第11話 そうだ、砂漠から出ていこう ~影分身~
さて、どうにか飯にはありつけたわけだが…
今回の事を踏まえてよーく分かったことがあった。
それは…この砂漠不便すぎる。
昼は暑いし、夜は寒いし…
おまけに食料はまともな物ないし…
そう、つまりここに長く滞在するのは自殺行為ってことだ。
じゃあどうすべきか。
そうだ、砂漠から出て行けばいいんだ。
「えー。私が暮らして行けてるんで、マスターだって行けますよー」
シュリはそんなこと言ってくるが…
もちろん無視だ。
やっぱり、せっかく異世界に来たのだし、冒険したいって言う気持ちが出てきて当然だと思う。
と言うことで
「シュリ、町ってどっち側にあるんだ?」
「そんなこと知らないですよ」
そうだった。こいつ馬鹿だった。
「マースーター?今何考えましたか?」
やっぱり怖い。
「大体400年くらいここに封印されてるのになんで私が知ってると思ったんですか?マスターの方こそ馬鹿じゃ無いですか」
そう言われてみれば確かにそうだな…
ってさらって暴言吐かれた?
少しイラッとしたが、構わないのが大人ってもんな。
「マスターの方が子供じゃないですか」
ぐ、それは…
事実を言われたら反論できない…
と、と、とりあえず今はどっちが町かって言う事が大事なんだ。
まあ、どっちに行けば分からなかったけど…
完全に手詰まりだ。
さてどうしたものか…
そんなとき、シュリが指をこっちに向けてきた。
っていきなり何?
また、何かする気か?
それとも俺のことからかうつもりか?
「そんなわけ無いじゃないですか。こっち側は大きな滝の方だっていうこと言いたかっただけですよ」
おい、先にそれを言え。
じゃあ、おそらくその反対側に行けばいいんじゃねえか。
「確かに、気づきませんでした」
だから馬・。
「マスター?」
やばい、これ以上はやばい。
「とりあえず、シュリ。じゃあこっち側に歩いて行かない?多分町あるだろうし。」
「あのー、マスター。忘れていらっしゃりますが私、このエリアに封印されてるここから出られないのですが?」
そうだったー。
さてどうした物か。
シュリがここから出られない。
けど俺はここに長く居たくないしな…
いっそシュリをここに置いてくって言う案は。
「マスター、置いていかないでください」
顔をうつむけながら、そんなこと言ってくる。
やべー女子泣かしちゃった。
どうしよう。
とりあえず慰めてみるか。
「分かった、分かった。シュリのこと置いてかないから」
「ほんと、約束だからね」
そういった瞬間、明るい声でこう言ってきた。
おいおい、さっきまで泣いてなかった?
もしかしてさっきの嘘泣き?
「そんなことないし」
はい、確定。
まーた引っかかっちゃった…
次から気をつけないと。
「と言っても、俺はこの砂漠から出たいしな…」
「それでは、私の封印解いていただけないですか?」
いやいや、その封印、魔王?によって張られた封印じゃなかったですかね?
そんなん解けるわけ無いじゃないですか?
「いや、案外簡単に解けると思いますよ」
簡単に言ってくれるね。
まあ、けど解けたらシュリと一緒に動けるし…
いいことずくめではあるが…
「でしょ。じゃあ封印解いてください」
いや、解けたらの話だよ。
と言うかそもそもどうやって封印解くか知らないし。
「いや、簡単ですよ。高火力のスキルを打ち込むだけです」
いや、君、この世界でもトップレベルに強いだよね。
そんな君に高火力で勝てるわけ無いですよね?
「いえ、マスターとだったら封印解けると思います」
え、なんで?
あ、もしかして転生時お約束のチート的なスキルをもってるとか?
んで、まで俺がそれを自覚してなかっただけとか~
まあ、確かにそうじゃないとシュリが俺の配下になるわけ無いよな~。
「そんなわけ無いじゃないですか。大体、私がマスターの配下になったのはマスターの心意気に感動しただけであって、他意はないです…よ」
あ、違った…
やっぱり、俺の憧れのチートスキルなんて無いのか。
いやいやまだ諦めるのはまだ早い。
もしかしたらマギアの量が人と違ってバグってるとか。
「いや、あのそういう意味じゃなくですね。実は封印解くには最低複数人必要なんですよ。説明しますね」
シュリはこう言って説明してくる。
「あのですね、封印を解くには三カ所の核を同時に攻撃しなければいけないですよ」
詳しく話を聞くとこう言う事であった。
封印は三カ所、三角形で行われており、その頂点にある木を同時に燃やしたらok。
「私はいくら頑張っても一つが限界。けど、もしマスターが同時に二つ一気に木を燃やすことが出来たらおそらく封印は解けるようになると思う」
いやいや、二つ一気に燃やすことなんて…
結構距離あるんじゃないかな。
「うん、片道10分はかかりますね」
いや無理だね~。
瞬間移動じゃあるまいし。
そんなこと出来るわけ無いですよね~。
「それが出来ると思うですよね~、マスター」
無茶すぎる。
俺が二人以内と無理だわ。
「それです」
へ、どういうこと?
「マスターってコピースキル使えるんですよね。じゃあ、自分にコピースキルかければ二人に増えるんじゃ」
確かに、その発想無かったな。
俺はやってみる。
「スキル コピー」
そして俺の頭の中で自分をイメージして見る。
「スキル、ペースト」
その瞬間、俺の目の前に俺が現れた。
…ほんとにできちゃった。
「うそ、本当に出来るなんて…」
いや、あんたも出来ると思ってなかったのかよ。
《スペシャルスキル 影分身を獲得しました。》
うん、なんか別のスキルまでゲットしちゃった。
「「うんで、どうすんの」」
同時に聞いてしまった。
おそらくこいつは本当に『俺』なのだろう。
考えてること、記憶とかも一緒と考えていいだろう。
「と言ってもあなたたち高火力のスキルをまだ打てないでしょ」
おっしゃるとおりである。
「じゃあ、次はスキルの特訓ね」
「「えーーー」」
こうして、俺らの特訓が始まった。
小説を読んでいただきありがとうございます。
初心者ゆえ誤字、脱字、変な言い回し、話の繰り返しがあると思いますがよろしくお願いします。
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