表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

306/561

第五章 登場人物紹介(後)

《第五章 毒が咲く庭・あらすじ(後)》


シュテルンベルク邸でアントニアを撃退し、彼女の残した『毒が咲く木』も処分したレベッカ達。

従兄であるシュテルンベルク伯爵はレベッカに、グラハム博士が無実の罪で流刑にされ、研究物も全て破棄された事を教えてくれる。

『種痘』がもう手に入らない、という事にレベッカは絶望した。


それでも気力を奮い起こし今度は『光輝会』について調査を始めるレベッカ。

光輝会のメンバーの一人、エレナローゼがルートヴィッヒ王子の恋人かもしれないと聞き、王子と婚約解消できるかもと思ったレベッカは、シュテルンベルク伯爵の姉エリカに頼まれた事もあって、エレナローゼに招待されたお茶会に参加する。


『頭脳集団』と呼ばれる光輝会メンバー達は、『西大陸の叡智』と呼ばれるアーレントミュラー公爵夫人に、天才と認められているレベッカに敵意をむき出しにする。その上、お茶会の主催者エレナローゼに泥棒の濡れ衣を着せられてしまうが、文子だった頃の知識を使い、やすやすと攻撃を交わした。

激昂し、失言をしてしまったエレナローゼは反逆罪で逮捕され、光輝会メンバーや家族も一緒に捕らえられた。


責任を問われ、罰を受けるアイヒベッカー侯爵家。その後芋づる式に悪事が露見する。

アイヒベッカー家の次女、カーテローゼも終身刑の判決を受けるが、何の罪もない未成年の子供に対して罰が重すぎると、レベッカはルートヴィッヒに訴える。ルートヴィッヒは、人権派弁護士のクリューガーに相談してみるよう勧めた。


レベッカはその勧めに従い、デイム・クリューガーに会いに行く。

ルートヴィッヒの優しさに触れ、レベッカのルートヴィッヒに対する想いに変化が生じようとしていた。



《登場人物紹介》

【エレナローゼ・フォン・アイヒベッカー】

侯爵令嬢。『光輝会』の主宰の一人で、光輝会の理念そのもののような少女。美人でスタイルが良い。

ルートヴィッヒに懸想していて、ルートヴィッヒの婚約者であるレベッカに泥棒の濡れ衣を着せて間を引き裂こうとするが、頭脳で上回るレベッカに瞬殺される。レベッカ曰く、今年戦った相手の中で最弱の敵だった。との事。


レベッカに悪事を暴かれると逆ギレし、反逆罪に相当するセリフを叫んでしまったので、ルートヴィッヒの護衛騎士に逮捕される。その後、貴人専用の監獄である『クレマチスの塔』に収監され、裁判で終身刑の判決を受けた。

更に一族の悪事が次々に明るみに出て、両親が死刑判決を受けた為貴族籍を失ってしまう。なので、クレマチスの塔を出て、極悪な環境の一般囚人用の監獄に移される事となった。



【カーテローゼ・フォン・アイヒベッカー】

エレナローゼの妹だが、本当は従姉妹。アイヒベッカー侯爵の妹が、暴漢に襲われて出来た子供なので、侯爵の母親の命令で侯爵夫婦の子供という事にされる。

幼少期は祖母に育てられ、普通に教育を受け普通に暮らしていた。祖母が死んだ後は、侯爵の従兄弟アロイスの家族に引き取られ、愛情を注がれて暮らした。しかしアロイスの妹が結核にかかり、無理矢理カーテローゼは侯爵邸に連れ戻される。だが、それは娘としてではなく、下働きをさせる事が目的での事だった。

侯爵邸で、厳しい肉体労働をさせられるカーテローゼだったが、エレナローゼが逮捕された時に一緒に捕らえられ、クレマチスの塔に幽閉される。死刑にされるのではと、怯えるカーテローゼだったが、下った判決は終身刑だった。


しかし、何の罪も無いカーテローゼに終身刑は重すぎると、アロイスやレベッカ、デイム・クリューガーが訴えてカーテローゼには恩赦が出た。その後は、アロイスの館で養蜂をしながら穏やかに暮らす。


天然痘が流行すると、デイム・クリューガーと一緒に貧しい人々に無料でパンを配る活動をして、たくさんの人達を救った。



《ダーヴィッド》

伯爵の孫で、光輝会メンバーの一人。レベッカに積極的に嫌味を言った人。

エレナローゼが逮捕された時一緒に逮捕された。後の裁判で無罪になったが、廃嫡され無一文で家を追い出された。



《シルヴィオ》

子爵家の息子。光輝会メンバーの一人。レベッカに積極的に嫌味を言った人。

エレナローゼが逮捕された時、逃走しようとしたが結局捕まった。後の裁判で無罪になったが、修道院より規律が厳しいという外国の学校の寄宿舎に、家族によって追いやられてしまう。



《アデリナ》

キルフディーツ伯爵家の令嬢。光輝会のメンバーの一人。レベッカにものすごく意地悪を言った人。

コンラートの見合い相手だったが、逮捕されたせいで無かった事になった。後の裁判で無罪になったが、ものすごく事故物件な、平民のおっさんと結婚する羽目になってしまった。


