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花火大会が終わっても奈々子からの連絡は無かった。

次の日の練習、いつも通り玲奈と待ち合わせをして通学する。


「いやー、ちょっと気まずいなー」


「空ちゃんのこと?」


「それ以外無いでしょー」


「けどそれ奏ちゃんが気にすることじゃなくない?」


「そうなのかなー、っていうか玲奈わかるの?」


「昨日の話の流れと雰囲気でなんとなくだけどわかるよー、とりあえず話してみてよー」


自分のことになると流石は幼馴染といったところか、雰囲気だけで大体を理解してるみたいだ。


「奈々子が言うにはだから本人に聞いたわけじゃないんだけどね、葉加瀬くんの気になってる人がどうやらあたしみたいで、多分空は昨日フラれたんだと思うんだよね」


「うーん、まぁそんなとこだろうと思ってたよ、けどさ、奏ちゃんが気にする事じゃないよやっぱり」


「いや、それがね、あたしも薄々そうじゃないかなーって思ってた節があって、なんというかー」


「罪悪感がある?」


「そう!それ!」


「けど空ちゃん多分そんなんで奏ちゃんと気まずくなったりしてないと思うよ?」


「そうかなー、そうならいいんだけど……」


「っていうか奏ちゃんはどうなの?」


「どうって?」


「葉加瀬くんのことだよ、どう思ってんの?」


「……部活が一緒の仲のいい男友達?」


「好きになる可能性は?」


「うーん、そりゃー優しいしカッコイイとは思うけどなー、ゼロじゃないとだけ言えるかなー」


「いやーモテる女は言うことが違いますなー奏姫」


「姫じゃねーし、美咲先輩と同じこと言わないで」


「ま、なにはともあれだよ、空ちゃんと話したらすぐ解決だよ!」


学校に着くと音楽室は智香先輩の姿があった。


「おはようございます、早いですね」


「2人ともおはよー、あ、最上、昨日は楽しそうにいじってくれちゃったねー、あたしもいじっちゃおっかなー?」


智香先輩の顔が少し強ばる、玲奈の顔は少し怖ばる。


「い、いやー、智香先輩、浴衣お似合いでしたねー」


「そうかありがとう、とりあえず覚悟しろよ?」


玲奈は智香先輩に両脇をゴシゴシされてヘロヘロになってしまっていた。

奈々子も同じことになるのかと思うと少し見てみたい気もする。


「玲奈、とりあえず練習行くよ」


あまり長いこと先輩の邪魔をするのも悪いのでぐったりしてる玲奈を起き上がらせて自分たちの練習場所に行くことにした。


「あ、そだ花咲、昨日、大橋どうだった?」


唐突に空の話が飛んできて応えに迷う。


「え、あ、えと……、それは本人に聞いて欲しいというかなんというか……あたしからはなんとも……」


「ふーん、ま、来たら聞いてみるわ」




いつもの中庭で楽譜を広げる、最近はお互いに演奏で気になったところを玲奈と2人で言い合うようにしている。


「なにー玲奈、ニヤニヤしちゃって」


「いやー、あたしやっぱり奏ちゃんのトランペット好きだなーって思ってさー」


「ちょっ、朝から恥ずいって」


「なんか元気貰える、頑張るぞーって気分にさせてくれるんだよねー」


「それあたしも思ってた」


後ろから声が聞こえた、振り返るとそこにいたのは空だった。


「空ちゃん、どったの?」


「朝練来たら音聞こえたから覗いてみたの」


「……空」


「奏、気にしなくていいよ?あたしもう大丈夫だから」


空は吹っ切れた顔をしていた。

それでも傷つく前に自分はなにか出来たのではないか、そう考えてしまう。


「それとさ、今後は応援するから!奏のこと!」


「いや、それはちょっとズレてるというか……」


応援と言われても正直葉加瀬に対して好きとかそういう気持ちが無い、それでも空が目をキラキラさせながら言ってくれてることに対して無下には出来ない。


「そういう訳で、あたしは大丈夫だから、それを言いにきた、ごめんね心配かけて」


「空、あのさあたし……」


「大丈夫!わかってるから!」


いや、多分わかっていない、

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