠は十分でないでしょうか」


そうシュリが言い切る。

そういえば前、シュリは透視スキル持ってるっていってたような…

それで確かめたなら…事実だろう。

だから何?ってなりそうだが。


「いや、大問題ですよ。私のマスターに近づく泥棒猫なんて排除するにきまってるじゃないですか」


おーい、いつ俺がシュリのものになったんだ。


「とりあえず、すべて吐いてください。その理由によっちゃあ…わかりますよね」


そうシュリが凄みをもってジャンと対峙している。

だが、それに対しジャンは静かにシュリに睨み返している。

と思ってたが、急に彼は口を開いた。


「まさか、こんなところにこんな曲者がいたなんてな…。すまないが死んでもらう」


そう言った瞬間、彼、いや彼女は消えた。

いや、消えたのではない。

さっきみたいに瞬間移動してきたのだ。

そして、シュリは背後を取られる。

やばい、やられると思い俺は思わず叫んでしまう。


「シュリ!」


が、その声はジャンによるスキル発動のせいで遮られる。


「スキル デビリス」


そして、その言葉と同時に巨大な岩や泥が落ちてくる。

当たれば大けがは間違いないだろう。

はっきり言って絶体絶命の状況だ。

が、シュリは微動だにしない。

ただ、目をつぶって突っ立てるだけだ。

俺は慌ててシュリのほうに対して叫ぶ。


「シュリ、逃げろーーーー」


が、彼女は動かなかった。

ただそこにじっといただけだ。


「すまない」


そんなことを言いながらジャンは立て続けに次のスキルを放った。


「スキル 空間属性変換」


そういった瞬間、シュリの向いているほうに土の壁ができる。

それはシュリの逃げ道を防ぐのには十分なものだった。

そうして、逃げ道も失った彼女は冷静にこう言い放った。


「やはり、人間は愚かですね」


そうつぶやいただけであった。

そうして彼女に大岩が当たろうとした瞬間、それは急に進路を変えた。

そう、彼女には当たらなかったのだ。

”まるで彼女の前に見えない壁があるみたいにだ。”

そのあとの土砂もすべてはじかれていった。

そう、彼女はそこに立ち続けていた。

何もせずに、無傷のまま。


「馬鹿な、僕のデビリスがはじかれただと…」


そういって驚くジャン。

まあ、自分で神とか言ってるシュリだしね。

普通は勝てないよ…

それよりジャンのことだ。

とりあえず、動きを封じるため俺もスキルを放つ。


「スキル フレイム」


おそらく、フレイムが当たったくらいでは死なないだろうと思って俺はスキルを打つ。

が、それは甘かった。


「スキル 空間属性変換」


そして、彼の目の前に水の盾ができる。

そうして、俺のスキルは軽くいなされてしまった。

やばい、追撃が来るかと思い俺は迎撃態勢を整える。

が、反撃が飛んでくることはなかった。

それはなぜか、水の盾がすべて消えた時に分かった。

そこには、ジャンに刃を突き立てるシュリの姿があった。

小説を読んでいただきありがとうございます。


初心者ゆえ誤字、脱字、変な言い回し、話の繰り返しがあると思いますがよろしくお願いします。


面白い、続きを読みたいなど思った方は↓の☆に評価を入れてくれると作者の励みになります。


どうかよろしくお願いします。

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