第五話 「共鳴-resonance-」 02
Middle Phase
00 相談
天道: じゃあ、ミドルに行く前に、今回皆がどういう方向に向かっているかというのをおさらいしておこうよ。
GM: いいね。素晴らしいね、そういうの。
天道: 俺は今回は、ひたすらに明日弥を探すというモチベーションで動くんだけど、まあそこにFHが絡んできて協力しながら進めていくんだろうなと思ってる。
神代: 私はクーデターを起こす気満々だよ。
天道: それは高円寺一派になって、ってこと?
神代: それはまだ分かんないかな。高円寺グループが何処まで私の味方なのかが分からないんで。……私の一番の味方って、橘さんなんですよ。
GM: ただ、現状橘は直接手を出すことが出来ない、と。
神代: で、橘さんと高円寺は少なからず通じていると思うんですよ。でないと、私がUGNに来るにあたって、神城の関係者として引き取ってもらった経緯に繋がらないんで。
GM: 外山と凪山はどうですか? UGNとの繋がりが薄い二人がUGNに残った形になってますが。
凪山: 今回、橘が拘留されてるんだったらそっちに動こうと思ってたんだけど、そうじゃないみたいなので、橘からの伝言に従おうかなと。
天道: まあ、橘に直接接触を取りに行くっていうのは、手段としてありだと思うけどね。
凪山: そうね。
葵: 俺は、ミハエルさんと連携を取りつつ神代さんを探して、見つかり次第、照のほうを探すかなー、と思ってます。
天道: 俺は後回しなんだ?
葵: 日本に帰ってくるなら早めに合流したいけどね(笑)。
天道: ミハエルはまだUGNの人間?
GM: です。ただ、今UGN凪山支部は、旧橘派と御子柴派に分かれていると思ってください。
葵: で、橘派はミハエルくらい、と。
天道: じゃ、現状の動機としてはそんなとこかな?
GM: ですかね。では、情報項目を整理したいと思います。
・UGN凪山支部について → <情報:UGN> <情報:噂話>
・橘村正の現状について → <情報:UGN> <情報:噂話>
・神代明日弥の所在 → <情報:UGN> <情報:FH> <情報:ウェブ> <知識:機械知識> その他適切な技能
01◆ 高円寺邸宅にて シーンプレイヤー:神代明日弥
GM: では最初は神代のシーンから!
神代: お、やった! では登場!(ダイスを振る)
GM: 目が覚めると、日本風の邸宅の中の、広すぎる和室で寝かされているということが分かります。
神代: 私はここに来たことありますか?
GM: ないですね。正確に言うと、記憶に無い、です。
神代: わかりました。
神代が目を覚ました丁度その時、部屋の扉が開かれ、水差しを持った一人の男性が部屋に入ってきた。
神代: いつもの、執事の佐々木さんだ♪
GM: そうです。「お目覚めですか? 明日弥様。ご気分等、問題はありませんか?」
神代: ちょっと自分の身体を見て、……ええ、問題ないわ。ありがとう。
GM: 「ここにおられる以上、貴女に危害を加えさせはしません。ご安心ください。」
神代: やっぱり、最終的にはお父様に頼らなきゃいけないのね……。
GM: 「高円寺様も、明日弥様のことを心配しておられました。」
佐々木は、着替えの服を神代に渡すと、用件を告げた。
「お目覚めになられてすぐで恐縮ですが、高円寺様がお呼びです。一緒に来て頂けますでしょうか?」
神代: ええ、もちろんよ。――――着替えはごてごてした和服ですか?
