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第14話 優しさからくる涙 〜あの日の誓い〜


「嘘だろーーーーー」


俺はシュリから絶望的なこと聞かされて絶叫してた。

いやだって仕方が無いでしょ。

せっかくこの砂漠からおさらばだと思ってたのに。

やっと高火力のスキル打てるようになったのに。

みんなが同時に打てるようにする根本的なスキルが無かったなんて。


「シュリ、そこはしっかりしといてよー」


「申し訳ございません。マスター」


絶対、思ってもないこと言ってるよね。

多分シュリにとってはここにいても変わらないんだしね。


「いえ、私もここから出たいと思ってますよ」


へえー、そうなんだ。

言葉の割に行動が伴って無いけどね~。


「いや、私だってここにいるの退屈なんですよ。けどですね、もしここを出ても、私を封印した奴と出会うのが…怖いのです」


「へー、じゃあ一生ここに封印されたままでいいんだ~」


「そういうわけではありません。ただ…」


「ただ何?」


「マスターはあいつのことを知らないからそんなこと言えるのです!」


なるほど、確かにシュリが言ってることも一理ある。

俺はシュリを封印した奴の強さなんてしらない。


「でしょ、だから私の気持ちなんて分からないんじゃないですか」


「けど、俺は一つだけお前の気持ちが分かってる」


「嘘だ」


「いや、分かるさ。今までの行動を見てたらな」


「じゃあ、言ってみなさいよ」


「お前は俺にかたきを討ってほしい、違うか?」


言ってしまえば、おかしな話だ。

こいつにとって敵対者である俺を助け、食べ物まで与え、配下にまでなり、特訓も手伝ってくれる。

はっきり言ってこれを善意でやってるとしたら、どれほどのお人好しだろうか。

事実、こいつは俺のことを試した時以外、俺の事を傷つけたことは無かった。

むしろ、俺がピンチの時は助けてくれた。

ただそれが俺に対して本当に善意でやってる事なのだろうか?

俺はそう思わなかった、いや思えなかった。

俺は本当の意味で信頼できなかったのだ。

それは、俺の前の人生の経験からかもしれない。

いや、ただ単なる俺の癖だろう。

まあ、今はどっちでもいい。

だから、俺はさっきシュリが言ったことで納得が言った。

どうやら俺は強いらしい。

つまりシュリは俺を(かたき)を討つために必要だど判断した。

だから、助けて、戦い方を教えてくれた。

ただ、それは(かたき)を打つためだけ、あまり言いたく無いが、道具として俺を助けたのではないか?


「そんなわけ無いじゃないですか。だったらなぜ、私はマスターの配下になったのですか。もし助けてほしいだけなら、協力してほしいだけならそんな契約結ぶわけ無いじゃないですか」


シュリは俺に必死に言ってきた。

まあ、確かにその通りではある

が、すまないが、どこかにそれを信じれない自分がいた。


「確かに、最初はただ私を封印を解いてほしい、そう思っていました。しかし、マスターは敵対した私を許し、貴重な回復薬を与えてくださいました。私はそんな優しいマスターだから契約を結んだです」


俺が…優しい?

そんなわけ無い。

むしろ、お前の方が優しいじゃないか。

なにか考えが合ったとしても俺を助けてくれた。

そして、飯まで与えてくれて、毒からも、火傷からも助けてくれた。

そして、おそらく今、封印を解かしたくないのは…俺が出て行って死ぬのがいやだからだろう?

これでどこが優しくない?


「じゃあ、なぜ、私を置いていくと言うことをしなかったのですか?マスターだけなら特訓とかする必要なく、封印をとこうとなんかしなくても、すぐ出て行けたでしょう」


それは…


「私を助けたいと思ったからでしょう。そう言う、自分の気もちを隠すのやめてください」


シュリは俺の目をまっすぐ見ながら、涙を流しはじめた。

俺は何がしたいんだ?

確かに、本当ならシュリを置いていけばよかった。

多分シュリは俺が出ていくと言っていれば止めはするだろうが最終的には許してくれてただろう。

けど俺はシュリを見捨てれなかった。

何でだろう?

多分、昔の俺と一緒だったからかな。

周りには誰一人いなくて、ただ一人でひたすら時間が過ぎるのを待つ。

近づいてくるやつは馬鹿にしてくるいじめっ子か、みんなと仲良くなりたいとか言ってくる優しい物好きだけ。

周りに味方なんていない。

ただずっと一人で過ごすだけのそんな悲しい時間。

それが昔の俺。

それが彼女、シュリと重なった。

もちろんこれは俺のエゴだ。

ただそれでも、俺はシュリを見捨てたくなかった。

ただそれだけだ。

そう、助けたいとかじゃない。

俺が勝手に封印を解かせたいだけだ。


「俺は気持ちなんか隠してない。ただ俺がしたいことをしてるだけだ」


「嘘だ。なぜマスターは、マスターはなぜ自分を悪く言うんですか?自分を下げるんですか?」


それは…


「いいですか、私はマスターの事を愛してます。だから、あなたがそんなに悪く言われているのが許せないのです。たとえ、それがマスター自身だとしても」


俺はハッとした。

この人は俺の事を好きでいてくれる。

俺の事を真っ直ぐ見てくれている

そうだ、だからシュリは俺が俺自身を悪く言う事を止めさせようとしてくれている。

そうだ、ここは異世界だ。

前の世界みたいに自分の事を下げなくていいんだ。

俺は俺に自信持っていいんだ。


「そうです、マスター。自分に自信を持ってください」


シュリはそう言って励ましてくる。

俺はそれがただただ嬉しい。

俺の目から涙が出てくる。

俺が…泣いてるのか?

あの日もう泣かないと誓った俺が?

孤独でも、いじめっ子からに何言われても耐えたこの俺が?

涙を止めようとしても無駄だった。

ただただ流れてくる。

それが優しさからくる涙だからだろうか?


「今日はただ泣いてください、マスター」


そんなシュリの言葉に甘え、その日の俺は一晩中泣きじゃくった。

涙が枯れるまで泣いた。

こうして色んな事が起きた一日は過ぎていったのだった。


小説を読んでいただきありがとうございます。

初心者ゆえ誤字、脱字、変な言い回し、話の繰り返しがあると思いますがよろしくお願いします。


また、面白い、続きを読みたいなど思った方は↓の☆に評価を入れてくれると作者の励みになります。


どうかよろしくお願いします

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