第1話 コレって異世界転移
静かで真っ暗な闇の中
『pirwhierhcえdk@えけkfcぱぢjbcpnonascあs、lcsdjfv』
(ん?何か聞こえる)だが睡魔が襲ってきて、目が開けれない。
『これなら、聞こえるかしら………』
「ぅ~ん」
『あ、聞こえてるみたいね、でも時間がない……あなたにスキルを授けます。その名はサモン……この状況を説明したいけど、アナタの意識が覚めてしまいそうなので、単刀直入に言います。このスキルを使って、私に会いに来てください。』
ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ
(なんだ?……葉の擦れる音が、聞こえる………。)
ザワザワ…ザワザワ…
「う~ん……」
横になっている状態で伸びをして、ゆっくりと目を開ける。
「ふぁ~」っと欠伸をする。
「はぁ~良く寝た……。」
目には、木漏れ日が差し込むと、右手をかざし光を遮る。
「ん?木漏れ日?……外?」
フワッとした風に驚き、しっかりと目を開けると、目の前には大木が有り、その下の木陰で寝ていたようだ。
「って、どうしてだ?……どこココ?」
起き上がり、キョロキョロと辺りを見渡したが、全く知らない場所だ。
「はぁ~?ほんと何処だよ!‥‥‥え~っと…まてまて……っちょっと待てよー!!………ってイケメンの真似してる場合じゃない………え~~~と?俺は、部屋で小説を書いていたはずなんだけど?……?」
辺りを見ると、小さな川と青々とした緑色の草原が広がっており、その真ん中を踏み固められた道が有った。
「ここに居てもしょうがない、とりあえず歩いてみるか?」
(太陽の沈む方にでも進んでみよう)っと思い歩いていると、後ろから荷馬車が来た。
(町か村があるか聞いてみるか)
「すみません!町か村はありますか?」
っと荷馬車に乗っているおっさんに、話しかけると
「あぁ、この先もう少し歩いたら、ムカカの町があるぞ」
っと親切に教えてくれたが、止まって乗せてくれるって訳じゃなさそうだ。
地道にテクテク歩く、少し汗をかいてきた。
「少しって、もう30分程歩いたんだが…見えてこね~~!」
大声を出して、さらに疲れた。
トボトボ歩いていると、やっと町が見え始めた。
(ん?なんかめっちゃ古風な、建物ばかりだな?西部劇みたいなっというか……RPGとかのファンタジーのゲームみたいな町だな?)
町の入り口には、軽装備っぽい鎧の門番が立っていた。
門を潜ろうとすると、普通に呼び止められた。
「オイ!そこの若いの、見ない顔だな?」
「こんにちは、迷子というか?道に迷ったというか?」
(まぁ普通に止められるっと思ってたけど。)
「おぉそうなのか?…身分石は、持ってないのか?」
「身分石?って?」
「お前記憶も何処かで、落としてきたのか?……コレだよコレ。」
門番が、長方形の石で出来た物を、懐から出してみせてくれた。
(そんなのあったっけ?)
っと思いながら、改めて自分の服装を見ると、村人Aっぽい布の服を着ている事に気付いた。
(うわ、ダッサ)
と思いながら、ポケットの中を探るが、何処にもない。
「オイ、首から下がっているのは?違うのかい?」
っと門番が、教えてくれた。
首からぶら下げている物を、手繰り寄せると、長方形の石が現れた。
「あ!あった。これで良いのかな?」
「あぁ、ちょっと待ってろ。」
門番は、水晶玉みたいな物を持って来て、窪みに身分石をはめる様に言う。
身分石を嵌めると、水晶に見知らぬ文字が現れた。
「ボウズの名前は?」
っと門番が水晶を見ながら聞く
「あ、サカモト サトルです。」
「ん?お前名前まで、忘れちまったのか?……え~っと、」
「レオン・アルベールと書いてあるぞ、っで15歳か……若いね〜。」
門番は、紙の様なものに、名前と年齢を書き写していた。
「え?15って……」
(めっちゃ若いやん!マジか〜……そうだよな〜どうりで手のツヤも良いし、体も軽いし、長時間歩けたしな。)
門番のおっさんが、通行手形を発行してくれたので、
それを受け取り街へ入る
「おっさんありがとう!」
「おっさんじゃねぇ〜!お兄様だろ!」
っとニヤニヤしながら、レオンに手を振った。
町中に入ると、人も多く商店街みたいな感じで、賑わっていた、しかも!人間種では無い、猫耳姉ちゃんやわんこ耳姉ちゃんもいる!まさに、ファンタジーの世界だった。
「うほー!ファンタジーーー!」
レオンがいきなり叫んだので、周りの人はバカを見るような目で見られた。
レオンは、構わずまた叫ぶ!
「うひゃー!異世界転移キター!」
周りからは、頭が足らないのか?っという感じで、見られた!