ステータス上昇
冒険者となり、初めてオークを狩って食べた。
なかなか美味だった。
こっちでは飼われたりせず、弱肉強食の自然の中で生きて
きたからそれだけ美味く感じるのだろう。
そうだ。俺のアバターの中にレベル100のオークがいるが。
一体どれほどの旨味が詰まっているのだろう。
俺「いやいや、自分の肉を食うなんてそんな」
しばらく迷ったが、好奇心に負け食うことにした。
俺はオーク(俺)に向けて麻痺催眠の魔法を使った。
少しだけお腹を裂いてすぐに治癒魔法で傷を治した。
オーク(俺)肉を焼いて食べた。さすがにオーク肉を
オークの体で食べるのはどうかと思い、別のアバターの
口に入れた。
美味すぎる。焼いただけなのに今まで食べたどの
肉料理よりも美味い。
俺は感動のあまり涙した。
しかも不思議と(食べたアバターの)力が湧いてくる
じゃないか。
あれ?逆にオーク体のほうは力抜けてきたな。
ステータスを確認するとオーク体の能力値が下がり、
スキルが失っていた。
肉を食べたアバターのほうはオーク体で失った能力値や
スキルを獲得していた。失ったというより移ったのだ。
不思議に思っていると。
ド「我も少しもらうぞ」パクッ
んな!?お、俺の能力と肉が・・・
ド「なんだこの肉は!?長く生きてきたが、こんな美味い
肉を食べたのは初めてだぞ」
ショックを受けてる場合じゃない。折角だし確認をしないと。
俺「なあ、それ食べてステータスが変わったりしてないか」
ド「?食べただけで変わったりするわけなかろう」
確かに。こいつが食べた時、俺(オーク体)のステータスは
変わってない。同じ魂を宿した体を食べないと変化しないのだろう。
コンパクトにできるわけだな。しないけど。
ド「それでこれは何の肉なのだ」
俺「いや、それは」
マズイ!自分で自分の肉を食っていることを知ったら
ドン引きものじゃないか。
もしくは、あの美味さだ。もっと味わいたいからと
俺を食おうとするかもしれん。
俺「あれはきっと新種なんじゃないかな。俺ら異世界人
が来た影響だろう。あいつは尾が蛇、頭が猿、胴体は狸、
手足が虎の生き物だった」
ド「ほう、そんな生き物がおったのか」
いねえよ。いや待て、ファンタジーなこの世界では
意外とひょっとするかも。
もし、いたりしたら違うことがバレてしまう。
いないことを祈っておこう。