GM: 僕のイメージでは、普通の和服だったんですが、その辺は何でもいいですよ。メイド服じゃなければ。(一同笑)
神代: では、普段は着慣れない和服を颯爽と着こなして、お父様のところに向かいます。
GM: では、邸宅の奥まったところに案内されます。で、書斎と思われる部屋の前で、佐々木が部屋の中に向けて「明日弥様をお連れしました。」と、声をかけます。
「通せ。」
短い返事に応じて、佐々木はくぐり戸の扉を開け、神代を中へと誘う。
「失礼します。」
神代がくぐり戸をくぐって部屋の中に入ると、佐々木は外から扉を閉め、書斎の中には高円寺と神代、二人だけとなった。
部屋の中は非常に簡素で、シンプルな造りの木製机と茶道具が置いてあるだけだ。
室内では長身の男――――高円寺始が、机に向かって書類をしたためており、その傍らには、本宮遥が正座で控えている。
GM: 明日弥の方を見て言います。「具合はどうだ?」
神代: ええ、おかげさまで。ありがとうございます。お久しぶりです、お父様。
GM: 「(目を瞑って)明日弥。影が、暴走するようになったな?」
神代: こくりと頷きます。
GM: 「その力は暴走させるわけにはいかん。当分の間、この屋敷で生活し、衝動を抑える治療をしてもらう」
神代: はい。
GM: 「身の回りの世話は、佐々木と本宮がやってくれる。明日弥……お前はそれを治すことだけを考えろ。」
神代: わかりました……。
GM: ということで、神代はこれ以降、この邸宅から出ることが出来なくなります。ただし、情報収集は可能とします。佐々木経由で情報を集めたり、ということで。
神代: はーい。完璧な防御……素晴らしい!
GM: 更に、特定のNPCとシーンを構築することも可能です。現状だと、本宮または佐々木とは可能ですが、高円寺とは不可、です。ただ、フラグ次第で状況が変わるので、高円寺に会いたいときには宣言をしてください。
神代: はーい。
GM: そして、神代特有の情報項目が開示されます。
・神代明日弥に起きている衝動の原因 → <知識:レネゲイドウイルス> またはそれに類するもの
・神代明日弥の過去について → <情報:FH>
神代: 神代明日弥の過去、って……。
GM: 厳密に言うと、「貴方の知らない」過去についてです。
神代: なるほど。じゃあ、最後に一つだけよろしいでしょうか?
GM: はい、なんでしょう?
神代: お父様……。「神城が動き出した」とのことでしたが――――?
GM: 「それをお前が知る必要はない。」
神代: はい……わかりました。(素になって)そっかー。そこまで裏があるのかー……。
GM: では、そんなところで、シーンを切りますよー。
02◆ 現状把握 シーンプレイヤー:外山葵
GM: では次! UGN組なんですが、何かやりたいことありますか?
葵: UGN凪山支部について調べたいです!
GM: さて、どうやって調べます? ミハエルに聞く?
葵: そうすると、橘の意見が入りそうなので……出来れば、どっちかの息がかかった情報じゃなくて、客観的な事実が欲しいんですよ。
GM: 難しいこというなぁ~。ま、わかるけどね(笑)。
天道: じゃあ、両方から話を聞いたことにして判定すればいいんじゃないか?
葵: そう出来ます?
GM: いいですよ~。ではまず、判定をお願いします。
葵: <情報:UGN>で!(ダイスを振る)クリティカルして、21!!
GM: それは全部分かるね、さすがに。
葵: よし!
GM: では、以下の項目が公開されます。
・橘村正が中央に栄転・招聘されたことにより、御子柴が新支部長に就任。新支部長により支部内の組織が刷新され、今まで支部に居なかったメンバーも組織に組み込まれることとなった。
・支部に所属しているメンバーの中で、旧支部長(橘)寄りだったメンバーは支部の中央から遠ざけられている。結果、支部は完全に御子柴派によって掌握されている状態。
・現在、凪山支部は急な組織刷新により混乱が起きている。支部の中央こそ御子柴派によりまとまっているものの、支部全体としては統制が取れていない。これはノイマンのエネミーエフェクト《組織崩壊》によりもたらされたもの。
GM: ここでお知らせしておきたいんですが……《組織崩壊》の効果って知ってます?
葵: <調達>が行えなくなる。
GM: その通り!
天道&神代: なんだって!?(一同笑)
GM: ただし、あくまでも凪山支部の混乱を演出するために使っているので、<調達>判定の難易度を+4する、ということにします。
葵: GM! 橘支部長のコードネームって、この判定で出てきたりします?
GM: あー……分かるでしょう。橘の今のコードネームは“ソードブレイカー”です。
葵: 今の……ね。さて、じゃあ支部の現状は把握したので、神代さんを見つけに動き出そうかな。
GM: では、そんなところで一度シーンを切りましょう!
03◆ 橘村正 シーンプレイヤー:凪山陵
GM: では、凪山のシーン! 橘村正のことを調べるのかな?
