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第5話 サモンガチャ2回目。白いイナズマ

日が昇り、辺りが段々と騒がしくなり、皆が起き出した感じがする。

色んな良い匂いがし始めた、何十人もが朝食を作っている様だった。


列の中には、朝食を売り出している商人もいた。


(良い香りだな、ちょっと見てくるか。)

ワゴンから降り、御者台を見るとトマスが座っていた。

「トマス、ちょっと見てくるから、留守をヨロシク!」


≪承知した。≫

トマスは、親指を立ててレオンに見せた、レオンも親指を立ててニヤっと笑う。


レオンは、列の先頭側に歩いて行くと、雑炊の様な物や干し魚を炙った物を売っている、即席の露店が数店並んでいた。


レオンは、雑炊っぽい物と燻製の猪肉と果実水等を購入し、自分の荷馬車のワゴンに持って帰り、トマスと談笑しながら、食事をする。


しばらくすると、門が低い音をたて開くと、順番に検査が始まった。


日が真上に来る頃、レオンはベッショの町に入る事が出来た。


荷馬車のまま門を潜ると、また頭の中で文字が浮かび、アナウンスが流れる。

【ホームになりうる町に到着。・囲郭都市に到着。】

【サモンガチャ使用権利を1回獲得した。】


「お!またガチャきた!…やったー!」


≪主よ、今はとりあえず、荷馬車を預けれる宿を探すのが先決!≫

「あぁ、そうだな。ちょっとテンションが上がってしまった。」

レオンは、大通りを進み宿屋を探す。


≪主……字が読めているのか?≫

トマスは、右手を高く上に突き上げていて、その上に自分の頭を乗せている。


「いや、読めないんだよなぁ~」

≪でしょうな!もう2軒程通り過ぎておるぞ。≫

「え?早く言えよ。」

≪ふぅ…ほら、そこにも有りますぞ!≫

「お!そこに行こう。」

荷馬車を宿屋の前に着けると、中から少年が出て来て、レオン達に頭を下げる。


「いらっしゃいませ!宿屋・杉乃井屋をご利用ありがとうございます。荷馬車をお預かりします。」


レオンは、少年から札を受け取り、一度ワゴン内に行き、荷物を全て収納ストレージに入れて、荷馬車から降りる。


「お荷物は………、あれ?……収納ストレージをお持ちなのですね?受付は右手にございます。」

少年は荷馬車を操り、宿屋の裏の大きな馬車置き場に運んだ。


レオンとトマスは、宿屋に入り右手の受付に行くと、2人の受付嬢がいた。

(お?もしかして?ココって、俺レベルが泊まる所じゃないのでは?)

よく見ると内装も凄く豪華で、客層も普通より金持ちっぽい気がする。


「いらっしゃいませ!杉乃井屋へ、ようこそお越しくださいました。」

受付嬢から、宿泊者記入名簿っと書かれた紙を渡された。


「後ろのテーブルで、ご記入下さいませ。」

受付嬢は、テーブルの方を手を差し出して、説明した。


レオンは、テーブルに移動して、どうするか悩んでいると。


≪主よ、我が主の手を持ち、文字を記入すれば良いのでは?≫


「いいね~!それでいこう。」

っと小声で話、トマスに記入を手伝ってもらう。


色んな部屋のランクがあるが、お値段はそこまで高くない。

レオンは、中位のランクを選び、名簿を全て記入して受付嬢に渡す。


「ありがとうございます。レオン・アルベール様……7日のご滞在ですね?では、お部屋にご案内します。」

受付嬢が、頭を下げると先程の少年が現れた。


「こちらへどうぞ。」っと部屋まで案内してもらい、中銀貨をチップとして渡すと、満面の笑みを浮かべて、深くお礼をして戻って行った。


「さて、とりあえずガチャを回してみるかな?」

≪何が出るか楽しみですな≫


「あぁ、お前より良いのが出たら、暇を取らせるから!そん時はヨロ!」

≪は!我の様な高位の精霊が、そう簡単に出やしませんぜ、旦那!≫


「どうだかな!お前は一発目で出て来たからな。」

≪…………ですな。……≫


「とりあえず、引いてみるか!」


「女神様!サモン…がch」

言い終わる前に、銀色の扉が出現し、カプセルトイの本体が現れた。

レバーが周り、銀色のカプセルが飛び出してきた。

カプセルから、煙が出て来て何かが、ピョコンっと出て来た。


「う…う…うさぎしゃんだー!」

白いウサギが現れ、ピョンピョンから、シュンシュンに変わり速度を上げて、レオンに近づいて来る。


「おいで~!」

レオンは膝で立ち、態勢を低くし両手を広げると、物凄い速さで

《コキーン》っと急所を頭突きの一撃

「………あ?………でぇ?………。」

レオンは、悶絶して倒れ込み、ピクピクっとしている。


≪ブー!ブー!≫白いウサギは、レオンにむかって吠えている。


≪いや、ちょっ………そっちが主なんじゃが≫

トマスは、ウサギに教えると

≪プ?≫

ウサギは、エヘって顔をしている。


そして、1時間程時が過ぎる。


「さて、仕切り直しだ!」

レオンは先程と同じ姿勢を取り、若干引きつった笑顔で両手を広げる。


「さぁ!カモン!」

ウサギは、ピョンピョンと近寄ってきて、一瞬で加速し

《コキーン!》っと本日2度目の急所を突く。

「ぐは…………。」

パタリとレオンは倒れる。


≪お約束なのか?≫

トマスは、ウサギに聞くと。


《プー。》

っとニコっとして、トマスの鎧の左肩に乗る。


その後、意識を取り戻したレオンは、白いウサギに名前を付ける事にした。

「白いウサギ……白うさぎ……因幡の白兎……ハクト……うん!ハクトにしよう。」

≪うむ、良い名だ。≫

≪プウ!≫ハクトも喜んでいる様だが、レオンの傍には来てくれそうもない。


《コンコンコン》ノックの音がすると、少年の声がした。

「アルベール様、お食事をお持ちしました。」


「はーい、今開けます。」

部屋のドアを開けると、2段のワゴン一杯の料理が載っていた。


「失礼します。」

少年が、ワゴンからテーブルに料理を移し替えると、レオンに頭を下げ、トマスとハクトの方に向いて、頭を下げた。


「え?見えてるの?」

レオンは、ビックリした顔で少年に話しかけた。


「ええ、僕は動物のお世話をしてるので、薄っすら見えますねぇ…でも凄いです、高位の精霊を1人と1羽を従えているなんて。精霊使いの様にも見えませんし、格好は魔法剣士ですねよ?。」

少年はレオンの格好を見つつ話しかける。


「う~ん、凄いのか、まだ分からない。戦闘もみてないしな……格好だけは、魔法剣士だけどね」

(頭突きは見たけどな。)

≪プ?≫っとハクトがレオンの方を見ている。


「そうなのですか?恐らく凄まじい戦いになるんじゃないかと、思います。……では失礼します。」

少年は、ニコリとしてワゴンを下げて、廊下に出る。


「あ!チップ。」

レオンは少年に向かって、中銀貨を指で弾くと、少年は上手にキャッチした。

「ありがとうございます。何かありましたら、お声がけください。」

少年はドアを閉め、ワゴンの音が遠ざかった。


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