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3、タマエの話②

ランチの後は薬草を二人で探し、冒険者登録に必要な物は揃った。


「薬草10個・・・探すのも骨が折れそうですね。」

「でも、楽しかったよ。」


2人は少し土にまみれながら笑い合う。

そして、魔石と薬草納品の冒険者登録を済ませてギルドの外に出る。


「たっ、大変だ~っ!!」


冒険者が息を切らしながら走ってくる。


「ハァ・・・ハァ・・・あ、あんたはメディア様か。ちょうど良かった、商人の馬車が盗賊に襲われていて。俺は助けを呼ぶ為にここに来たんだ。」


冒険者は必死に助けを求める。


「どうするの?メディア。」


メディアの行動は決まっている。


「もちろん、助けに行くわ。だって・・・」


勇者パーティーだからと言う前にタマエは上機嫌にしっぽを振る。


「決まったね、よっと・・・」

「キャッ!」


タマエはメディアをお姫様抱っこして、冒険者に馬車の方向を教えて貰うと・・・


「じゃあ、いっくよ~♪」

「きゃあ~~~~っ!!」


現場に向かって駆けて行った・・・



「あれが盗賊だね。」

「ハァ、ハァ・・・タマエ、ちょっと待って・・・」


目の前に盗賊に襲われている馬車があり、立てこもる事で何とか対処している様だ。


「・・・ふぅ、お待たせ。タマエ、行きましょうか。」


息を整えて、肩を回すメディアにタマエは不思議な顔をする。


「え?メディアは大丈夫なの??」

「問題はないわ。行きましょう。」

「分かったよ。てりゃあぁぁぁぁっ!!」


馬車を囲む盗賊にタマエのキックが当たる。

当たった盗賊は木の葉に風が吹いた様に吹っ飛んだ。


「なんだ、あの二人は!構わねぇっ!やっちまえ!!」


盗賊の攻撃を躱しながら拳を当てるタマエ。


「そこの姉ちゃん、がら空き・・・ぐへっ・・・」


メディアに振り降ろされる剣・・・しかし、その剣は届く事なくメディアの裏拳が炸裂して吹っ飛ぶ盗賊。


「・・・何か?仮にも勇者パーティー。盗賊程度に遅れは取りませんが?私も一応は武術を嗜んでおります。」


見た目に反して武闘派なメディアに盗賊も、タマエも驚いていた。


「(メディアは怒らせたらダメだね。)」

「どうしました、タマエ?(ニッコリ)」

「な、何でもないよ。」


勝てないと見た盗賊の親玉は大声を出して、撤退を指示する。


「アジトへ逃げるぞっ!!まだ俺達にはヤツがいる。」


盗賊達は親玉の声を聞くと、即座に撤退をした。


「大丈夫ですか?」


メディアは馬車に立てこもっていた人達に声をかける。


「あんた達凄いなぁ・・・一体何者なんだい?」


声をかける商人にタマエは誇らしげに語る。


「ふふーん、メディアはね勇者パーティーの聖女様なんだよ♪」

「そうでしたか・・・ありがとうございました。」


商人はあえてツッコまなかった。


「街へは行けそうですか?」

「はい。」

「私達はこれから盗賊のアジトへ向かいますので、そのまま街へ向かって下さい。」

「ありがとうございます。どうかご無事で。」


メディア達は盗賊のアジトへ切り立った崖に横穴が空いていて、盗賊が周辺を警戒している。


「行くよ、タマエ。」

「うん。」


アジトに突撃する二人。並み居る盗賊を蹴散らしていき・・・親玉の所に着いた。


「ハッハッハッ!!お前達はここでおしまいだ!こんな時の為に強力なモンスターを飼っていたんだっ!!やれ、リザードマン!!」


親玉は檻からリザードマンを開放する。

リザードマンは檻から出ると、親玉を攻撃した。


「なっ・・・大金はたいたのに・・・言う事聞かないのか・・・」


気絶する親玉を一瞥し、今度はメディア達に襲いかかる。


「甘いっ!てりゃ・・・か、硬いよ・・・痛た・・・」


攻撃を躱し反撃するタマエ。

しかし、リザードマンの鱗は硬く殴ったタマエが痛そうにしている。

その様子を見たメディアはタマエに声をかける。


「タマエ、攻撃はしなくて構いませんので、少しの間私に攻撃が来ない様にしてもらっていいですか?」


メディアの声にタマエは喜びながら答える。


「分かったよ。メディア、任せておいて♪」

「ありがとう、タマエ。」


メディアは魔法を使う為に集中する。

タマエは攻撃はせずに、リザードマンの攻撃を躱しつつメディアに攻撃が行かないようにリザードマンを挑発する。


「フロストっ!!」


メディアは魔法を発動させる。

氷の風はリザードマンを包み、行動を鈍らせる。


「タマエ、私と合わせてヤツの顎を狙いますよ!」

「うん、分かったっ!!」


二人はタイミングを合わせ・・・


「「せーのっ!!」」


リザードマンは顎に強烈な一撃をくらい、魔石を残し消滅した。



・・・リザードマンの消滅を見届け、タマエは飛び跳ねながら喜んだ。


「やったね、メディア。私達の勝利だよ♪」

「えぇ。」


二人はハイタッチして、勝利を喜んだ。

その後、応援に来た冒険者達に手伝って貰い盗賊団は無事に壊滅する流れになった。


そして、ギルドの手続き等で気がつけば夕方になっていた。

夕焼け空を見ながらメディアはタマエに話しかける。


「遅くなったわね。タマエ、帰りましょうか。」

「そうだね。勇者パーティーの皆に会えるんだ。楽しみだなぁ。」


タマエはまだ見ぬ仲間達に期待を膨らませて、メディアと一緒に帰っていった。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

タマエとのエピソードになりますね。一応、1キャラ辺り3話の構成で考えています。

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