凪山: ですね(ダイスを振る)! もう61%になった……。
神代: ホットスタートですね。
GM: 今回は結構大変だぞ、大丈夫か?(笑)
凪山: まあ、大丈夫でしょう。ということで、早速調べてしまいましょう!<情報:UGN>で!(ダイスを振る)10……。
GM: では、ここまで分かりますね。
・今までの功績が認められ、日本支部直轄の戦闘部隊“トライデント”への「復帰」が認められた。
・橘個人としては中央への復帰を想定しておらず、突然辞令が来たために対策を講じる前に状況だけが動いてしまった。
・元々橘は“トライデント”内に複数存在する戦闘チームを率いる隊長職だったが、ある任務に失敗し、その責任を取るかたちで部隊を除名。凪山市支部長に配属された。
・橘の突然の中央招聘は、ノイマンのエネミーエフェクト《疑心暗鬼》により、彼が表向きに失っていた信用が回復されたため。
GM: 今回、《疑心暗鬼》は拡大解釈で使っていまして、誰かの故意によって信用が回復されたので、中央行きが決まったということにしています。
天道: てことはある種、凪山市支部内での信用が失われてたりする、ってことかな?
GM: さて、どうだろうね? ということで、ここで新しい情報項目が公開されます!
・橘の過去の任務について → <情報:UGN>
凪山: ほーい。
葵: これ、情報共有しときます?
凪山: そうだね。
葵: (ダイスを振る)では、登場!
凪山: では、かくかくしかじかと伝えるよ。
葵: GM、ここで俺、もっかい橘さんについて調べてみてもいいですか? 一応10より上を狙ってみたい。
GM: いいでしょう。
葵: (ダイスを振る)ああ、無理でした。
GM: はい。まあ、リトライすることで、何か別の情報が出るかもしれませんね。……天道には連絡取らんのかね? この二人。
葵: ちょっと電話してみようか?
天道: 俺への電話は不通です。(一同笑)
葵: 『お客様のおかけになった電話番号は……』んー、繋がんねえなー。
凪山: じゃあメールをしたということで!
天道: ……ん? あれ? これ、俺から明日弥に電話をかけることって出来るの?
神代: 高円寺さんから、外部との接触は断つようにとかって言われてます?
GM: 言われていませんね。
神代: じゃあ、連絡つきますよ。
GM: ただし! 神代側からにしろ他PC側からにしろ、連絡を取るという行為に出る場合、前述の「神代明日弥の所在」という情報項目で調べてないと、誰かしらから妨害行為があるかもしれません。
神代: なるほど。
天道: てことは、俺は最初のほうずっと明日弥に電話を掛けてたんだけど出なくて、出ねぇ!!(と、携帯を折る仕草)
葵: それじゃ、照に連絡つかねーはずだわ!!
天道: いやー、スマートフォンって折れるんだな……。
葵: しかもスマホなのかよ!!
GM: (笑)じゃあ、シーンを切るね。
04◆ 思索 シーンプレイヤー:神代明日弥
GM: では他に、情報調べたい人が居れば。
神代: はーい!!
GM: 何について調べますか?
神代: はい。えー……まず、高円寺さんの邸宅の一室をあてがわれているわけですが、そこに寝巻き代わりの白襦袢姿で居る私は、ちょっと考えています。
居場所を作りたい――――そう思っていたけれど、人から与えられている現在の状況……これは絶対に私の居場所じゃない。でも、私はここに居なければならないのだろうか――――……?
神代: というところに、佐々木さんが来てくれるといいな。
GM: では、佐々木さんがお茶を持ってきてくれました。
神代: ありがとう、佐々木さん。ところで、私の病状についてなんだけど……ということで、私の衝動についてを<知識:レネゲイド>で調べてもいいですか?
GM: いいですよ。
神代: (ダイスを振る)21!!
GM: それは分かりますね。
佐々木が教えてくれた話によると、本来オーヴァードが持つ衝動とは、各個人が持つ起源に伴う強い感情が沸き起こるものである。但し、今神代がおかれているのは、本来一人に一つだけのはずの衝動が、複数絶えず起こっているという状態らしい。
神代: なんと!?
