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6、サリナの話②

通行の邪魔にならないように橋から出て、少しの間魔法の訓練をした。

サリナも家が無い様なので、拠点を紹介した。


「只今戻りました。」

「疲れた~。」

「おっ、今帰・・・って、その子誰だよ!?」


アレクはメディアとマイ、そしてサリナをみて驚いていた。


「彼女は竜魔族のサリナさん。私達の魔法の師匠として勇者パーティーにお迎えしました。」

「紹介に預かりました、私はサリナ。メディアとマイの魔法の師匠として見ていくつもりよ。」

「ていうか、また上位種かよ・・・メディア、お前の運はどうなっているんだ??」


サリナの紹介を受けてアレクは目を点にしている。


「上位種?私以外にもいるの?」


サリナも当然気になるわけで、メディアはさっそくタマエを紹介した。


「こんにちは、私はタマエだよ。メディアとマイの魔法の師匠なんだね、凄いなぁ。」

「え、えぇ。タマエさんは・・・ネコ玉族なの?」

「そうだよ。でも、みんなとは仲間で友達なんだ♪」

「そ、そうなんだ・・・」


サリナはメディア達をチラチラと見ている。


「タマエさんは・・・特に使役されている様子も無いし、あなた達は一体何者なの?」

「ん?俺達は勇者パーティーだ。」

「え?・・・あの・・・勇者パーティー?」


アレクの返答にサリナは不思議そうな表情をしている。

そんな様子は一同気になるわけで、アレクが尋ねるとサリナは包み隠さずに答えた。


「それはあなた達勇者パーティーが街での評判が悪い・・・いえ、確かテイマーの人が子供に人気あったかしら。」

「評判悪いだと?」

「えぇ、やたらと街の人に横柄な態度をとっているって聞いたわね。テイマーの人は子供と遊んで・・・まさか・・・」


サリナは訝しむ表情でクラウドを見る。


「ご、誤解だよ。俺は子供たちに楽しんで貰おうと芸をしてただけで・・・」

「ふーん、まぁいいわ。噂とは大分違うみたいだから、安心したわ。よろしくね。」

「あぁ、よろしくな。」


サリナはあらためてアレクと握手する。

そんな様子にタマエはウズウズしていたみたいで


「私もサリナと握手したいな。」

「えっと、タマエさん?」


戸惑うサリナにタマエは笑顔で返す。


「私の事はタマエでいいよ♪よろしくね、サリナ。」

「えぇ・・・。」


サリナはタマエとも握手を交わす。

そんな様子をメディアは笑顔で見つめている。


「良い友達が出来ましたね、タマエ。」

「うん♪出会わせてくれてありがとう、メディア。」


サリナにも滞在する為の部屋を用意する。

部屋はタマエの隣になっている。


「ベッド何だけど・・・広めのものを用意出来るかしら。」


サリナは自分の尻尾を見つめながらモジモジと話す。

なるほど・・・メディアはサリナの様子を見て答える。


「もちろん大丈夫ですよ。良かったら、一緒に見に行きましょう。」

「ありがとう。」

「気にしないで下さい。私達の為に魔法を教えて頂けるのですから。」

「そう言ってくれると助かるわ。」


その日は大急ぎで掃除した部屋にシングルタイプのベッドで寝て貰うことになった。



次の日・・・

サリナと一緒に冒険者ギルドに来てきた。


「えぇっ!?ソコノ大橋の通行止めしてた人を懲らしめたんですかっ!?」


受付のケイナは問題が解決したことに驚き・・・

大騒ぎになっていた事を知らなかったサリナは凄く驚いていた。

その様子を見たメディアはサリナのフォローをすべく言葉を繫げる。


「大丈夫ですよ、その方でしたらきちんとお話すれば分かって頂ける方でしたから。」


メディアに迷惑をかけたと感じたサリナはケイナに頭を下げる。


「ご、ごめんなさいっ!こんな騒ぎになっている事に気がつかなくて・・・あんな事は二度としません。」


・・・メディアは確信していた。

悪夢の中では高慢な態度をとってはいたけど、それは彼女の上位種ひいては竜魔族としての誇りからくるもので

本来の彼女はきちんと頭を下げる事の出来る素直な子なんだと。


「ケイナさん、彼女も反省していますしここはこの辺りで止めておきませんか?もし、それでも信用出来ないと仰るのでしたら私達を通して下さい。彼女は私達の仲間です。」

「彼女を勇者パーティーの一員として・・・そうですね、反省されている方に過剰に責めても仕方ありませんしね。」


ケイナも追求はしない方針で進めてくれる様だ。


「ありがとうございます。それとソコノ大橋ですが、あの辺りには毒を持つ鳥がいますね。通行される方の為に何かしらの対応が必要かとおもいます。」


メディアの言葉にケイナは目を見開き、両手をブンブン振る。


「問題解決だけでなく、通行人の事まで見ているなんて・・・流石は勇者パーティーの聖女様ですねっ!」


ケイナの声につられて、周りの声が大きくなる。


「凄いじゃないか。話し合いで解決するなんて!」

「勇者パーティーの聖女様々だな!」

「誰だよ、勇者パーティーは酷いとか言ってた奴は・・・!?」


サリナが言っていた事もあながち嘘ではなく、噂はあったようだ。

アレクはもちろんウォルドやマイ・・・そして、クラウドにも破滅する未来なんてあってはならない。

メディアは考える。みんなが幸せになる未来を目指して・・・


(続く)

サリナのエピソードになります。

サリナを通して知った勇者パーティーの今・・・メディアの悪夢は現実に迫っていたものかもしれません。

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