後に西大陸に天然痘が入って来た時、一番最初にキルフディーツ領で天然痘が流行する。

その際、領主である伯爵夫婦は病人を見殺しにして王都に逃走してしまい、更に蜂蜜の密輸をしていた事までバレて、国王の怒りを買い、キルフディーツ領は取り潰しになった。



《アイヒベッカー侯爵夫人》

エレナローゼの母親。残酷な性格で、自分達に逆らった平民を、残酷な私刑にかけて殺したりしていた。一族の娘が重い病気になり、薬代を貸して欲しいと頼まれた時も、ドレスを買うのを我慢したくないから嫌。とほざくような酷薄な人間だった。

夫が侯爵でなくなった途端、前非の数々を暴かれて死刑判決を受けた。



《アイヒベッカー侯爵》

エレナローゼの父親で、カーテローゼの伯父。小心で卑劣な性格。妻のしていた悪事を知っていたが、見て見ぬふりをしていた為、妻が死刑判決を受けた時、連座になった。



《アロイス・フォン・アイヒベッカー》

アイヒベッカー侯爵の従兄弟。教育省で役人をしている。

アイヒベッカー侯爵が、地位を追われると国王の命令で新しい侯爵になった。妹が結核で死んでしまった件で、侯爵夫婦を恨んでおり、侯爵夫婦の悪事を詳らかにして断罪した。

一時期、カーテローゼが彼の家に預けられていた事があり、カーテローゼの事を家族のように思っている。カーテローゼが連座で捕えられた時は、監獄の中にいる彼女を積極的に支援した。


王都から徒歩30分ほどの場所にリンゴ園を持っている。アイヒベッカー領は、先代の借金のカタに領地を王家に没収されたので、この小さなリンゴ園がささやかな侯爵家の領地になった。恩赦が出たカーテローゼはこのリンゴ園で暮らすようになり、養蜂をするようになった。



《トルデリーゼ・フォン・ バイルシュミット。》

20代前半の司法省の役人。子爵令嬢。レベッカが騒動に巻き込まれる度に事情聴取に来る、レベッカ担当の人。

その為、レベッカとすっかり仲良しになっている。


実はバイルシュミット領はエーレンフロイト領の隣の領地だったりする。



《イーリス・フォン・アーレントミュラー》

公爵夫人にして国立大学数学科の教授。女性で初めての教授になった。

『西大陸の叡智』と呼ばれるくらい賢い人だが、『数学者としては一万点だが、母親としては五点』とか『知性はあっても理性は無い』などと言われている。なので、息子のフィリックスはいろいろと苦労している。けれど、母親の事をフィリックスはとても尊敬している。


本当は母親の方も息子を普通に愛しているが、それを上手く表現できないでいる。



《バルバラ・フォン・クリューガー》

『デイム』の称号を持つ人権派弁護士。

気に入らない事件は、金貨を背の高さまで積まれても引き受けないが、気になる事件は手弁当でも参加する人。

かつて、夫と夫の親族に、三歳になる息子を虐待死させたという濡れ衣を着せられ死刑判決を受けた過去がある。子供を失った絶望から一度はそれを受け入れるが、支援者の支えで立ち直り、真犯人である夫を告発した。無罪になった後、弁護士の資格をとり、理不尽な罰を受けている女性を支援する活動をしている。

司法大臣とは仲が悪く、彼女が『デイム』の称号を授けられた時には、司法大臣はワイングラスを叩き壊して激怒したらしい。


アロイスの頼みで、カーテローゼの支援をした。カーテローゼが監獄から出た後もずっと友情は続いていて、天然痘が流行した時には、城壁外の待機地区で、パンを無料で配るボランティアを一緒にした。




《用語説明》

【光輝会】

最新の科学や哲学、文学などについて語り合う社交クラブ。頭脳集団を自称している。

メンバーに入れるのは、中流以上の貴族だけで選民意識がバカ高い。

しかし、本物の天才であるアーレントミュラー公爵夫人には相手にされず、ルートヴィッヒにも記憶力はいいのだろうが、何を生み出すわけではない集団と思われていた。レベッカに至っては、田舎のゲーセンでイキっているヤンキー、くらいにしか思っていなかった。


エレナローゼが逮捕された後は解散命令が出て、王城への入城禁止と、三人以上集まっての集会禁止の処分が出た。



【クレマチスの塔】

別名『鮮血の塔』。壁を覆っているクレマチスが真っ赤なのと、この塔内でたくさんの人達が非業の死を遂げた事から、そう呼ばれている。王宮内にある貴人専門の監獄。

中は、普通の邸宅風。高い壁に囲まれた屋上で散歩も出来る。

セントラルヒーティングはあるが、自傷及び煙突からの逃走を防止する為暖炉は無い。備え付けられている布団もショボい為、家族から、布団や上着の差し入れが無ければ冬には凍死する可能性が高い。

食事も貧相なうえ、すごくまずいので、家族から食事の差し入れが無ければ、以下略・・。


一周目では、王妃と第一王子はルートヴィッヒによってここに入れられ、王妃は凍死、第一王子は餓死してしまった。


それでも平民が入る一般牢よりはるかにマシで、普通の監獄の状況は筆舌に尽くせないほどひどい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