GM: なので、神代が持っているのが嫌悪だとしても、解放だとか自傷だとかっていう衝動がポロポロ起こってきていると思ってください。
更に、佐々木は続ける。
「明日弥様は若干特殊でありまして、明日弥様が持つ『影』が他者を取り込むことで、他人のレネゲイドウイルスが常に体内に蓄積されているのが原因だということが分かっております。ウロボロスシンドロームが他者のレネゲイドウイルスを取り込む動作をすることは確認されておりますが、今回のようなケースは初めてでございまして、更に他の要因があるものと考えられます。」
神代: …………。
GM: 現在、高円寺家の医療スタッフによって衝動は極力抑えられていると考えてください。
神代: そう……。落ち着いて自分の現状を見つめなおした結果に、間違いはないみたいね。やっぱり、この状況をなんとかするまで、あの人達――――照君に連絡を取るのは止めておこう。と、私は鳴っている携帯を布団の上に置いて、無視することにします。
GM: 「ただ、今のは知識上での話であり、明日弥様がご友人等と関わりを断つのはあまり良いことではないと、私個人としては考えております」
神代: (寂しげに)そうね……。ありがとう、佐々木さん。そして私は深く考え込みます。
GM: では、そんな様子を見て、一礼すると佐々木さんは部屋を退室します。
今この身に起こっていること――――それを解決しないと照君には会えない……。なら、次に私がするべきことは…………?
一人残された部屋の中で、思索に耽る神代であった。
05◆ 兄弟弟子対決 シーンプレイヤー:天道照
GM: さて、天道のシーンです。
天道: さて、情報収集行こうか! 場所は、凪山市のとある高層ビルの最上階にある、夜景の見える焼肉屋に居ます。
GM: はい。
天道: 俺は仏頂面でミディアムレアに焼けた牛タンをレモン汁につけながら、どういうつもりだ? 兼さん……。俺がこんな(肉を食う)、肉の誘惑(肉を食う)、にでも(肉を食う)、負けると(肉を食う)、思って(肉を食う)、いるのか!?(一同爆笑)
GM: 「いやあ、僕もキミを誘っておいてダメでした、だと、只のおつかいか? って言われるからさ。あ、そこ、焼けてるよ。」
天道: あのさ、焼肉バトルでもしたら楽しそうだよね。
いきなり何を言うのか。
GM: まあ、楽しそうだよね(笑)。
天道: ただ、言っても照は高校生なので、まだ人間的に未熟なわけですよ。なので、……なあ兼さん。俺、明日弥のことずっと探してるんだけど見つかんねーんだよ! どこまで遠くに行っちまったんだ? 今度はヨーロッパまで行かないとダメかな!? と相談する。
GM: 「まず足元見ようよ。」(一同笑)
天道: あんだけ探したのに、まだこの凪山市に居るとでもいうのか!?
GM: 「意外と居そうだよね。」
天道: そんなバカなっっ!!(ダン、とテーブルを叩く)だが、俺が探しきれていない場所があるのかもしれん。例えばどういう場所があると思う?
GM: 「UGNやFHという組織力を使っても探し出せないところをみると、第三者的な組織が関連して居るのかもしれないね。」
天道: UGNとかFHよりも力のある組織があるってのか?
GM: 「これを言ってもいいもんだか、悪いもんだか……。」とちょっと言いよどむ。と、ここで情報判定をして欲しいんですが、ただ情報で振るのもアレなので……。
天道: アレってなんだ。焼肉バトルか?
GM: それも楽しそうかなと思うんだ。
天道: マジか!?(笑)じゃあ、変えたばかりの網の上にいい感じの焼き加減の壺付け上カルビが、一個だけ残っている。どうするんだ、兼さん!?
GM: 「食べるよね。」と箸を伸ばす。
天道: (それを箸で遮って)ならば問う! オーヴァー道とは!!
GM: 「(応戦しつつ)この上カルビみたいなもんだ!」
天道: 上カルビを食わずして、オーヴァー道を究めたと思うこと勿れ!! いいか兼さん。アンタは確かに兄弟子かもしれないが、師匠はこう言った「食い物の恨みは恐ろしい」と!
GM: 「聞いたことがある。」(一同爆笑)
天道: ここは恨みっこなしで勝負を決めようぜ。
GM: 「早くしないと焦げちゃうしね。」
天道: いざ!!!!
