6.出会い
光芒軍付属光幻高等軍事学校、入学式後に控えるクラス開き。
「皆、まずは入学おめでとう。
私は君たち1-Aの担任、月代 椿だ。
この学校はクラスも担任も持ち上がりで二年、三年へと上がっていく。
これから三年間、よろしくな。」
そう名乗った女教師はたいへん美人であった。
残念なことに黒い軍服をビシッと、そのモデル顔負けのスタイルできこなし、白衣をその上に羽織る、こげ茶の髪を頭のてっぺんでお団子にした彼女は、とても厳しそうで怖かったのだけれど。
いや、そんな刺々しいオーラも彼女をさらに艶っぽく魅せる一つの要因なのかもしれない。
そんな教師と対面するように座っている生徒たちも緊張からか背筋をピシっと伸ばし、誰もが口をきつく閉ざして熱心に話を聞いている。
「じゃあ、君たちがこの学校でなにを学ばねばならんか、説明していくぞ。
いいか、セカイには大きく分けて二つの生物がいる。
セフィラ生物と無セフィラ生物だ。
人や動物、植物は皆誰しもがセフィラという力を体内に持っている。
当然だな、セフィラがなければ地上で生命を保つことができないからだ
セフィラを持っている生き物。だから、セフィラ生物だ。
逆に地上で生きる、セフィラを持っていない生物。
これらを無セフィラ生物という。
まぁ、君たちが<魔物>と呼ぶ生き物だな。
セフィラは体を保つ力。つまり生命の源、万物の源だ。
君たち、人間が持っている全てのセフィラを失えば死んでしまう。
だが、魔物は人間よりも身体能力が高く、身体もかなり頑丈だ。少しぐらい傷つけられてもすぐに元に戻る。だから、セフィラを失っても地下にいればまだ何とか生きられるのだな。
君たちもテレビかどこかで見たことがあるだろう。
赤黒く、皮膚が溶けたような魔物を。あれはセフィラがないから、身体を保てなくなっているのだ。」
「先生、魔物は地下でしか生きられないのに、何故地上に出てきて僕らを襲うんですか?」
「そうか、すまない。少し言葉足らずだったな。
魔物は地下でしか生きられないわけではない。
そもそも無セフィラ生物は、君たちセフィラ生物とはセフィラの形質が全く異なるんだ。
セフィラ生物のセフィラは使い捨てだ。
人によって様々だが母親の胎内にいるときから、大体25歳ぐらいまでは少しずつセフィラ量の上限値が 増えていき、その後は地上で生きるために少しずつセフィラが使われ、減っていく。
そして自分が持っていたセフィラを使い切ったとき、人は死ぬ。
これを私たちは、<第一・セフィラ>と呼んでいる。
そして、それ以外には<第二・セフィラ>なんてものもある。
<第二・セフィラ>は言ってしまえば自然治癒力だな。
ある程度なら<第一・セフィラ>に変換することができるセフィラだ。
ケガや病気にかかった時、運動をした時など、体に負荷がかかっている時<第一・セフィラ>は大幅に減るが、軽いものだったら<第二・セフィラ>によって治せるんだ。
ただし、<第二・セフィラ>の限界を超える大けがや大病は簡単に治せない。
ちなみに<第二・セフィラ>は鍛えれば鍛えるほど限界値は大きくなる。
これがセフィラ生物のセフィラの形質だ。
セフィラ生物のセフィラが使い捨てであるが故に人には皆等しく死が訪れる。
しかし、無セフィラ生物のセフィラは違う。
魔物のセフィラは上限がない。
人とは違って、セフィラを失ってもすぐにまた新たなセフィラが生み出される。
セフィラ生物は地上に生きているだけで少しずつセフィラがへっていくのに、魔物は地上で生きることでセフィラを失っても、またすぐに失った分のセフィラを生み出すことができる。
つまり、奴らが地上で生きていても、差し引き0で結局セフィラはなくならないままなのさ。
まぁ、ある程度セフィラを失ってしまうと新たなセフィラを生み出すこともできなくなってしまうがな。
これが無セフィラ生物のセフィラの形質。
それ故、魔物は半不老不死だ。
先ほど私は無セフィラ生物とは、セフィラを持っていない生物といった。
たしかに魔物は多くのセフィラを何故か失い、セフィラ量自体は激減した。
しかし、厳密にいえば減っただけで0ではないのだ。
だから、魔物は地上でも生きることができる。
死ぬことを許されず、生が永遠に続く絶望と苦痛の中で、奴らはその絶望と苦痛を少しの間でも忘れていたいと暇つぶしに人を襲う。
.........。
というのが研究者たちの論だ。
本当のところは誰も知らないがな。」
ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
説明回でしたね、つまんなくてごめんなさい。
私も説明回あまりすきじゃないのに。。。
次ももう少し説明が続きます。
これからもよろしくおねがいします。




