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せめて不審者と呼ばないで!

お久しぶりです!!相変わらずの亀更新……(>_<)

驚くほど近い距離でお互いに凍りついたように動けない



恐らくきっと弟さんだと思われる彼は

知らない女性が自分の家から出てきたことにまだ対応しきれていないようだ




(なんていうタイミング。…まぁ、状況説明するには良かったのかもいれないけど)




苦笑を禁じえない状況ではあるけど、いつまでもこんなところで二人で固まっているわけにはいかないし,

何より、彼なら片平君に必要な薬の在処を間違いなく知っているはずで

 



「あの、片平圭吾君の弟さん、で間違いないかな?」



私の問いかけに怪訝そうな眼差しと共にギクシャクと肯定の頷きが返ってくる



うぅ~ん

なんともぎこちない雰囲気

弟君にとっては知らない人間なわけだから仕方ないんだけどね(笑)




「あぁ、良かった。あの、私、高郷亜季といいます。お兄さんの圭吾君にはいつもほんとお世話になってるんだけど、今日スーパーで会ったら熱がだいぶ高くて。ふらふらしてるし、帰り道が心配だったからとりあえずこちらまで送ってきたんです。」




先手必勝!!とりあえず一気に説明しちゃえ!!と要点だけ掻い摘んで話しきると

弟君の表情が「あぁ、そういえば」みたいなちょっと心当たりあります的な表情に変わる

うぅ、良かった~

なんとか不審者扱いからは逃れられそう




「兄貴、朝からちょっと具合悪そうにしてたんで。悪化したんですね?」




弟君からの問いかけに頷いて返事をすると、ようやく警戒を解いてくれたのか体の強張りが解けるのが分かった

よし、とりあえず「脱・怪しい女」は達成できたかな(笑)




「勝手にお家にお邪魔しちゃってごめんなさい。とりあえず圭吾君は今部屋で寝てるんだけど、風邪薬まだ飲んでなくて。」





申し訳なさを前面に出して告げると、「分かりました」と弟君が頷いた。

良かった、これで片平君も少し良くなるかなとちょっとほっとする

何より、家族の手当てほど落ち着くものはないだろうしね



さてさて、状況説明も終わったし、そろそろお暇しないとなぁ

でも、その前にもう一つ伝えておかなくちゃいけないことがあるんだよね……

言い辛いけど…言わないわけにもいかないしね




「…あの、ご迷惑かなとは思ったんだけど、片平君が今日の夕飯にって野菜炒めの材料を購入してて。

 お粥と野菜炒め、代わりに作ったのでもし良かったら、食べてください。」




恐る恐るそう告げると、弟君もびっくりしたようでちょっと目を瞠った

あぁ、そりゃびっくりもするよね~

人様の台所で何やってんだよって感じだよね……こればっかりはどんな非難も甘んじて受けますよ



でもって、こんな時になんだけど

今の弟君の表情ってば片平君にそっくりで、思わず和みそうになる

そんな場合じゃないのにね、ほんとスミマセン




「え、飯、作ってくれたんですか?」



弟君からの驚きの声に今度はこちらがぎこちなく頷く



「えぇ。スーパーで片平君に会った時、片平君もうだいぶ体調悪そうだったの。それなのに夕飯作らないとってわざわざ無理してまで買い物に来ていたから。なんとなくお手伝いしたくなってしまって。かえってご迷惑になるんじゃないかとは思ったんだけど……。」




ザ★必殺!言葉尻濁し!!

説明しよう

これは相手の追求を出来るだけ避け、話を曖昧に流したい時に使用する技である。

これと断定せずに言葉尻を濁すことで「そこはそれ、何となく読み取ってよね♡」というそこはかとない意思を滲ませ、相手からの追求を避けるという大人ならではの小ざかしい技である(笑) 




「そうだったんですか。なんか、兄貴の世話から色々とお世話になっちゃって。飯までありがとうございます。」




なんという純真ボーイ!!

いい子だ!この子間違いなくいい子だよ!!


さすが片平君の弟さんだね。爽やかイケメンの弟はやっぱり爽やかイケメンなんだね

お姉さんちょっと嬉しくなっちゃうよ



「いえ、こちらこそ。本当にご迷惑じゃなければいいんですけど。…じゃあ、あの、そろそろお暇しますね。連絡先書いたメモを残してありますので、もし何かあればそちらまで連絡お願いします。あと、これ。片平君の鍵、閉めたら郵便受けに入れておこうと思ったんですけど…お返ししますね。」



時計を見るともう結構いい時間だ

目の前にいる弟君に拝借してた鍵を返しながらぺこりと頭を下げる




「ほんと、お世話になりました。ありがとうございました。」




体をちょっと脇にずらしながら、弟君もぺこりと頭を下げてくる

「それでは、失礼します」とその脇をすり抜けて、来た道を引き返す




なんか、結構濃い一日だったなぁ

弱った片平君との遭遇に、初の片平宅訪問。そして極め付けが片平弟君との遭遇…

って、全部片平君関係だけど(笑)




片平君と歩いた道は今ではすっかり暑さも身を潜め、過ごしやすい気温になっている

頬を撫でる風が心地よい




一番星が見え始めた薄紺の空に向って力いっぱい背伸びして、緊張していた体を解す




さぁて、いつもの日常に戻りますか!!


次回はもう少し早めに投稿できるようがんばります!!

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