GM: こっちは《獣の力》他。(一同笑)
天道: 何っ!? ならばこっちも《炎の刃》と《コンセントレイト:サラマンダー》だ!! 割り箸の先端に炎が灯る!!
葵: 焦げそうだな、肉。
神代: きっと割り箸の先が刺さることで、丁度いい焼け具合になるんだよ!!
天道: (素になって)馬鹿か……。(一同笑)いや! ここはオーヴァー道伝承者としてのプライドがかかってるから、達成値40未満だったらDロイスの伝承者切るからね!!
神代: あれ? 伝承者って、振る前に宣言じゃなかったっけ?
GM: まあ、使えるとしましょう。
天道: うおお!!(ダイスを振る)んー……34なので、伝承者使います!!(ダイスを振る)56!!
GM: それは無理! こっちは41!!
網の上を飛び交う割り箸。
黄条院の、力のこもった一撃が肉を襲うその瞬間! その割り箸の先端が消し炭になる。
「!!」
黄条院の割り箸という魔の手から奪い取った肉を、箸の先端に点いた炎ごと口に運ぶ照!
天道: あちい!!
GM: それ、勝ってないよね!?(笑)
天道: しかし、口の中の火傷はおくびにも出さず、にやりと笑う。
GM: 「いやあ、まさか弟弟子がここまで素晴らしいオーヴァー道を見せてくれるとは思わなかった。」
天道: さあ、兼さん! 知っていることを一通り教えてくれ!!
GM: 「……UGNのエージェントである人間を個人の力で隠し切れるとは思えない。組織力を以てしても見つからないとなれば尚更だ。」
天道: つまり、力のある誰かが意図的に隠していると。
GM: 「神代の消息が分からなくなるのと刻を同じくして、バーレスクと協力体制にあった高円寺一派と連絡が取れなくなっている。恐らくここが、神代を確保して匿っているのだろう。」
天道: ん? ちょっと待って。高円寺とは、何について協力体制にあったの?
黄条院の話はこうだ。
“カンパネルラ”はRBという存在を至高のものと考え、RBに「成る」ことを研究対象としていた。
RBが特有に持つ因子を抽出し、別の素体に挿入することで、擬似的にそれを実現する技術までは確立したものの、常に衝動が起こってしまい、少なからずジャーム化してしまうという欠点を持った技術だった。
同じ頃“カンパネルラ”とは別に、似たような形でその因子を扱っている研究があり、それが「Re-Union Circlet Approach」だった。
その研究技術を用いる利点として、被験者の衝動が極力抑えられることによる安全性が認められた。
そして、高円寺がその研究に類する知識を多く持っており、資金援助と技術提供を行っていた。
天道: その協力関係を、今回高円寺が一方的に反故にした、と。
GM: です。でも、表立ってことを荒立ててどうにかできる程弱い組織じゃないので、FHとしても手を出しかねてるって状態だね。
天道: つまり、金をくれるって言ってた奴が急にくれなくなって困ってるんだろ?
GM: 「結構、核心をついてくるね。」
天道: 悪い奴だな! よし、分かった兼さん。アンタのことは、まだ多少気に食わないこともあるが、協力出来ることがあったら言ってくれ! と言いながら抹茶アイスを食べ始める。(一同笑)
GM: というところで、神代明日弥の所在についての情報項目の、難易度が下がりました。元々、普通に調べようとしたら難易度は36でしたが。
神代: 36くらいなら、いける!
葵: 自分で自分の居場所探ってどーする? で、GM! 凪山市って広い?
GM: 第一話でも言いましたが、多摩ニュータウンの辺りを想定してます。
葵: イージーエフェクトの《蝙蝠の耳》で、照が居ること分からないかなー? と思いまして……。このまま情報共有出来ないのもキツイかなと。
GM: それって、音を聞き分けることが出来るの?
葵: 「あらゆる音を聞き分け」って書いてある。
GM: では、このシーンに登場すれば、聞こえたことにしましょう。
葵: では、登場!(ダイスを振る)
天道: では焼肉屋からの帰り道に、葵に出会うわけだな。お! 葵じゃねーか!!
葵: 照!! お前、こんなところで何してんだよ!?
天道: ん、肉食ってた。と、さっき店を出るときにもらったガムを渡す。
葵: ありがとう(笑)。ところで照。神代さんのこと、探してる?
