第6話 ふらり散歩とギルド
日差しがカーテンの隙間から差し込み、レオンは目をうっすら開けて、再び瞼を閉じた。
«ププー!»
っと声が聞こえた瞬間に、レオンの左頬っぺに、ハクトの左後ろ足がめり込む。
レオンの体は宙に舞い、クルクルっと回転して、床に落ちる。
「ゲホゲホ」っと、レオン床に転がったまま、呻いている。
«主よ、大事無いか?»
「大事あるわ……。」
«ププ»ハクトは、首を傾げて可愛さアピールをしている。
«ハクトよ、主に死なれては、我らはまたカプセルの中に戻るのだぞ、カプセル生活の方が良いのか?»
トマスは、ハクトに注意をすると、ハクトは首をぶるぶると横に振った。
«キュアヒール。»
トマスは、レオンに回復魔法をかけると、みるみるうちに回復し、レオンはふらつきながらも立ち上がる。
「もう朝から疲れたよ。」
レオンは、顔を洗い等の支度を済ませ、部屋着から魔法剣士用の装備に着替えると、1階の朝食が用意されている部屋に向かう。
「おはようございます!」
世話役の少年が声をかけてきた。
「あぁ、おはよう。ところで、なんて名前なんだい?」
「失礼しました、昨日の内に名乗っておかないといけませんでしたね、アルベール様の世話をさせていただきます、アルと申します。」
アルは、頭を下げた。
「アルか、これからもよろしく。」
「はい、よろしくお願いします。」
話していると、いつも間にか食事用の部屋に辿り着いた。
中に入ると、大勢の宿泊者とテーブルが有り、今でいうバイキング形式だった。
レオンは、好きな料理を皿に入れ、テーブルに着くと、アルがホカホカの丸いパンを切り分けて、バスケットに並べてくれた。
パンの他に、目玉焼き・何かしらのお肉のウインナー・生野菜の盛り合わせのサラダ・ほうれん草のキッシュ・鯖の塩焼きみたいな物食べて、飲み物は紅茶を入れてくれた。
朝からお腹いっぱいになり、アルにお礼を言って、部屋へ戻る。
«主よ、今日は何をするのだ?»
「今日は、冒険者ギルドに行こうと思ってる。」
«では、早速行くとするか?主よ。»
ハクトは、トマスの肩にヒョイっと乗り、出掛ける準備を終えた。
レオン・トマス・ハクトは、表通りの大きな道に出ると、街の中心部の丘に、貿易館と呼ばれる立派な建物が見える。
貿易館は、この街の行政を司る建物であり、この街では、1番警備が厳重だ。
ベッショの街は、碁盤の目の都市で有り、平安京の様に、四角形の形をしていて、その中心に丘に貿易館が有り、街の何処からでも見える。。
東西南北と入口が有り、北東には貿易港が有り、水門が備えられている。
レオン達は、冒険者ギルドを探しながら、街見物も兼ねて歩き回る。
しばらく歩いていると、職人通りと書いている通りを見つけた。
鍛冶屋・魔法屋・甲冑屋・盾屋・雑貨屋・魔物の皮や骨等をを買取る魔物屋・靴屋・服屋・帽子屋・木工屋・錬金屋・馬屋・馬車屋・野営装備屋と、色々な店が有る通りに、冒険者ギルドを見つけた。
大きな都市だからか、ベッショの街には、冒険者ギルドが北と南と2つ有る。
レオン達が見つけたのは、冒険者サウスギルドと、看板が付いている。
しかも、かなりの大きな建物だ、5階建てで敷地も広く、練習場や解体場等も有る。
(うーん、ちょっとデカくて、緊張するなぁ〜)
«主よ、ビビっているのか?»
「いや、ビビってねぇし。」
っと言いながら、レオンはドアを開け、中に入ると.........、さすが建物が大きい&街が大きいからだろう、うじゃうじゃと屈強な冒険者達が、椅子に座ってワァワァーと仲間内で話ている。
レオンは、誰ひとりとも目を合わさずに、受付まで行き受付嬢に、話しかける。
「すみません。ホームをココに替えたいのですが…。」
レオンは、ギルドカードを渡す。
「はい、えーっとアルベール様ですね…ホームの切り替えですね。」
受付嬢は、新しいカードに今までのカードの情報を書き写し、新しいカードをレオンに、渡した。
「えーっと、代筆料とカード再発行で、中銀貨3枚ですね。」
「あ、はい。どうぞ」
お金をレオンは支払う。
(あれ?どうして代筆が必要って知ってるのかな?もしかしたらカードに書かれてるのかな?)
「はい、丁度頂きます。.........ところで、PTメンバー等はいらっしゃらない感じでしょうか?」
「えぇ。」
「こちらで、PTメンバーを探す事も出来ますが?」
「いえ、お構いなく。」
「そうですか?.........分かりました。では、ホーム変更のお手続き終わりました。」
「気を使って頂きありがとうございます。ありがとうございました。」
レオンは、受付から離れ、依頼の掲示板を眺めていると、
1人の女性から話しかけられた。
「すみません!少しお話良いですか?」