第8話 召喚状
暖かな日差しが、部屋の窓から差し込み、ハクトのトコトコと走り回る音で、目が覚めると、廊下の方から足音が近づいて来ると。
⦅コンコンコン⦆っとドアをノックする音が、聞こえる。
「はい、何か?」
っとレオンは、ベッドの上で伸びをしながら、ノックに答える。
「おはようございます。アルでございます。」
ドア越しに、アルが答える。
「アル、おはよう!入ってくれ。」
レオンは、パジャマから部屋着に着替えながら、アルに話しかけた。
⦅ガチャ⦆っとドアが開いて、アルが手紙を持って入って来た。
「アルベール様。先程冒険者ギルドの職員の方が、この手紙を持ってきました。至急読んで、神殿に赴いて下さいとの事です。」
「あぁ、ありがとうアル。」
着替えが終わると、レオンはアルの方を見ると、アルの頭の上にハクトが座っている。
アルは、ポケットからハンカチに包まれたイチゴを取り出し、ハクトに食べさせていた。
ハクトは、嬉しそうにモグモグと可愛らしく食べて、嬉しそうにしている。
レオンは、アルにジェスチャーで、イチゴをくれと合図して、アルがこっそりレオンにイチゴを1つ渡した。
レオンがイチゴを、ハクトの口に持っていくと、ハクトは目を見開き、瞬時にアルの頭から、部屋の壁に飛び、勢いをつけてレオンの頬に、後ろ足で蹴りを入れると、レオンは立ったままクルクルっと回り、ベタっと倒れ込む。
≪ブーブー≫っとハクトが吠える。
「また……この展開……か……。ガクリ」っとレオンは倒れ込む。
≪はぁ…≫っとトマスが、ため息をつく。
レオンは20分程、放置され起き上がると、ふらつきながらも出かける支度をする。
「さて、神殿に行くか!」
«御意»
«プープー»
レオンは、2人を連れて、神殿へ向かっていると、尾行されている気配を感じたが、ハクトやトマスが警戒してないところを見ると、コチラに危害を加える存在じゃないらしい。
そして、神殿に着きレオンは、その大きさにビックリする。
(うはー、異世界って感じだ〜、無駄にデカイ扉してるし、なんかこう、アニメで見る教会って感じだな。)
レオンがキョロキョロしているのが、不審に見えたのか、門番の兵が、コチラに近づいてきた。
「お前は、何をやっているのだ?何か用か?」
「あ、えーっと、あったあった、こんな手紙が来てたんだけど、何の用なのか?」
レオンは、ポケットからクシャクシャになった、手紙を取り出し門兵に渡した。
「ん?なになに……、司祭様からの召喚状じゃないか!……ちょっと待っててくれ、取り次いで来る。」
数分後、先程の門兵が、息を切らしながら、はしってきた。