天道: さて、ここで問題なのが、照がどこまでさっきの話を理解してるかなんだが……こう言うかな。ああ、それについて耳寄りな情報があるんだが……あ、いや、無い。(一同爆笑)
GM: 天道は本当に言ってそう。
天道: 実は、兼さんが俺に協力してくれることになってな。俺も兼さんに協力することになった!!
葵: うん、大体把握してる(笑)。さっきの焼肉屋での会話、聞いてたことにしていい?
GM: いいですよ。
葵: じゃあ、そういうことで。そういえばお前! ケータイの電源切ってんだろ!
天道: 携帯? ああ、修理に出してる。
葵: あ、そう……。(一同笑)では、支部の状況とか橘さんのこととかを、一通り話すよ。
天道: それをふんふん、って聞いて、じゃあそういうことで、また明日なー! ばいびー!! って去っていく。
GM: 軽いなー(笑)。
葵: 明日って……。
天道: あれ? 明日お前学校休むの?
GM: ああ、秋口の連休か何かだったんですかね。ここ数日は。
葵: ああ、なるほど。では、おう。と答えとく。
天道: あ、そうだ! これ、ゴビ饅頭!!(一同爆笑)
06◆ 橘の過去 シーンプレイヤー:凪山陵
GM: 凪山って、まだ調べたいことあるって言ってたよね?
凪山: うん。橘の過去についてを調べたいんだ。
GM: じゃ、凪山のシーンにしましょうか。
凪山: では、登場! ではさくっと<情報:UGN>で振りますー。(ダイスを振る)クリティカルして、19!!
橘の過去を探っていた凪山は、彼が“トライデント”に所属していた頃の話を聞くことが出来た。
彼はFH研究施設の殲滅が目的のとある任務で、生存者を出してしまったために、命令違反として処分されたようだ。
その生存者は少女だった――――らしい。
GM: 少女が誰かについて明言はしませんが、推測は出来ていいですよ。
凪山: なるほど。その研究施設の研究内容は分からない?
GM: わかりません。“トライデント”は命令の通りに任務を遂行するのみという部隊ですので。
そして、分かったことがもう一つ。
件の任務でもう一人、生存者がいたという。その生存者は、橘が連れ帰った少女と同年代の男の子だった。
ただ、その子を保護しようとしたものの邪魔が入り、橘がその子を保護することは出来なかったという。
GM: まあ、マスクがかかった情報なんで、それについて調べることは可能です。橘本人に聞く、とかね。
天道: まあ、類推は出来るけどね。
GM: うん、そうだね。
凪山: じゃあ、このシーンはこんなところかな。
07◆ 御子柴の思惑 シーンプレイヤー:外山葵
GM: では次は外山のシーン!
葵: はーい。どんなシーンです?
GM: キミは神代の行方を探しているわけなんですが、普段のUGNとしての任務もしなきゃならんわけですよ。
葵: ああ、はい。
GM: 凪山支部で報告書作りをしていたんですかね。
葵: マジで!? 前回のあの散々な出来の報告書を見て、俺に書かせるの!?
天道: 報告書書けるのが外山しか居ないとか、まさに組織崩壊だよな。(一同笑)
肩の凝る事務仕事を終えた外山が休憩ルームでジュースを飲んでいると、そこに御子柴がやってきた。
葵: あ、御子柴さん。
GM: 「うちの支部には慣れたかい?」
葵: いやー……どうにもマジメなのは苦手で(汗)。
GM: 「まあ、そう肩肘張る必要はないよ。」と、最初のシーンで厳しいことを言っていたときとは、違う雰囲気だね。
葵: ……あのー。御子柴さんとしては、神代さんのこと……どう思ってるんすか?
GM: いきなり核心を突くね(笑)。
御子柴は一瞬答えに窮した後、頭をかきながら「隠すことではないよね。」と前置きをし、ベンダーで買ったコーヒーを一口飲んでから言った。
「別に僕も彼女に対して悪い印象を持っているわけではないんだ。ただ、ある出来事があってね。それが気になっている。」
葵: 何があったんです?
