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1、プロローグ

「や、やめて下さいアレクっ!!」


悪夢にうなされて、彼女は眼を覚ます。目が覚めると、寝間着姿でベッドの上にいた・・・

彼女がお話の主人公のメディア、勇者パーティーに所属している彼女は聖女として仲間のサポートをしています。


「また、あの夢を・・・仲間のクラウドを追放したら、その後に強い仲間を使役して・・・私達が落ちぶれていく中で、勇者アレクはクラウドに固執するあまりに悪事に手を染めて・・・それにしても・・・あれが勇者パーティーの姿と思うと気持ち悪い。」


悪夢を思い出すと、本当に気持ち悪かった。吐き気を催すほどに。


「ただ、見覚えのある景色なんですよね・・・これは天啓なのでしょうか。いけませんね、明日も早いのですから。」


メディアは首を横に振りながら、明日に備えて寝直した。



次の日・・・


「ね、眠れなかった・・・。」


朝の支度を済ませてから、今日のおつとめの前にパーティーが集まる。

勇者のアレク、戦士のウォルド、魔法使いのマイ、テイマーのクラウドそして聖女のメディアが広間に揃う。


アレクがクラウドに対してこう言った。


「クラウド、お前を勇者パーティーから追放する!」


その言葉を聞いたメディアは悪夢の事を思い出し・・・意識を失ってしまう。


「お、おい・・・メディア、しっかりしろ!!」

「(あ、アレクが心配している・・・彼を追放したらダメ・・・)」



メディアが目を覚ますと自室だった。


「はっ!!」

「・・・どうしたの?寝不足?」


介抱していたマイはメディアが目を覚ますのを確認すると、彼女の体調を心配していた。

普段は人類の使える魔法なら何でも使える事でマウントをとる子なんだけど、根は良い子らしい。

メディアはクラウドの追放の件を思い出してマイに尋ねる。


「マイ、クラウドの追放はどうなったのっ!!」


マイの肩を掴み、切羽詰まる表情のメディア。

あまりの真剣な表情にマイも戸惑いながら返事をする。


「ちょっ・・・どうしたのよ、メディア。クラウドの追放は保留よ。」

「保留?」

「それは、あんたが気絶したからよ。それどころじゃなくて保留になったのよ。」


マイの話を聞いてメディアは安心する。


「良かった・・・。」

「どうしたのよ?何かあったの?・・・ははぁん、あんたってクラウドに気があったのね・・・」


マイは何かを感じて、メディアに食って掛かる。

クラウドはパッと見は草食系男子で悪夢に出る様な事はしないのだが、悪夢の彼はその草食系男子を装い・・・


「き、気持ちわるい・・・」


悪夢を思い出し、吐き気がぶり返すメディアにマイは戸惑う。


「わ、分かったわよ。今日はゆっくり休みなさい。」

「マイ、ありがとう。」

「気にしなくていいわよ。それにしても、聖女も苦労するのね・・・何か人間っぽくて安心したわ。」


マイはそんな事を言いながら、部屋を出る。


「・・・私達は悪夢の様になってしまうのでしょうか・・・気持ち悪い。」


ベッドの上で天井を見つめながら彼女は考える。


「嫌です・・・」


悪夢が現実に起こるとは考えにくいけど、起きない可能性が無いわけではない。


「上位種・・・テイマー・・・そうだ。」


彼女は思う所があり、仕事着に着替えてアレクの部屋を訪れる。



「ん?どうした、メディア。まぁ、入れよ。」


アレクは自室で書類の整理をしていて、ドアをノックした彼女を部屋に招き入れた。


「大丈夫か?」

「えぇ、あの・・・アレク。クラウドの追放の件ですが。しばらく保留に出来ませんか?」


彼女はアレクにクラウド追放を保留にする話をする。


「メディア・・・お前、クラウドに・・・。」


マイといい、アレクといい色恋沙汰が好きなのだろうか・・・と思いつつ、メディアは説明をする事にした。


「違いますよ。追放にメリットがないと言いたいのです。私達は彼を勇者パーティーに誘いましたが、彼に関しては無駄な経費が掛かっていないんですよ。彼は勇者パーティーに入っているという誇りからお金に固執していませんし、荷物持ちや戦闘は出来ているのですから。それに、わざわざ彼を追放してから代わりをという話をすれば金銭面はもちろん彼以上の仕事が出来る保証はないわけですから。」


悪夢の中ではアレクは彼に固執するあまり、悪事に手を染めていた。

つまり、彼に対するコンプレックスが無ければそういう事はなくなるわけで・・・アレクのプライドを刺激しない様に追放をするとすればいいと思い、まずはお金の話をしようと考えていた。


「メディア・・・お前、お金にうるさいんだな。」


アレクの言葉に違うとは言えないので、苦笑いしながら彼女は答える。


「え、えぇ・・・世の中をきちんと回すには必要な物ですから。」

「そうか。なら、追放は否定しないのだな。」

「はい。安定した後任者が決まれば好きに追放してよいと思います。」

「お前もあくどいよな。まぁ、お金は大事だからな。アイツの追放は保留にしておくよ。追放ちらつかせておけばもっと仕事をするかもしれないしな。」


アレクは笑いながら、書類仕事を続ける。


「あ、アレク。そこの数字間違っていますよ。」

「さすがだな、お金の聖女様だな。」

「変なあだ名を付けないでください、アレク。」


これでクラウドの追放まで少し時間が稼げる・・・

メディアは勇者パーティーが狂わない様に、行動をする事にした。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

別で毎日更新している作品がありますので、こちらの更新は不定期にはなりますが3週以内にはやる予定ですので楽しんでいただけたら幸いです。


はっきり言いますと、個人的に追放モノは理解できないほど頭を抱えるジャンルです。

ですが、作品としては勉強すべきだと思いましたので不定期更新ではありますが書かせてもらってます。

(テンプレ展開で似ている作品あると思いますが、特に意図はないのでご了承ください。)

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