GM: 「彼女をこの支部に連れて来たときに、橘さんが誰かと電話で話していたのを聞いてしまったんだよ。」
支部長室に書類を届けに来た御子柴は、橘のその電話を偶然聞いたらしい。
『危険だろうと何だろうと、一介の娘が人並みの生活を送れない社会に何の意味がある?』
『万が一、彼女が既に人間ではない何かだったとして、それに何のためらいを覚える必要がある?』
『――――――同じ気持ちだよ、俺も。……とりあえず、切るぞ。』
GM: 「その話を聞いてから僕は、僕自身の能力を使って彼女を見極めようとした。」
御子柴のコードネーム“アカシックレコード”。これは未来の可能性を見ることが出来ることからつけられたものだ。
古代種の《デジャヴュ》――――これによって、複数の未来の可能性を見ることが出来る御子柴は、神代明日弥の未来を見ようとしたのだ。
葵: で、見えたんですか?
GM: 「見えなかった――――いや、『無が見えた』と言うべきなのかな。こんなことは初めてだった……。」
神代の未来が見えなかったことで、御子柴は彼女の存在自体が不安要素だと考えるようになってしまい、それが結果として、彼女への恐怖感へと繋がっていった――――。
御子柴は、吐き出すようにそう語った。
葵: これ……は、対応に困る答えが返ってきたな。
神代: 職場の上司に「占いでキミの未来が見えなかったんだ。だからキミが怖いんだ!」と言われました。(一同笑)
葵: って言っちゃうと、なんか面白くなってきちゃうから(笑)!
GM: 「あ、今の話は内緒だよ? 僕しか知らないことだし。――――余計なこと喋っちゃったかな……。」
葵: ……まあ、喋らないですよ。ところで、橘さんて元気にしてるんですかね? 栄転……とかって話ですけど。
GM: 「本部付きの部隊に戻れたわけだから、そんな悪いことにはなってないはずだけど。」
葵: 知ってる人が居なくなっちゃうのは……寂しいですよね。
GM: 「でも、この支部もいつまでもあの人の力に頼っているわけにもいかないから。」
葵: (意外そうな顔をして)あれ? 橘さんが居る頃から、御子柴さんが実質的には支部を仕切ったんじゃないんですか?
GM: 「いや。……確かに、あの人は書類仕事も出来ないし、意外と何もやらないし――――だけど、あの人が居たことによる安心感っていうのは、あったと思うんだ。」
葵: ああ、確かに。
GM: 「ただ、そこにずっと頼っていてはいけないと思う。安定した日常を壊させるわけにはいかないから、僕が自分の力で出来ることをやっているんだ。」
葵: なるほどね……。
天道: あのさ。今回起こってる問題って、明日弥が居ないってことだけだよな?
GM: ですね。いい着眼点だと思います。起きている具体的な問題って、神代が居なくなってることだけなんですよ。ただ、時を同じくしてバタバタバタッ! と事態が動いているだけで。ただ、御子柴派によって組織が刷新されていたことによって、急速に事態が安定しつつありますが。
天道: 今回ねー、GMが持って行きたい方向と、PCがこうしたいっていう方向で折り合いがつくエンディングが、今ちょっと見えてるんだけど、これ、一個でも掛け違えるとここまで行かないんだよね……。
GM: うん。まあぶっちゃけ、そうだ。
天道: で、さ。それをするには俺が結構キーになってくる気がするんだけど……。
GM: ……そこまで裏読みをしてくれるにも関わらず、何でお前は天道というキャラをやってるんだ!(一同笑)
天道: だって! 楽しいじゃない!!
GM: まあまあ、実際いいところついてると思いますよ? ただまあ、今回はクライマックスを複数用意してますので……頑張れや(笑)。
葵: じゃ、最後に御子柴さんに言う。未来が見えないってことは、いい未来に繋がる可能性もあるってことじゃないですかね?
GM: 「皆が皆、見えないことに対処しきれる力を持っているわけではないはずだ。不安定な大きな希望を抱くより、『見える』未来があるならば、そこを目指すべきだと、僕は思うよ。」
葵: ああ! つまり御子柴さんは、自身の力を最大限活かしたいと思ってる人なわけですね?
GM: そうですね。
葵: わかりました。話をしたことで御子柴さんへの不信感が薄くなったので、表の感情を尊敬のほうに変えときますー。
GM: はい。では、シーンを切りますね。




